プロローグ 闇を統べる魔女
ソウルの続編となります。青葉少年はどうなるのか。そして、新井愛華という人物を中心に、物語は大きく動き出します。今作も是非、最後までご覧ください。アドバイスやご感想を頂けたら嬉しいです。前作にて、ツイッター上でアドバイスを下さった方、本当にありがとうございました。まだ至らない部分も多いと思いますが、今作も宜しくお願い致します。
プロローグ 闇を統べる魔女
黒猫は七色に光る噴水を見ていた。ベンチの上に佇むその黒猫は、満足そうに喉を鳴らす。周囲に人影はいない。噴水が奏でる心地よい水の音。それ以外は何も聞こえない。静かで深い夜。
「素敵な夜ですね。七色の噴水を眺める黒猫。絵になるね。」
黒猫の背後に、音もなく近づいたフクロウが口にした。
「何の用?新しい動きでもあったのかしら。」
黒猫が噴水から目を離さずに返答した。
「そんなにあせるなよ。少しくらい世間話してもいいだろう。」
黒猫が振り返り、フクロウを睨み付ける。
「用が無いなら、帰るわよ。」
「わかったよ。とっておきの情報があるんだ。キヨちゃんが動き始めた。自分の部隊を組織している。君がちょっかい出すからだよ。何考えてるのさ。」
「役者は多い方が盛り上がる。あなたはどう動くつもり?あなたこそ、何考えてるの?私に情報を流して、良い事あるの?」
黒猫の目が怪しく光る。
「僕はね。君に興味があるんだ。君は闇を統べる魔女だ。どんな魔術を使うのか、研究したいんだよ。」
「ほんと研究熱心ね。あんな研究にまで手を出して、神様が怒るわよ。マッドサイエンティストさん。」
「好奇心が旺盛なんだよ。それに、神様がいるのなら、その神様も僕の研究対象だ。この世の全てが研究対象さ。科学技術は飛躍的に進歩している。昔は夢物語だったものが、今は実現している。科学は魔法だよ。」
フクロウは翼を広げて見せた。
「ほら、僕は今フクロウになってる。空を飛べるんだ。」
フクロウは上機嫌に口笛を吹いて、飛び去った。