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2話 出会い


「それではカンネルさんをスターライトレインボーのパーティーメンバーから脱退させます。

 パーティー都合による脱退となるため、今後新たなパーティーに所属、もしくは作成する迄はギルドによって身分を保証します。

 それと、ガンネルさんはランク降格後のパーティーからの脱退となりますので、ギルドサポートは2ヶ月間となります。2ヶ月間はパーティー機能の利用が可能ですので、ギルドカードは無くさないようお願いします。」


 あっさりと俺の脱退は終了した。元パーティーメンバーも来ていたが、別れの言葉は無く、気まずい空気が流れていた


「カンネル、俺がこんなことを言うのも変かもしれないが……助けが必要になれば声を掛けてくれ。出来る限りの助力は約束する」


 そうか……有難いが、俺にその資格はないだろう。


「あぁ、もしもの時は頼むよ……リーダー、いや」


 ハインス


〜〜〜翌日〜〜〜


 俺はギルドが用意してくれた宿で1晩をすごした。正直実感は湧かない。俺はパーティーを追放されたのだという実感が。やることも無い。パーティーとして任務をこなすことは無いから。


「新しいパーティー探さないとなぁ」


 でも俺の事を使ってくれるパーティーなんて有るのだろうか? 無いだろうな。でも2ヶ月過ぎたら俺は本当に仕事も家も失う事になるし……


「ギルドに向かうとするか」


〜〜〜ギルドにて〜〜〜


「あー……すまんな? 俺のところもう前衛職は足りてんだわ」


「いやぁ、そんなよくわからんスキル持ちはなぁ?」


「お前アレだろ? 所謂追放ってのをされたクチだろ? んじゃ無理無理。お荷物抱える余裕はねぇんだわ」


 なんだ……最初からわかっていたことじゃないか。そうだよな……呪縛なんて言うよくわからんスキルのせいで戦闘はできない。

 それなのに戦闘職なんだぜ? 魔法職は適性が無く戦闘職しか選べなかった人間が、攻撃ができない。誰が採用するんだよ。


「だからぁ! おめぇはもう要らねぇんだよ! どれだけ俺らに迷惑かければ気が済むわけ? そもそも3日だけの予定だっただろうが!

 ウチのリーダーに媚び売って何だかんだ今までこのパーティーに寄生してたみたいだけどねぇ? 俺は許さねぇからな!」


 あそこでも追放騒ぎか……あいつも災難だな。あんだけ目立つ追放のされ方しちゃったらもうどこも拾ってくれねぇだろうなぁ


「やめてください! 捨てないでください! お願いします! 何でも! 本当に何でもしますから!」


 声が響く。


「うるっせぇなぁ! こっちは命掛けてんだよ! 自分の事すらマトモに守れない奴をパーティーに置いておけねぇんだよ!」


 何も殴ることは無いだろうに……俺もそんな風に思われていたのかな……精神的にキツイな。もうなんでもいいや、酒でも飲んで帰るとするか。


〜〜〜その晩〜〜〜


 あんなの見ちゃったらパーティー探しもしたくないな。1度は別のパーティーに所属しないとギルドカードの追放欄消えないし……

 そういえばさっきの子、魔法使いっぽかったよな。魔法使いは適性が顕著に出るしなれたってことは優秀なんじゃないのか? それなのに追放されるなんて、可哀想ではあるよな。

 っと人の事考えるよりも先ずは自分の事だな……明日も一応パーティー探しはするとして、真面目に冒険者以外の仕事も視野に入れないと。


〜〜〜次の日〜〜〜


「なぁ! 聞いたか!? 星光七色、ついに金まで上がったらしいぜ?」


「一昨日銅まで下げられたんだっけか? いきなりすげぇ強くなったよな……裏金でも使ったんか?」


 ギルドに入って一発目にそんな会話が聞こえてくる……そうか、アイツら2日で2段階もランクを上げたのか。そんなに俺って足引っ張ってたんだな……想像以上だ。辛い


「お願いします! 荷物持ちでも何でもしますから!」


「無理だって! 今のメンバーでいっぱいいっぱいなんだよ!」


「お願いします! せめて寝るところだけでも!」


「アタシの所じゃ無理だね! 穀潰しを養う余裕は無いよ!」


 まだやってたのか……


「お願いします! 少しの間だけでも」


「うるせぇぞ! こちとら任務失敗でムシャクシャしてんだよ!」


 また殴られてる。魔法職なら反撃のひとつでもすればいいのに。

 アレがいる限り、俺も同じような目に遭うんだろうな。迷惑だ。


「てめぇ! いい加減にしやがれ! 邪魔くせぇんだよ!」


 おうおう、剣まで抜かれてんじゃん。あっ職員さん出てきた。


「落ち着いてください! ギルド内での抜剣は禁止されています!」


 アイツが居なくなるまで、俺はパーティー探しは諦めるしかないかな……トラブルメーカーが2人もいたら職員さんが可哀想だ。今日はどれを飲もうかな。


〜〜〜数日後〜〜〜


「グスン、お願いします……お願いします」


「泣いたって無理なもんは無理さ! 他を当たりな」


「どうか……どうかお願いします」


「無理だなぁ。おで達のパーティーは拠点を持たないからなぁ。仕事が出来ねぇんじゃ連れて行けねぇだ」


「お願いします……」


「なんだ姉ちゃん? 夜の相手でもしてくれるってんか? それなら俺はコッチの方が好みだからなぁ、ゴメンなぁ? ギャハハハハ」


 まだやっていたのか……何だか本当に可哀想だな。


 そんなふうに思って居たんだが、気がつけば俺は


「あの〜良かったら俺と」


「えっ?」


「パーティーを組みませんか?」

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