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6話 シリアスはやめて欲しいんですが?

( 厂˙ω˙ )厂三谷チンはツンデレ


( 厂˙ω˙ )厂唐突なシリアス(笑)回なのでお気をつけくださいm(_ _)m


( 厂˙ω˙ )厂第6話を『旅立つまでが長いんですが?』から『シリアスはやめて欲しいんですが?』に改題しました!

 おはようございます。朝です。7時です。


 地球では『夜更かし大好き(らいしゅき)♡ 二度と朝なんて来なくていいのに』とか言っていた俺ですが、さすがに死にまくったり襲われたりしたあとで疲れない人じゃないです。すやぁっと寝れて、なおかつ清々しく目覚めました。


 え? 普通人間はそういう時逆に眠れないもんじゃないのかって? 知らないよそんなこと。そんな状況、一度なってみないとわからないでしょうが。俺は普通! 人よりほんの少しだけ肝が太いだけ。


 本当ならわざわざこんな早起きして行く必要は無いのだろうが、勇者寮は広くて迷いやすいので早めに部屋を出ていく。ちなみに俺の部屋は昨日破壊されたので別の空き部屋で一晩過ごした。


 ヤン兄がついてくるのは本心から拒否したい。しかし、いくら嫌な奴が付いてくるといってもこちらは付いてきてもらう身だ。仕方ないのでもう諦めることにする。だってあいつの攻撃、俺に通らないし。


「おぃ、愚民(ゴミ)! 俺より遅くなるたァいいご身分だな!」


「三谷チンねぇ、昨日の12時からずっとここにいるんだよ。しかもちょっとした演技までして君と話してるんだ。可愛いところもあるだろ?」


「っ、余計な事言ってんじゃねぇよ、コウジ!」


 なんですか、この唐突なツンデレは。ヤンキーのにーちゃん、しかも俺のことを殺そうとしてきた奴に急にツンデレされても困るんだけど。ていうか、お前かよ、名前が『カスカ』って方。イメージ違いすぎるわ。


「……いや、そういうの気持ち悪いからやめてもらってもいい?」


 あ、思わず口に出てしまった、まぁ、相手ヤン兄だからいいか。


「んだよ、るっせぇなぁ! お前、益村のところ行くんだろ? だったら俺たちを連れていくのは筋なんだよ!」


 いや、そんな人知りませんけど? どちら様ですかい、益村どの。


「俺たちと同じ、第62期バルトラ・アッシャー討伐隊の勇者だった人だよ。俺と三谷チンは、第39期の勇者団の最後の生き残り」


 唐突に重い話されても困ります、はい。わからない単語も出過ぎてお話についていけないんご。重い話はギャルゲのヒロインの過去話や、萌えアニメの唐突のシリアス回だけで十分です。


「……明らかに重い話は嫌だって顔に出てるよね?」


 あ、バレた。まぁ、当たり前なんだけどな。


「重い話はあんまり得意じゃないんでね。で、なんでその話が益村って人を倒すことにつながるんだ?」


 話を聞いてあげないといけない状況ですね、これ。2対1は卑怯だよねぇ。


 俺の質問に対して軽く座る姿勢を直したコウジが、その黒い長髪を耳の後ろにかけ直して話しだした。


「益村は俺らの代の最強、つまり君ほどとは言わないにしてもそこそこに優秀な勇者だったんだ。剣道全国トップクラスの実力に魔法の素養、そしてそれらに特化したスキルを持ってこの世界にやってきた」


 コウジが語り始めると、横にいるヤン兄が自身の額を抑えて俯く。


「彼は俺たちと同じように魔王の討伐に参加し、とうとうあと少しという所までバルトラを追い詰めた。けど、バルトラは転生術式を組んで、勇者の体を手に入れようとした」


 ……なるほどそういうことですか。要するに『大魔剣士バルトラ・アッシャー』の体となった元勇者は、その益村って人だったわけだ。重い話だァ……3次元のヘヴィーは漫画やアニメ、小説という媒体を使ってるから重さが緩和されているだけであって、現実だとSAN値ゴリゴリ削られるんだよなぁ。


「最初に術式の展開を施されたのは三谷チンだったんだ。ソーサラータンク役をになっていた三谷チンが近くにいたからとにかく乗り移ろうとしたんだと思う。益村はそれを庇って自分が術式を受けて……」


 そう言うと、コウジはゴクリと生唾を飲み込むようにして話を続け始めた。何故急に俺にそんなことを話し始めたのかは分からないが、話すの辛いならやめた方がいいと思うんだけど……無理するなよ、俺に心配される状況って相当だぜ?


「……それで益村は魔王に体を乗っ取られてしまった。ただでさえ強い能力と持ち前の才能があった体に、魔王が乗り移った。一番強いやつに強い敵が乗り移ったら、その場で勝てるやつは誰もいなかったよ。俺たち討伐隊はその場でほとんどの奴らが惨殺されてしまった。それこそ辺り一面がちと臓物の海になるほどに」


 ……お、おう、俺グロい話は想像しちゃうから無理かも、あ、吐き気が……


 俺のそんな様子はお構い無しに、コウジは過去の話を話し続ける。


「俺と三谷チンは、益村が最後に近くにいた人間に使った透過魔法でなんとか逃げ切ったんだ。結局その帰り道も魔物に襲われて、生き残ったのは俺たち2人だけ」


 話が重い……重い話耐性は持ってないからきついぜ……なんでそういうスキルがなかったんだ……


「そ、それでなんでその益村って人、『大魔剣士バルトラ・アッシャー』を俺が倒すことになってるんだよ?」


 そう。ここが一番の疑問。ヤン兄の勘違いをどうにかしないと俺が本来の与えられた職から外れてしまう。俺は本来は倒しに行くのではなく見に行くだけなのだ。


 倒せるなら倒してもいいのだが、数の暴力で勝てなかった相手を、ぽっと出の一人だけステータスちょっと高めですっ! ってやつが倒せるとは思えない。


「君は三谷チンをワンパンでぶっ飛ばしたんだろう? だったら出来るさ。魔王の元の体の主の次に強かったのは三谷チンだ。それをワンパンで倒したんだ」


 そう言ったあと、コウジは唐突に俺に頭を下げながら言って続けた。


「益村を、バルトラ・アッシャーを倒してほしい。俺たちはその為に勇者として残り続けたんだ。それが叶うのなら俺たちは君に付き従う覚悟がある」


 理由と目的だけを話されても、動機が見えないんだが……流石にそこまで踏み込むつもりもないけど。


 本当なら全力で断るところなんだけど、頼まれたら無下にはできないか……らしくないなぁ、俺こんな流されやすかったっけか。


「……できる限りの事はしてみるよ。それでいいだろ? ヤン兄も」


「ああ、ありがとう」


「誰がヤン兄だゴラァ! 俺にはなぁ、三谷微(ミタニカスカ)って名前があんだよ!」


「あ、はい、そっすか」


「流すなぁァァァ!」


 やっぱりシリアスな雰囲気は苦手だな。このくらい明るいほうがいい。





◇◇◇





 その後は騎士が馬車に馬をつけてそのまま出発するだけだった。


 コウジが御者台に乗って、二頭の馬を巧みに操りながら街道を進む。


「これが王都か」


 資源と土地が圧倒的に足りていない分、王都という名前からは想像もできないほどに田畑が延々と続いている。


 ここが王国の最後の砦だというのだから悲しい話だ。むしろ、何故神はこんなになるまで放置していたのだろうか?


「……前はもう少し建物があったんだけどな……」


「お前が言うと、お前に街が破壊されたからこうなったんじゃないかって思うよ」


 俺の中ではお前は俺のNEWマイルームを破壊したデンジャラス野郎のままだかんな、ヤン兄。


 寂れた王都の風景を眺めながら、俺たちは西の魔王『バルトラ・アッシャー』の領土へと進んでいくのだった。


( 厂˙ω˙ )厂今度時間があれば二人の過去話も書こうかな、というか、バルトラ・アッシャー討伐隊のお話。



( 厂˙ω˙ )厂ヤンキーくんと長身くんは、エイジと同じ高校の人じゃないよって言うことだけここに追記します。


(厂˙ω˙ )厂読んでくれてありがとうございます!


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( 厂˙ω˙ )厂次回もよろしくお願いします!

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