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-2-女神さま



此処は上空数万メートル、空の上


回りを見渡せば、宇宙と呼ばれる空間に漂う幾多の星ぼしが儚げにもはっきりと主張を見せる程高い上空


そこには似つかわしくも白い大理石と金色の装飾であしらわれた巨大な神殿が佇んでいて、それを守護するかの様に蒼色の光りの膜が囲っていた。


「てゆーかマジありえないんですけど」


その神殿の主たる女神が、不満を隠さずに一人の男に向かって言葉を吐きつけた


「いやいや…僕に言われましても…

あの変な白い世界に居た時は正直刺された事のショックと恐らく夢だろうという疑いがあって…

はっきり言って自分がなに言ったかなんて覚えてないんですよ」


平均よりやや低い背丈のその男は金髪青眼の女神の吐き付けた言葉を

男性にしてはやや高い肉声でそう濁した。


「はぁ!?覚えてない?……だから要するにアンタを私の世界!…アースメリアに迎えいれるってことよ」


女神は出掛けた文句を飲み込み、話の要点を男に伝えた。


「…貴方の世界に?」


男は女神の発言の意図が読めず、思わず聞き返す



得意気に女神が答える


「そうよ!聞いて驚きなさい!私の世界、アースメリアは

人間は当たり前に居てドラゴンや魔物

亜人や魔人…そしてエルフやドワーフ何かがわんさか居る、剣と魔法のファンタジーの世界なの!」



「ファンタジー…なにそれすごい」



男は急激にテンションが上昇した女神に呆れながらも、驚きを隠そうとせずそう褒めちぎるのだった。




━━━━━━━━━━━━━




「ふふん、当たり前よ!なんたって私が七日も徹夜し頑張って作り上げた世界なんだからね」



とりあえず褒め称えてわかった事は、神にも徹夜って概念があるって事と

どうみてもアースメリアって世界が危険な世界っぽいって事だけだった。


「七日って…てかそんなファンタジーの世界に行っても僕すぐ死ぬ自信ありますよ

なんたって人生初仕事の日に強盗に刺されて一撃で天に熨された男ですから」



危険な世界には行きたくない


比較的治安が良い安全な日本で、俺は刃物にぶっ刺されて死んだんだぞ

ドラゴンや魔物が住む世界何て、まず間違いなくまともな死に方しないだろこのメスブタが



「呆れた、本当に何も聞いてないのね?憎き世界の管理者様がアンタをアースメリアへ勝手に誓約の保証を刻んだの、強盗どころか神である私が本気で殺しに掛かっても死にはしないわよ」



ちょっと色々何言ってるかわからん


「誓約の保証?」


「そう、誓約の保証…特定の魂を世界に刻む事、刻まれると世界がその魂をどんな形であろうが必ず守る、物理的だろうが運命的にだろうがなんだろうとなにがあったって例えその影響でアースメリアが壊れたとしても刻まれた魂だけは必ず守るの」



なにそれヤンデレ臭い


「つまり寿命以外ではしなないと?」


「寿命ですら死なないわ、魂が刻まれた時点で肉体も世界から保証されるしただの不老なら肉体を破壊すれば死ねるけど誓約の保証を刻まれた魂はアースメリアが絶対に守る、つまり完全に不死ね」



え?


「なにそれ怖い」



「大丈夫よ、どうしても死にたいのならこのアースメリアから出ていって自分で肉体を破壊するかすれば普通に死ねるから」



なるほど、意味わかんね


そもそも破壊とか物騒すぎて処理オーバー寸前



「ちょっと待って、俺に世界を出ていく力も肉体を破壊する力も備わってないんだが」


「そうでしょうね、それにファンタジーの世界に行ってもモンスター倒したり盗賊に襲われたりできないなんてあまりにも酷だものね、いいわ!私がアンタに力を授けましょう!どんなのがいいかしら!?」



力を授ける?


「え?そんな事できちゃうんすか?」



「まぁ私、女神だからね!」



そう言えばコイツ女神だった。



「でも力を授けてくれると言われても…強力な身体能力だとかとんでもないくらい多い魔力だとか、そんなありきたりのしか思い付かないんですけど」



「そんなんでいいのよ!魔法も適当にヨガフレイムとか言えば発動するようにしとくわね」


そんなんできちゃうのかよ



「じゃあそれで」



「よし、できたっ…と……



迷える異界の魂よ

今世では何不自由なく順風満帆に生きる事を創世の女神である、メリアの名の元に許します。」


そう言って彼女は優しく微笑んだ



…やっぱりこの人

女神だったんだなぁ…




「あ…はい、ありがとうござ」



瞬間



俺が立っていた足元の大理石がすぽっと抜け落ちた



大理石共々俺は上空何万メートルもありそうな上空から

アースメリアの地上へ落ちていった。



俺は忘れない


落ちてく俺を見てニタニタ笑っていた、あの憎たらしい女神さまの事を


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