クリスマスには大切な人にハートを捧げよう3
クリスマスには大切な人にハートを捧げよう3
2190年12月24日、23時30分。SE監視機関。
SE監視機関本部の大型モニターには、敵を示す赤い輝点が無数に表れた。
「なんだこの数は・・・。」
寺田満はあっけにとられていた。防衛ラインの外側をぐるりと囲まれている。
「敵総数は14万です。」
14万だと・・・。SE監視機関の人員を総動員して15万3214名。現在、防衛ライン内にいる隊員は約8万名。
「こちらに全ての駒を送り込んできたのでしょうか。3000人は諦めて。」
分析員長は不安そうな顔をしている。
「その考えが吉。この14万が敵勢力の全てではない事が凶。清水会長からの通信を聞く限り、新井愛華の狙いはあくまでも3000人だと思われる。つまり、凶の可能性が高い。3000人がはったりの可能性もまだ否定はできないが、あまり期待できないな。」
敵勢力にまだ動きはない。寺田はマイクに声をぶつけた。
「本部より全隊員へ連絡。現在確認されている敵の総数は14万。接近戦になる前に数を減らす。配置済みの遠距離型高火力兵器を使用する。全隊員は防御態勢をとり、指示を待て。」