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第13話 晩御飯はお肉


 とにかく疲れた。それはもう非常に。宿に戻って直ぐアリシアは眠ってしまった。そういえばアレだけゾンビ倒したんだし、俺のレベル上がってねぇかなぁ。


 カンネル、なんと言っても戦闘が出来なかった故、レベルがぜんっぜん上がらなかったのである。一応小型の魔物が弱っているところにとどめを刺す程度なら出来た為、多少は上がっていたものの


「はぁ!?」


 はっ! つい大きな声が……


「どうしました? カンネルさん」


「すまん。起こしちまったな」


「いえ、大丈夫ですが……いきなり大きな声を出したので、少しびっくりしてしまいました」


「いや、冒険者カードのレベルが、6レベルも上がってて」


「え?」


「6レベル」


「いやいやいや!? ゾンビですよ!? 確かに数だけは多かったですけど」


「そうだな。ゾンビだな。だよなぁ……10数体はやったけど、それにしても伸びすぎだよな」


「ですよねぇ。てかそれだけレベルが上がったのなら何かしらのスキル増えてたりしないです? ゾンビキラーみたいな?」


「流石にそんなポンポンスキルが増えるわけ……ん?」


「えっ? もしかしてホントに?」


 カードのスキル欄に新しいスキルが追加されていた。スキルってのは習熟度によって発現するようなものだ。毎日同じことを繰り返したり、新しいことに挑戦したりすると手に入ることがあるものだ。ずっと上手くいかなかったことが練習を続けていけば、ある日ふと出来るようになる、みたいな感覚だな。

 スキルを習得出来れば、その技術は飛躍的に進歩する。ただ……俺のスキル欄に表示されていたスキルは


「闇」


「闇?闇ですか?」


 ちくしょう……なんで俺のスキルはこんなよく分からねぇものばっかりなんだよ! もっとこう……それこそゾンビキラーみたいなスキルが良かったよ!


「もしかして……カンネルさん、今日の最後、そのスキル使いました?」


「いや、俺はなんも? レイスの攻撃モロに喰らって意識飛ばしたんだぜ?」


「そうですか……いや、あの後実は、カンネルさんの傷口から黒いモヤのようなものが吹き出して、人型の……と言うよりは騎士? みたいな形になったんですよ

 ソレがレイスを倒していたんですけど、私も魔力切れで意識がハッキリしていませんでしたし……でも目が覚めた時はその姿を覚えていて、でもそのスキル関連の可能性って無いですか?」


 あぁ、だからさっき本人かどうか、とか言っていたのか。でもなぁ、俺はスキルを使用した覚えは無いし


「自己発動型じゃないのか? なんにせよ全く分からねぇ謎スキルがまたひとつ増えただけなんだよな」


「そうですね……呪縛に闇。まるで暗黒魔法使いみたいな感じですね!」


 暗黒魔法使いて……ちょっと傷付くぞ。


「まぁとにかく今日は寝るぞ。明日以降また生活費を稼ぐ方法考えねぇと。また馬小屋戻りすることになるからな」


「それは嫌ですね」


「だろ? だから明日は起きたらギルドに行って仕事を探すぞ」


「分かりました」


「それじゃ、おやすみ」


「はい、カンネルさん。おやすみなさい」


〜〜〜〜〜〜


「おい、アリシア。アリシア起きろ」


「んー?」


「んー? じゃない。早く起きろ!」


「ひゃあ!?」


 布団を引っぺがしてやる。そう、俺たちの起きた今は


「もう昼だぞ! 早く行かねぇと仕事が……っと、すまん」


 そこにはほぼ下着姿のアリシアが。


「お前寝る前は服着てたよな?」


「んー? ッ!? ハッ! カンネルさん!? まさか……」


「いや、違ぇよ? 俺ぁなんもしてねぇぞ? とにかくもう昼なんだよ、とっとと着替えろ。飯食ったら仕事探しに行くぞ」


 うん。なんもしてない。……寝相酷いんだな、アリシア。


〜〜〜〜〜〜


「お待たせ……しました」


 何だよその、疑いの目は。本当に何もしてねぇよ


「はよ飯食え。もうマトモな仕事残ってねぇと思うが、どんな仕事でもしねぇと……ここの宿代払えなくなるぞ」


「……はい」


 いやまぁ、俺も悪かったよ! そうだよな! 寝てる女性の布団をひっぺがすなんて良くなかったよな!


「いやホントすまんかった。でもお前も昼過ぎまで寝てたんだからお互い様だろ。起こさなかったらそれこそ今晩から馬小屋だぞ」


「……そうですね。すみませんでした」


 とにかく仕事を探さねば。


〜〜〜〜〜〜


「そうですね……もう殆どクエスト残ってませんね。銅ランクのクエストですと、少々お待ちください」


 やはりクエストは殆ど残っていなかった。それこそ高難度のクエストや割に合わないクエストは残っているものの……って感じだ。


「あっ、これとかどうですか?」


 そう言って差し出されたのは


「放置されている墓地の調査?」


「はい、前の管理者さんが失踪してしまいまして、今はギルドが管理することにはなっているのですが、如何せん私達も手が回らず……何も無ければ何も無かったで良いですし、何かしらの魔物が出た場合でも討伐はしなくて結構です。

 オールランククエストのため、報酬金は少し控えめですが……危険も少ないですから、いかがでしょうか?」


 ふむ、コレなら危険も少なさそうだし、二、三日分の宿代と食費にはなりそうだ。


「それで頼む」


「分かりました。それでは受注手続きをしますね」


「良かったですね! クエスト残ってて」


「そうだな。本当に良かった」


「受注手続きが完了しました。本日中に報告をお願いしますね! それではお気を付けて!」


「ありがとう。よし、アリシア! 行くぞ!」


「はい! 今晩のご飯の為に!」


 あの後、今晩の晩飯に肉を出す約束をするまでアリシアの態度は軟化しなかった。お陰様で今日の報酬じゃ二、三日分の宿代にしかならないんだ。まぁそれで解決したなら安いものか。

 今後は不用意なことはしないと誓おう。

いつもご覧頂きありがとうございます!

13話、カンネルさんは新しいスキルを手に入れたようです。どのようなスキルなのかは乞うご期待! という事で! 暫くは物語のペースを上げていきたいと思っています。もしかするとどこかで矛盾が生まれたりするかもしれませんが、暖かい目で見守っていただけると幸いです。

もし、この作品が面白い、続きが読みたいと思っていただけましたら評価とブクマ、是非よろしくお願いします!

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