Ⅶ話目 魔王城へ
迷子になった僕達は、やっとエルフの里に辿り着きました。
もう、英雄集めとかどうでもよくない?って思うほど疲れ、エルフ族にされるがままにもてなされました。
祭りの衣装、腰ミノや葉っぱの服を着せられ、木で作られた神輿?に担がれ、家々を回り、お菓子を貰いました。
他所者は、帰れ!と言われる覚悟を持っていただけに困惑をかくせません。
それ以前に動けませんが。
そして、エルフの里でもてなされ続けて1週間、等々この日がやってきました。
エルフの長老が分かれの言葉を言います。
「英雄達よもう旅立つのか。」
「いやです! 僕は、ここで暮らします!!」
「フルッチ、わがまま言っちゃダメだべ?」
僕は、すっかり甘やかされ、ここの暮らしに馴染んでいました。
しかし、身内に攻撃を受け、巨大化したレンチョン様の小脇に抱えられ、駄々をこねる僕は、連れ去られてしまいました。
そして、数日が経過した頃、前に建物が見えてきました。
「エルフの里に帰って来れた!」
「どうやら道を間違えた様だ。」
「あっ、引き返さないで~~~・・・・!!」
せっかくエルフの里に戻って来れたのにまた森の中へ逆戻りです。
英雄パーティーは、どんどんと暗く嫌な感じのする地へと進んで行きます。
そして、数日が経過した頃、前に古城が見えてきました。
「エルフの里は、どこですか!?」
「もう魔王城に着いたからあきらめるだべよ。」
「フォオゥ!」
魔王城の入口へとたどり着くと門番達が槍を向けてきます。
それは、そうでしょうね?
「止まれ! お前達は、偵察部隊だな? その小脇に抱えているのは、侵入者か?」
「うむ。」
「よし、通れ。」
どうやら仲間と思われた様です!?
光輝くタロタロス様、巨大化したレンチョン様、左右で色が違うミサ様、棺を引いてクワを持っているユイシャさん、当然その棺の中には、マコ様が永眠してらっしゃいます。
あ、間違われてもしかたありませんでした。
簡単に通された魔王城の中を進んで行きます。
「そこの者達、止まれ。 ・・・・、英雄一行か。」
「・・・・何故分かったんですか?」
いかにも強そうな魔族が僕達の足を止めます。
レンチョン様の小脇に抱えられながら問いかけると魔族は、含み笑いをしながら驚愕の行動にでました。
「魔王軍の幹部クラスにとっては、雑作もない事だ。」
「・・・・幹部クラス。」
「さぁ、通るが良い、魔王様に謁見する事を許そう。」
「何を・・・・!?」
本来魔王を守るはずの幹部が僕達の邪魔をする事無く、道を開けたのです!
お前達ごときに魔王様をどうにか出来るはずも無いと言わんばかりの自信をその顔から感じました。
僕は、警戒しながらも運ばれて行きます。
真っ直ぐに進んで行くと禍々しい大きな扉が開かれています。
あれが魔王の間でしょうか?
扉をくぐると不安を煽るような声が聞こえてきました。
「おぎゃあ、おぎゃ~~~~あぁぁ!!」
つづく。
えっ!? つづくって何!!?