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妖し少女あずき  作者: 椎名 園学


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9/10

今度箱で買うときは大きいサイズのやつにしよ

当たり前のことのようにそれだけで終わらす。

「え、いやいや急すぎだろ」

「しょうがないなぁ」

不満そうな声で漫画にしおりを挟み、体制を直し俺を見る

「あの日は君の学校の七不思議とサンタクロースを討伐する仕事が入ってたの。だから深夜に学校に侵入して戦ってたわけ」

深夜というより、ほぼ朝方に響いていた銃声はそのせいだったのか。思えば俺の家に窓を破って入った時、すでに拳銃を持っていたのも納得できる。いや、じゃあなんで、俺の家に入った後も学校に向かって発砲していたのか⋯

「それで、簡単だと思ってたんだけど予想以上に学校の怪談が強くて途中で逃げてきたの。君が今思っている疑問はそういうこと」

「当たり前のように俺の頭を覗かないでくれ」

「だからサンタクロースと戦った時は本調子じゃなくて、あやうく死ぬところだったってわけ」

俺を無視してあずきはそういう。

「だから学校が再開したら今度こそ、退治しにいくからその時は君も頑張ってね」

あのあずきが逃げ出すほどの妖怪退治に俺がついていって何ができるんだろう⋯うん、おとりだな

学校の怪談と言えば、ベートーヴェンとか、人体模型とかか⋯⋯


トントントン


窓が叩かれる音で、思考から覚める。向けば首輪がされておらず、まんまると肥えた黒い猫がこっちを見ていた。

「猫か⋯よくこんなとこ登れたな」

頭でも撫でようかと、近づき窓を開ける。すると猫は遠慮なく部屋に入り込みあずきの前に座った

あずきは猫の頭をそっと撫でる。猫のビー玉のような瞳を見て猫の声で鳴いた

「にゃーにゃー」

「にゃにゃにゃ」

猫も負けじと何か鳴いている。

「お疲れ様。どうなんかあった?」

猫に向かって話しかける、寝起きの悪さが主だって物騒な女の妖怪とばかり最近思っていたが、意外と可愛いところもあるんだな。そう思ったのもつかの間、猫がみるみる体を大きくし始めた

「え、ええ!。猫キモ」

女子高生姿のあずきの半分ほどの大きさまでででかくなった、猫に驚き自然と口からきもいという言葉が出てしまう。猫は俺の言葉を理解できたかのように、俺に振り返り

「にゃなにゃ」

と眉間を縮めて何か鳴いてくる

「ああ、ええっとすいません」

猫語で返すわけにもいかないので、日本語ではあるが謝ると猫は機嫌を直してくれたのか、「それでよい」と言わんばかりに頷いてくる

「人間だから人間語しか理解できないよ」

あずきは猫に向かって今度は日本語で言う

「あ、そっか。」

猫が肉球を拳で押しながら、日本語を喋った

「え、キモ」

「なんやキモって。わいは猫やで、可愛いっていうもんやろ」

「この子は妖怪猫又の猫助」

「せや、猫助やよろしくな、あんちゃん」

猫助と名乗る猫が軽く頭を下げたので、こっちもそれっぽく自己紹介を返す。

「猫助は私の仕事を探してきてくれるの。学校の怪談もサンタクロースも猫助からもらった仕事だよ」

「あずきはんにはお世話なってます。もし、あんちゃんもそういうの受けたいんなら、ええもん紹介したっで」

「いや自分はあずきの家来でやらせてもらってるんで」

「あーあんちゃんが噂の。いやー珍しいなー。あずきはんが人間といるなんて。どういう風の吹き回しでっか」

どこかの方言がつよくなまっている猫助は、その喋り方や顔の表情から、どっかのおじさんと話しているように感じる。

「そんなことより、来たってことは仕事が見つかったんでしょ?次の仕事は何?」

「ああ、せやった。今度はあめふらしですわ。妖怪度は1。2万円です。どうです?」

「いいよ」

「毎度ありがとございます。ほんなら詳しくはいつも通り紙に書いときましたんで」

猫助は笑顔で頭を下げて、あずきに紙を渡すとすぐに、窓からどこ変え消えていった

喋る猫⋯⋯いなくなって冷静になるとなんか不思議な体験だったな⋯⋯。きつねにつままれたような


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