宝くじ1等
貧乏な男がいた。
金にも女にもモテない。
金にモテる奴は女にもモテる。
0か2だ。俺は1を目指す。それが男の考えだった。
1ってのは友達だ。それさえいれば良い。
美人も金も、高い家もポルシェもいらない。
ほどほどで良いんだ。
友達も多すぎてもダメだ。
ほどほどで良いんだ。
そんな男は1日1食
交通手段は自転車
ある日、男はふと宝くじ売り場を見た。
ロト6がキャリーオーバー中で当たれば配当が多い。
ふと見たのも何かの縁かと思い1口だけ買った。200円使った。晩飯おにぎりだけになった。
発表日、売り場のおばちゃんに当たってるか聞きに行った。
これをすると新聞代が浮く。当たってない方が多いしこれで良い。
「ウソやろ❗️」
おばちゃんがびっくりしてる。聞いてみると
「1等です❗️銀行行って下さい❗️カランカラ…」
「鐘鳴らさんといて。バレるから!」
平日の朝で良かった。人通りが少ない。
銀行に行くと2億8000万渡された。口座を作ってくれと言われたので作った。印鑑は後日で良いらしい。
その日から急に周りにモテ出した。
女は寄ってくるし、高い買い物し放題。
教習所に通い、高い服を買い、駅チカな場所に引っ越す。
良い金の使い方だ。特に教習所と服は良い。身なりをよくして自分と他人のためになってる。
しかし…
回らない寿司屋、高いステーキ、高級ソープに行ってしまった…
派手な女にカバンをプレゼントした。
かつて自分が毛嫌いした金持ちと同じ事をしている…
俺もあっちの人間だった。
金持ちに品で勝ちたかったのに…