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不思議体験シリーズ

善意なのかもしれないが、本気で怖いので、マジでやめていただきたい。

夏なので、ホラーな話を一つ。


これは私が、小学6年〜中学1年ぐらいだった頃のお話。

季節はいつだったか覚えていません。




その日は、父は出張で不在。

母は夜遊びが遅くなる日でした。


母の趣味はパチンコです(笑)

セミプロではありませんが、ほぼ毎日遊びに行っては夜遅くに帰ってきていました。儲かる日もあれば、すってんてんの日もある、趣味程度のお遊び。

どうやら、家計の足しにしていたようです。




いつもは、23時頃には帰宅している母ですが、この日は遅くなるようで、電話がありました。

兄弟とこれから飲みに行くから、遅くなる……的な内容だった気がします。

そんなわけで、一人寂しく、不安な夜を過ごす事になりました。




私は一人っ子です。母の口調に、もしかすると、今日はこのまま帰ってこないんでは……と不安になりました。


気晴らしに、友人宅へ電話します。

事情を話すと数分後、お泊り会……と称して、遊びに来てくれました。




友人が善意で遊びに来てくれて、私の不安と寂しさは、表面的には癒やされましたが、この日はいつも帰宅する母が帰ってこないので、真の部分は不安でいっぱいでした。

TVを見ながら、お菓子やジュースを食べ、パジャマパーティのように盛り上がっていました。


ふと、何故か鏡台の側面に目がいきました。

するとそこにはーーーー




ーーーー見知らぬおじいさんの顔が、生々しく浮き上がっていました。




私はありえない光景に、戦慄します。友人たちは全く気づいていません。

こちらの事も気にせず、盛り上がっています。


周囲の景色が反射して映ってるわけではありません。

まるで生きているかのようなおじいさんがこちらを見て、ニコニコと笑っているのです。


顔面だけが、鏡台の側面に浮かび上がっています。

子供好きそうな、優しそうなおじいさんでした。




おじいさん自体は怖くありませんでした。


しかしーーー。


普通ではない光景に、私は恐怖で凍りつき、固まりました。




何分そうしていたのでしょう。

おそらく数秒・数分間の出来事でしょうが、私にはとても長く感じました。


私は霊感体質です。

強くもなく弱くもなく、波長さえ合えば遭遇してしまう残念系。




きっとね、きっとそうなんでしょう。

子供好きなおじいさんと、親が帰ってこなくて不安がっている子供と波長があってしまったんでしょうね。




善意なんでしょう。


でもね、本音を言わせてください。


マジで怖いんです!!!


……なので、本気でやめていただきたい。




その後、一人凍りついていた場の空気は、帰宅した母によって、ブチ壊されたのでした。

そして、母が帰宅したことにより、臨時お泊り会はお開きとなったのでした。


ちなみに、その時住んでいた家は、築20年以上の木造文化住宅で、ちょこちょこ怪奇現象の起こる物件でした。




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