表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パラサイト戦記  作者: 五月雨拳人
第一章 生きる目的と、その意味
15/140

第十五話 非情

 半耳は死んだ。

 そして戦は掃討戦に変わった。

 ボスを失った敵側のゴブリンたちは、一気に戦意と統率力を失い総崩れとなった。烏合の衆を蹴散らすのは簡単だった。背を向けて逃げ出すゴブリンを斬り殺し、武器を捨てて降伏するゴブリンもやはり斬り殺した。生かして帰すつもりなど最初から無い。これは、勝ったほうが全てを得て、負けたほうが全てを失う戦だ。

 そう、全てを失うのだ。

 戦はこれで終わりではなかった。

 戦闘員たちを全てみなごろしにしたのを見届けると、ボスゴブリンはさらに進軍を開始した。ゴブリンたちは返り血や武器についた血を払う事も忘れて歩き出す。

 向かった先は、半耳たちの巣だった。

 主戦力を失った砦を落とすのは、笑えるほど簡単だった。勝ち戦の勢いに乗ったゴブリンたちが巣穴へと飛び込むと、そこから先はただの虐殺だ。

 洞窟の中が血で溢れるんじゃないかと思うほどの、容赦の無い鏖だった。

 生きてる者は全て殺した。

 女、

 年寄り、

 子供。

 半耳の側にいた。ただそれだけの理由で、彼らに生きる権利は無かった。

 洞窟から漏れ聞こえる音や悲鳴と匂いだけで中がどうなっているか想像できた俺は、それ以上そこに居られず静かにその場を離れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ