マルチリンガルな小鳥たち!~小鳥の学校ってホントにあるらしい
『シジュウカラとその仲間の小鳥たちは、多様な囀り(言葉)を持ち、単語と単語を組み合わせて「文章化した言葉」も駆使し、情報伝達しあっている。種の異なる仲間もそれを理解し行動するという「多言語コミュニケーション社会」を築いている』
数年前にNHKで視聴した小鳥の言葉についての番組が余りに面白く、ずっと心の片隅にありました。たまたま見かけた巣立ち間際らしき彼らの姿にそれがふいに思い出され、この度書き留めてみることにしました。
ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ
スズメの学校の先生は~♪
雨続きの連休に少しだけ薄日が射した朝、白雲が光り青空がのぞく。
小窓の外に見える道向かいの森から、小鳥たちの声がとても騒がしく響いてくる。
ジュンジュン、ピチュピチュ、ピイピイチィチィ
んん? 今日は随分と賑やかだなあ…どこにいるんだ?
杉と檜と広葉樹が雑多に混じって並ぶ枝枝に目を凝らしても、深い緑の茂みで隠れて何も見えやしない。一体何羽いるんだろう?思わず窓を上げ、合唱に耳を澄ませて音の出どころを探す。
一番高い声を発している子の姿を見つけた。あれだ!
森で一番高い檜、そのてっぺんに止まり空に向かって大きな声で囀り続けている。
でも聴こえてくる元気な囀りはそれだけじゃない。ごく近くで沢山の鳴き声がする。
目を凝らしてみていたら、ビュン!
何か黒っぽい丸いものが凄いスピードで森の中から飛び出し目前を横切った。
ビュン! ビュン!
その一瞬後。モリモリに茂った枝葉の間から、ダークグレー色した子供の拳くらいの塊が先の影を追うように一斉に3つ4つ飛び出して、瞬く間に視界から消えて行った。
ビュン!
最後の影は、窓外の軒天に取り付けられた雨樋に止まった。
あっシッポが見える、可愛い!
白黒混じった、ピンと張った小さめな尾羽がひょこひょこと上がり下がりしてる(≧▽≦)
どうやらシジュウカラ(だと思う)の雛たちが、飛行訓練していたみたいだ。
「せーの!」とタイミングを合わせ、一斉に森の中から弾丸のように飛び出してきた彼ら。
日当たりのいい道路際に茂った枝の中に潜んで「ドン!」の合図を待つ、「よーい」の間の賑わいだったのかな。
みんなワクワクドキドキ興奮していたのかなー 笑
梢の上で大きな声でさえずっていたのは親鳥かな?
周囲に敵(カラスや鳶)が居ないかと見張り、「ドン!」の合図をヒナ鳥たちに送っていたのかもしれないなと思った。
この光景に、数年前に見たNHKの自然番組を思い出した。その回は、森や林や野原など身近な所でよく見かける小鳥たちの、非常に興味深い生態を伝えてくれるものだった。
対象は主としてシジュウカラ。スズメよりも一回り小ぶりな体、グレーの背広に白いシャツ、黒いネクタイをしているように見える。シュッとした風体につぶらな瞳がとてもキュートだ。
うちのベランダにも時々つがいでやってくる。傍に立つ電線支柱の穴に巣を作る事が度々あり、目の前に伸びてる電線とベランダの物干し竿を行ったり来たり。あまり人を恐れず、ピチュピチュと可愛い声を発しながらすぐ近くに姿を見せてくれる。我が家のぷーちゃんも大のお気に入りの子達だ。(窓辺に姿を見つけるとウニャウニャ鳴きだして大興奮)
とても馴染みの深い彼らだけど、姿を見たり声を聴いては「かわいいな!」と思う程度で、どんな生活をしているのかは殆ど知らなかった。
前述の番組で初めて知ったのは、彼らは極めて多彩な「言葉を操る」という事だった。異なる囀り方ひとつひとつを単独・或いは複数を文法のように組み合わせ、仲間と細かく意志を伝達しあっており。鳥類の中でも特にシジュウカラは、その言語力を基にしたコミュニケーション能力や社会性が非常に高度だという事がわかってきたという。
ええそうなの!?文章作ってしゃべる!?とびっくり( ゜Д゜)。
具体的に書くと「タカが来た」「蛇がいる」「餌だ、みんなおいで!」「警戒しながら集まれ(敵を追い払うために協力)」 などをシジュウカラ語に訳すとすると、
「ヒヒヒ(鷹だ)」「ジャージャー(蛇だ)」「ピーツピ(警戒)」「ヂヂヂヂ(集まれ)」などで「警戒しながら集まれ=ピーツピ・ヂヂヂヂ」となるんだそうだ。
こんな風に、具体的な意味を成す単語を組み合わせて囀ることで、的確に仲間の行動を促しているということらしい。
互いの姿が視認しにくい森の中でこうやって相互に助け合っていることが動物言語学者(鈴木氏)の観察や研究・実験で判明したのだそうだ。
そして更に驚いたのは。
彼らは主に冬場、その仲間(ヤマガラ、ヒガラ、コガラなどスズメ目シジュウカラ科に属する「カラ類」の小型の野鳥たち)や、他科のエナガ、メジロ、コゲラなどと共に「混群」という群れを作って一緒に行動しているそうで。その中で、種の違う鳥たちの話す言葉も互いに理解し合っているらしい、というものだった。
種を越えて互いの言語を聴き分け、それにより相互扶助ウィンウィンで協力しあって暮らしているって!?人間で言うなら母国語と別の言語を覚えるとかと、全くいっしょだ。
例えばコゲラが天敵の鷹を発見「タカだ、隠れろ!」と警戒音を発したとする、その囀りを聴いた他の鳥たちも、一斉に回避行動をはじめるんだそうだ。
体の小さな彼らが生き残っていくために体得した数々の知恵、進化。高度な相互扶助の仕組みに酷く驚いた。
更に興味深かったのはその派生で。ほかの鳥の「タカが来たぞー」って警戒音を上手に真似っこして囀り、仲間をうまいこと追っ払って、他の鳥が先に見つけた餌をちゃっかり独り占めしちゃったりするなんて奴もいるらしいんだ。
ひでえ奴だな(#^ω^)
「餌があるよ!」の報せにその場へ飛んで行ってはみたものの、あとから到着した体の小さな種の子達は大きい子達に阻まれて餌にありつけず、知恵を働かせて斯様な手段を試みた、という事らしかった。(…そう思うとちょっと切なくなる。)
けれど、それも最初成功しても二度三度となれば仲間の誰にも信用されなくなっちゃって、やがて効き目が無くなるんだとか(笑)。うーん人間と変わんない禁じ手のヤバさだな。
でもそれ、面白すぎる!
カラ類の小鳥たちってバイリンガルどころじゃないトリリンガル?(鳥だけに 笑)マルチリンガル?
すごいなー!
ここまででもう 十分すぎるくらいビックリなんだけど、仰天情報はまだ続いた。
群れに居る種の違うヒナたちを集め、言語を習得させたり生きる為のノウハウを一緒に教えるっていう、マジもんの「小鳥の学校」がその群れ=共同生活コミュニティに、存在しているというのだ。
どええ!?ほんと?
小鳥の学校ってリアルに あるんかーい!(( ゜Д゜))
番組視聴時のうろ覚えの記憶なので、調べ直し補足しながら書くことにします。
『シジュウカラは200以上の単語や文章パターンを使い分けている。巣立ったばかりのシジュウカラの雛は親の鳴き声を真似ながら覚え、そこに他種(メジロ、ヒガラ、コガラ等)の雛たちも加わり、シジュウカラの声を聴いて「この声が聞こえたらヘビがいるんだ(=危険)」と、言葉と意味を学習していく。
他種の言葉を幼いうちから学んでおくことで、冬場に作られる「混群」で互いに危険を知らせる等で助け合うコミュニケーション(多言語の理解)が可能となる。(資料 抜粋)』ということなのだそうだ!
初夏、巣立ちの頃に異種のヒナや幼鳥達が集まり「互いの言葉=鳴き声の意味」を学び合う場のことを「小鳥の学校」と番組内で呼んでいたのだった。
先日見た、森の中から凄い勢いで飛び出してきたシジュウカラの子達。
そういえばこの夏は、蝉の鳴き声に負けず劣らず隣の森は小鳥の声がいーっつも、とても賑やかだった気がする。これまでもきっと毎年そうだったのかもしれないけど、窓から見えるのは普段通りの穏やかな森の姿、小鳥の声の賑々しい理由とか特に気に留めた事はなかったなあ。
鉄砲玉のような元気いっぱいなあの子達の姿を目撃しなかったら、小鳥の言葉や学校の事、こうして思い出して調べ直すことは無かったかもしれない。
晴れでも雨でも暑くても涼しくても、窓に近づけばいっつもピーチクパーチク ピイピイ ジュンジュンと、色んな種類の小鳥の声が忙しなく聴こえて来ていた、今夏のあの賑わい。
あれってもしかして巣立ちを目前にした小鳥の学校の生徒たちの、国語や英語に音楽、社会科の授業や、楽しい休み時間のおしゃべり、そんなワイワイガヤガヤだったのかもしれないな。
厳しい冬を幾度も乗り越え生き抜いていく小さな鳥たちの、大きな知恵と力を寄せ合う姿をほんの少しだけ知って。心底 驚嘆感動したし、鳥だけじゃなく他の生き物たちもきっとそういう事がいっぱいあるんだろうなあ私が知らないってだけで、と目に映る世界や一緒にこの世界で生きる仲間を見る視点も、あれ(番組視聴)から大きく変わったような気がしている。
初めてその放送を観た当時あまりの面白さに感激しすぎて、視聴後すぐさま 推し友 に連絡。「めちゃめちゃ面白かったよ是非ぜひ見てみて!是非!」と見逃し配信の視聴を ゲキ推し してしまったことも思い出されます(・∀・)
今回調べ直す中で、この研究者の方の著作物が現在は教科書にも採用されている、世界的大発見であることを知りました。番組中でもこの方の鳥愛溢れる温かな視点にもとても胸打たれるものが有ったのを思い出し、もうこれは読むしかないぞ!ということで早速 原著を購入手配、読ませて頂く事にいたしました。手元に届く日が、待ち遠しいです。




