4 進化の可能性
4 進化の可能性
『進化可能?俺って進化できるの?』
新しく覚えたスキルに、進化の可能性があった。
しかも俺自身のみならず、装着者も可能な感じだ。
耐久力は50から始まって、レベルアップごとに10ずつ上がってた。
今は200だから15回ほどレベルアップしたはずだ。
もちろん、進化できるならするに決まっている。
進化の承諾を確認。進化を開始します。
『え?』
目の前が、視界の端より少しずつ暗くなってくる。
気絶しないように抗おうとするが、無理っぽいぞ。
『やばい、この感じ気絶っぽい。ここ、、で、、きぜ、つは、、まず、い、、』
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『ん?気絶してたのか?』
ハッとなり、周りを見渡すも特に変わった様子はない。
時計なんてないからどれだけ時間が経ったのかもわからない。
進化する時は、気絶するのか。
進化する時は、時間や場所に気をつけないと、進化して気絶中に死んでいたなんて笑えない。
『何もなくてよかった』
一安心し、気になっているステータスを確認する。
名称:目鏡 翔
種族:アーティファクト(魔法使いのメガネ)、スケルトン
装着者:スケルトン
ステータス:攻撃力60 魔力300/300 耐久力:60/60(スケルトン)200(翔)
スキル:遠近眼、鑑定、念力、念話、自然治癒、スキル共有、装着、魔法回路、装着者ステータスアップ(極小)、毒耐性、麻痺耐性、マップ作成、暗視、ストック、初級剣術、インセクトキラー、気配察知、隠密、進化の可能性 、newメタモルフォーゼ
ユニークスキル:newメガネ魔法
メタモルフォーゼ:メガネをサングラスや度付きメガネに姿を変更することが可能
メガネ魔法:目鏡翔専用のスキル。
『魔法使いのメガネになっとる』
普通のメガネから魔法使いのメガネになったようだ。
たぶん戦闘でも魔法を使い続けていたからだろうな。
ところで、ユニークスキルメガネ魔法ってなんだよ。
名前的には、すごくダサい。
もしかしてメガネフラッシュとかメガネを介して魔法を使っていたから、進化と同時にこんなスキルが芽生えたのか?
どうせならもっと格好いいのがよかった。
それにメタモルフォーゼって格好いいけど、見た目を変えるだけじゃねーか!
なんの役に立つんだか。
『とりあえず、サングラスにでもなってみるか。メタモルフォーゼ!』
自分自身の形が少し変わった気がする。
水面を覗いてみると、確かにサングラスになっていた。
『おおー。サングラスのスケちゃんも案外悪くない』
サングラス姿のスケルトンを様々な角度から見てみる。
意外と俺もイケてるな。
メタモルフォーゼを使い、スポーツメガネやモノクルメガネなどいろんなメガネに姿を変えて一通り楽しんだ。
スポーツメガネなんかは、外れないようにするためのメガネだが、スキル装着で激しい動きをしても外れることはない。
『まあ、見た目が変わるスキルだしな』
1番のお気に入りは、モノクルメガネのスケちゃんだ。
片方だけメガネをつけているスケちゃんは、なんか格好良さがある。
『もしかしてあれになれるんじゃないか?』
モノクルメガネにして左目につける。
レンズは緑色、テンプル(メガネのフレームの側面にある耳にかける部分)を少し厚く白色にし、これでスカウターの完成だ。
『できた!スカウターの完成だ!』
これで鑑定を使えば完全にスカウターではないだろうか。
まだ、相手の能力の詳細とかはわからないけど、自分の詳細は見れるってことはそのうち見れるようになる可能性はあるだろう。
早くスカウターとしての機能をちゃんと使ってみたい。
ピピっと音を出して、「戦闘力、、、たったの5か、、ゴミめっ」って言いたい。
そのシチュエーションを考えただけで、オラわくわくしてきたぞっ。
思った以上にメタモルフォーゼ面白いぞ。
って面白いだけじゃねーかよ。
まあいいか、メガネ魔法も合わせておもしろ格好よくやっていこう。
それにしても、魔法使いのメガネだけあって、魔力が格段に上がった。
これでファイアボールなんかも魔力を多く込めて大きくしたり密度を高くして威力をあげたりなんかもできるようになるな。
もしこの世界に人がいるなら平均はどのくらいなんだろうか。
そもそも人がいるのを当たり前に考えていたが、この世界にも人はいるのだろうか。
なんでこの世界にきてメガネに転生したのだろうか。
考え始めたら、止まらなくなる。
『まあ、わからないことを考え続けてもしょうがない。最強のメガネを目指すことにしたんだ。それを目標に頑張っていこう』
それにスケちゃんも進化できる可能性があるんだ。
俺自身もまだ進化できるかもしれない。
でも魔法使いのメガネってことは、魔法系特化のメガネになるんだろうか?
まあ俺自身は魔法使い特化でも、装着者が物理攻撃できるし、それなら問題ないか。