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ソウル2  作者: 宮川心
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NO.xji4321新井愛華事件2

 NO.xji4321新井愛華事件2


「なんか納得できんのう。」


 清水はレポートを見ながら、思わず独り言が漏れた。新井愛華が仲間や、父親を殺害するなど信じられなかった。報告書には混乱している様子だったと記載されている。そのせいで、向かってきた仲間を殺害したのだろうと言われている。

 

  しかし、ファミレスでの出来事を証言できているし、新井愛華の宣言もはっきりと明記されている。隊員が到着した時、新井愛華は隊員を襲わなかった。混乱しているなら、近づく人間をすぐに襲ってもおかしくない。新井愛華は到着した隊員の事を、きちんと識別できていたのではないか。わかっていたからこそ、襲わなかったのではないか。混乱はほぼ無かったのではないか。


「しかし、それでは何故・・・。」


 混乱していないのであれば、彼女が父親や仲間を殺すはずがない。彼女は仲間思いで、父親とも仲が良く、優しい人間だった。どんなに憎しみに囚われていても、その憎しみの対象は川上圭吾と彼のような性根の腐った人間。実際にそう証言している。今回の3000名のターゲットも、調べた限りでは、過去に悪行を犯した人間達だ。何の罪もない人間をためらいなく殺す意思は窺えない。


 それでは、父親や仲間が、新井愛華を殺してでも、止めようとしたのか。それを避けようとして、しょうがなく手を下した?報告ではそう聞いている。しかし、それも可能性としては薄いような気がする。駆けつけた隊員は、装備の準備をしている暇は無かったはずだ。

 

  いずれの隊員も優秀で、現場で武器を調達する事も可能だろうが、それでも限界はある。しかも、相手は新井愛華だ。新井智弘も、他の隊員も、彼女に刃を向ける事には抵抗があったはずだ。装備不十分、戦う意思も定まらない人間が襲い掛かってきても、容易に逃げ出せたはずだ。殺す必要性はないだろう。寺田満は嘘の証言をしたのか。しかし、隊員は寺田を除いて、実際に殉職している。本人確認も問題なく行われている。


「う~ん、わからん。」


 清水は頭を抱えていた。


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