始まりは唐突に空から落ちてくる
「おっ、親方ァ!空から女の子がァ!」
「アァ!?そんなわけな...ぁぁぁあ!?」
おはよう。こんにちは。こんばんは。そして、初めまして。
勇者です。
訂正。ただの勇者じゃありません。
貧乏国アストレアで召喚された貧乏勇者です。
今流行りの異世界召喚された系の勇者ですが戦争に負けすぎて云々、今年は不作で云々で貧乏過ぎて初めに渡された支度金は…ありませんでした。
そのへんの木の棒。服。身分証
必要なもん与えたからあとは頑張ってね?と言って王宮(この場所だけ豪華)から叩き出され魔王を倒さないといけないようです。
いや無理ですよねこれ?どこの積みゲーですか?いい歳してマジ泣きしそう。
ブラック企業ばっかと言われた前世日本でも真っ青な労働条件過ぎて辛い。
えぇ、日本と言って気付いてもらえたと思いますが日本人です。
元の世界で流行りに流行っていた異世界転移系の主人公になれたらしいです。
なれたことには嬉しいけど待遇に納得いかない…やり直しはきかないでしょうか?
え?元の名前ですか?売られました。
この世界、名前にも価値がつくそうで元の名前は身分証を作られた代わりに無くなりました。
さらば、元の名前よ。
愛着はあんまりなかったけど、使っていた名前が見知らぬ人に付けられたときには泣きそうだったよ。
代わりにつけられた名前は勇者。
いや職業じゃん。
ってツッコみたい奴いると思うが、そういう人は是非王宮に行って直談判してくれ。
多分王様の隣にいるムッキムキな近衛隊長に斬られて終わると思うからさ。
もし生き残ったら名前改変もついでにお願いしたい。
あれ無理よ。いつでも斬り殺せるような眼をしながら剣の柄に手をかけてるから…怖かった。
人間命あってのなんとやらですよ。
百歩…いや千歩譲って名前の件は諦めれるよ。
でもそっちの都合で呼び出したんだから、お金はよこせよ!!って言ったら摘み出されましたね。
ふつー…無一文の異世界生活始まります?
生きるのにもお金が必要なわけで職探し。
何やかんやで一般人より力が強いことがわかったので、土木作業員を初めて3年、親方になりました。
元の真面目な性格とブラックバイトで慣れた労働で出世街道?を登っていたそんなある日、空から落ちてきた女の子と激突した。
どこのラノベ異世界だよ!ってツッコミたくて仕方がない。
「痛い。おぬし、なんでそんな所に居るんじゃ!!」
こっちのセリフだと言いたいが、如何せん頭が痛過ぎる。
コツンじゃなくてゴツンでもなくて、ガチンって音がした。
「お、親方ぁ!?大丈夫かぁ!?」
大丈夫なわけないだろ…次の親方はおまえだよ
あ、ダメだこれ視界がぼやけてきた。
「なんじゃお主その微力な金色のオーラ...って、あぁおぬし勇者じゃったのか?」
なんで分かるんだよ...薄れゆく意識の中ではもう何も見えなかった。
リハビリでなれないものを書き始めました。
息抜きにどうぞ。