-3-魔法という名の奇跡
絶賛落下中
からかれこれ5分程度か?
最初こそ慌てたが今では落ち着いたもんだ
何が転生だよ!ちょっと期待した僕が馬鹿みたいだ!
だけどどうする事もできないのでこのままスプラッタと逝くしかあるまい
死んだらあの糞女神に文句を言ってやる
あ、やべ、逝くわ
「ひでぶしゅっ」
とてつもない程の衝撃が体を襲った。
やば、死ねる
想像してた程の衝撃ではなかったが何と言うか
…トマトケチャップだ
そうトマトケチャップ、血とかではないよ、トマトケチャップだよ
不幸中の幸いというか、奇跡的に五体満足だったというのが救いか
あれだ、魔法使おう魔法
とりあえず身体動かないし回復しよう
回復魔法だ
「ヒ、ヒール!!」
あ、あれ?
何も起こらないよ?…
呪文が違うのか?
「自己再生!!!」
…何も起こらねーじゃねーか!
このままじゃただの恥ずかしい奴じゃん、どうなってんだ
何が適当にヨガフレイムとか言えば使える様にしとくだよ
ん?
…ヨガフレイム?
「ヨガフレイムて」
瞬間
見る見るうちに傷が塞がっていった
えーー…
発動呪文がヨガフレイムオンリーな訳か、適当やってんなあおい
…まあ、魔法が使える事には変わりないし、贅沢も言ってられないか
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素晴らしい魔法のお陰で身体も治った
改めて周りを見渡して見てわかったが、此処にはあまりにも何にもなかった
いや勿論地面や空はあるが、それ以外は土や石、ちょっと大きい岩くらいしか見渡す限りにはなかった
地面は赤土だろうか?何日も雨が降っていないんだろうと伺える程に乾燥していて、木所か草っ子1つ生えていない始末
魔法で雨を降らそう
何にも無いし暇だ…練習も兼ねて魔法で雨降らそう
「えっと、ヨガフレイム!」
何か全然降る様子ないから、水蒸気が上昇気流でうんぬんかんぬん適当に想像してたら
降って来た
「偶然…じゃないよな?」
だんだん強くなってきたし
ここまでくれば偶然じゃないはずだ、やっぱり魔法の発動条件はヨガフレイムにあるみたいだ
「魔法すげーな」
あ、てかこのままじゃ俺が濡れてまうわ
「ヨガフレイムより傘欲しいわ」
ってこんな陸地にあるわけないか
そう思って視線を地面に向けたら湿った赤土にビニール傘が刺さっていた
「え?」
そんな…え?なんで?傘が…?
「ヨガフレイムのせいか?思った事ヨガフレイムに乗せて唱えればなんでもできちゃうのか!?」
俺の知ってる魔法と全然違うんたが
とりあえず試しにもう一度魔法を使ってみるか、それで俺の仮説が立証されるはずだ
「タオルよ出ろ!ヨガフレイム!」
バサッそんな音とともに俺の手の平の上に何処からともなくタオルが出現した。
「マジかー、何でもありですかー」
だがこれは使えるな
とりあえず雨で濡れた頭を拭こう
地面も言い感じに湿ったし
そろそろ雨止ますか
「今から天気になーれ!ヨガフレイム」
瞬間、見る見るうちに雨雲が散り、青空が顔を出した
「止んだよ…魔法すげーな」
いや…ヨガフレイムすげーな