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第二話 寄生
俺の身体はプランクトンの胃に収まった。このまま時間が経てば消化が始まり、俺の血肉はプランクトンの栄養となるだろう。
だがそうはいかない。
なぜなら俺は、ただの食物連鎖の最底辺ではないからだ。
俺は鞭毛を使って移動を開始する。プランクトンの胃壁に酵素で穴を開けて脱出すると、手頃な血管に侵入する。そこから血流に乗ってさらに移動。
目指す場所にはすぐにたどり着いた。所詮はただのプランクトンだ。身体も小さいし構造も単純で、器官も最低限しか保有していない。
目的の場所は、脳というのはおこがましいほどだが、一応プランクトンのすべての制御を司る器官だった。
俺はその中枢とも言える器官に潜り込むと、すぐさまそこを乗っ取った。プランクトンの自我を消去して運動機能を掌握し、身体の主導権を奪う。
こうしてプランクトンの身体は、俺のものになった。
1時間後に第三話を公開します。