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ソウル2  作者: 宮川心
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不確かな生きる覚悟4

 不確かな生きる覚悟4


 受付に診察券と保険証を提出し、待合室に座る。待合室には、2人ほどの先客しかいない。この分だと早く呼ばれそうだ。といっても、俊介は待たされる事に関して苦痛を感じるタイプではない。テレビもなく、観葉植物と熱帯魚が優雅に泳いでいる水槽と長椅子しかない空間だが、それが落ち着く。落ち着いた場所で、ゆっくりと思考を巡らせる。複雑に絡み合った結び目をじっくり観察し、解いていく。大学受験の勉強の仕方も同じだった。難しい問題も、自分の思考力の限界まで、諦めずに考え続ける。


 この方法は、山のような問題をポンポン解答する必要があるセンター試験では、効率が悪い。実際、俊介はセンター対策ではかなり苦労した。数をこなし、定理や解法を暗記する事が重要視される。しかし、暗記だけでは限界がくる。青葉の高校には、暗記よりも、定理の裏に隠された意味を理解する事が重要だと教える恩師がいた。定義から出発し、定理に着地するまでの部分が非常に重要なのだと。その恩師のお蔭で、単に暗記するだけでは、感じられない学ぶ喜びも知る事ができた。色んな人に支えられているんだな。最近、よくそんな事を感じる。


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