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ソウル2  作者: 宮川心
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3000通のクリスマスカード2

 3000通のクリスマスカード2



 2190年12月24日、20時12分。浅間警察署。


 なんだよ、クリスマス・イブだっていうのに。職員は文句を言いながら、忙しく動き回っている。先ほどから、電話が鳴りっぱなしだ。


「はい。浅間警察署です。はあ、クリスマスカードに脅迫文ですか。同様の問い合わせを何件か受けております。いたずらかと思うのですか、捜査中なので、なるべく外出は控えて下さい。」


 これで何件目だよ。流行ってんのか。ぶつぶつ文句を言いながら。ネットを閲覧すると、全国的にこのようなクリスマスカードが送られているらしい。




「現在までに、浅間市内から43件の問い合わせが来ています。ええ、今現物を回収している所です。」


 署長室では泣きそうな顔で、署長が電話で報告をしていた。


「なんだよ、もう。孫にプレゼント渡しに行こうと思ってたのに。イブに恨みでもあんのか。」


 バンバン机を叩いている。署長室にノックの音が聞こえ、我に返る。入ってきた警官は、黒い封筒を何十枚と手に持っている。


「署長。例の現物です。」


 署長は差し出された封筒を開けると、黒い紙にサンタの可愛らしい顔がプリントされたクリスマスカードが入っていた。


「消印は無い。直接ポストに投函したのか。いたずらにしては規模がデカすぎる。上も混乱してるようだ。この文面も気味が悪い。」


 文章には赤字で次のように、書かれていた。


 To 裁かれざる罪人達へ   NO.1589/3000

 あなたは罪を犯したにも関わらず、その罪を償う事なく、反省もしていない。罪を犯した事さえ忘れようとしている。しかし、あなたが無かった事にしようとしても、過去の事実は変わらない。人が裁かずとも、私は裁く。逃れる事はできない。今夜0時。クリスマスを迎える時、刑は執行される。反省しても遅い。既に、審判は下った。今夜、3000の穢れた魂は永遠の苦しみへ導かれ、その肉体は浄化され、穢れ無き魂の器となるだろう。清き者は希望を手に入れ、穢れた者は絶望の死へと向かう。素敵なクリスマスを。

 From サンタクロース


「この文を信じると、3000人を殺すつもりらしい。本当に殺すつもりかわからんが、現在までに集約されている情報からすると、クリスマスカードは3000通くらいあってもおかしくはない。」


「しかし、居所もバラバラな3000人を一晩で殺害する方法なんてないでしょう。そんなに仲間を集める事なんて・・・。しかも、事前に予告するなんて、本当に殺すつもりなら、そんな事しないでしょう。」


 署長は眉間にしわを寄せて考え込んでいる。


「これは世間に対する挑戦状だろうな。単なる脅しにしか見えないが、大掛かり過ぎる。いづれにしても、今は上の指示を待つしかないな。」


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