-5-エンカウント率
只今絶賛空の旅、それも上空を高速で駆け抜けている。
何故高速で、しかも上空を駆け抜けているのか
人探しはどうしたんだと聞かれれば、僕は俯いて黙りこくってしまうだろう
だが事態はそれ所ではなかったのだ
僕は今、超デカイドラゴンに追われている
全長30メートルはあろう巨体で色は燃える様な赤色
とてつもなく厳つい顔付きをしていらっしゃって、何が気に入らないのかめちゃめちゃ追っかけてくる
何と言うか、捕まったら間違いなく胃袋行き確定だ
だから逃げている、黒い翼をはためかせ、ばっさばっさと逃げている
あ、捕まった
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劈く様な衝撃が身体を襲った後、身体が地面にめり込んだ
恐らく尻尾か何かで叩き落とされたんだろう、超痛い
「ヨ、ヨガフレイム…」
回復魔法を自分の身体にかけた、警戒するかの様にゆっくり立ち上がり周りを見渡す
どこかの森だろうか?
一面に草木が生い茂っている
奴は…ドラゴンはどこだ?
━━━━グラアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
鼓膜を引きちぎるかの様な咆哮が真上から聞こえた
上空をぐるぐる徘徊するかの様に回っている
「倒すしか、ないのか…」
倒せるのか?僕に、このドラゴンを…
やるしかないか、このままじゃ先に進めやしない
「ヨガフレイム!!」
1枚のコインを親指に出現させ
「ヨガフレイム!!!」
膨大な電気エネルギー右腕に蓄えつつコインを上へと弾く
「ヨガフレイムっ!!!」
落ちて来たコインを視覚で捉え、蓄えた電力と共に親指を弾き、コインを瞬間的に弾き打つ!
「レー○ガン!!…てきな!」
━━━━ズガアアアアアアン!!!!!
まっすぐ光の線はドラゴンに伸びて行き
━━━━━━直撃した
瞬間、ドラゴンの腹部が破裂し、肉が飛び散り、翼が抉れ、上空に真っ赤な血の花火が上がった
鈴木太郎、これで18体目のドラゴン退治である。
「はあ、はあ、ヨガフレイム」
レールガンの衝撃を受けたのはドラゴンだけではない
何がいけなかったか衝撃で自分の右腕が弾きとんでった
そのため再度回復魔法をかけた
「ふう…まったくなんだよこれ」
何だってんだこのドラゴン遭遇率
一般常識で空はドラゴンの世界とされている、空を飛んで移動する何て死にに行くような物、それは世界ひろしと行っても恐らどこも一緒だろう、その当たり前の真実を知ったのは、
鈴木太郎が目指す目的地、王帝国グリアスに到着してまもなくの事だった。
もぅマヂ無理、ドラゴン多すぎ!!ヨガフレイム!!!!
だが真実を知らない鈴木太郎は、目的地に到着するまでずっとドラゴンを倒し続けるのであった。