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転生してもホラーにビビりまくるとは!?  作者: 半田捨句
第一章 落星盆地の安寧
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12.海へ!③

 なんか…小さくない?、というのが初対面の感想だ。龍と言えば、何十メートルと及ぶ体躯を誇り威厳にあふれているイメージだったが、海面からでているのは俺より少し高いくらい…?アナコンダのほうが大きいよな。その感想を察したのか、龍が口を開いた。

「当方は沿海の精だ。大いなる海の精霊の分霊で、領域内では無敵の力を誇り、その無数の眷属も気高く強力、外海からの侵入は一切許していなかった…のだが、3か月ほど前に変な奴が現れた。黒く邪悪な人型が海上をゆらゆらと歩いているだけ。ただその佇まいが異様なため当方の眷属が排除しようと躍起になったのだが、ひたすら返り討ちに会うだけだったのだ。そして気づけば眷属も激減し、当方の力も弱まってしまった。」

「そんなに強かったのか?」

「いや、割に合わないのだ。その影に攻撃したものはその後高熱を出して寝込み、息絶えてしまう。しかし攻撃していない眷属も気づくと消えているのだ。最近はその影を見ても逃げ帰るのみ…情けない話だ。」

 悔しそうな沿海の精に、俺達は自己紹介した。ガトウはずっと海に行くことを禁じられていたことも話したが、やはり沿海の精の眷属におびえた山の民が決めたことだろう、とのことだった。しかし海へ出ようとするものや沿岸にいるものに危害を加えるものはおらず、よほどの狼藉を働いたのではないか、と解説していた。

 とりあえず今日は海に慣れてない三人を慣らすことが大事だと考えた。ここは達人に任せてみよう。

「任せられました!さあ!私の真似をしてください!!」

 コトシロはどこから出したかわからない釣竿を三人に渡し、意気揚々と岩場へ向かった。あまりのテンションの高さに俺はサポートに徹し、コマとレオは好きに水遊びしてもらうこととした。

 

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 圧巻だった。コトシロの釣竿は魚が食いつかない瞬間がなく、腰に携えた魚籠(びく)へ、次々と吸い込まれていった。もちろん保存用の異空間収納につながっている、そしてコトシロの指導を受けた三人の釣果も上々だった。こちらは普通サイズの魚籠を与えられていたが、ほとんど満杯になっていた。ミュイがその場で魚を捌き、川魚とは異なるその身の詰まり方に衝撃を受けていた。ちなみに水が塩っぽい湖があるらしく、海水の塩味には驚いていなかった。残念。

 コマとレオはてっきり元の姿になってはしゃぐのかと思ったが、人型のまま砂浜でしっかりバカンスを楽しんでいた。さすがに水は冷たかったらしい。山の精と沿海の精は積もる話でもあるのか二人で過ごしている。

 半日程度だったが、全員海には慣れ、この辺りの地形も把握した。砂浜で火を起こし、夜に備えた。敵は日の落ち切った深夜にしか現れないらしい。…夜の海にいるなんて怖くてしょうがない。波の音は夜になると霊の声が混ざると言うし、海中にいればまず足を引っ張られる想像しかできない。逃げたい気持ちを抑えながら、薄闇から真っ暗になるのを待った。ちなみに焚火はキャンプファイヤーくらいに焚いている。建前上はお互いを見失わないため、もちろん本音は少しでも明るくしておきたいからだ。

 最初は魚を食べながら和気藹々としていたが、次第に顔がこわばり、会話もなくなった。

 海の方をぼーっと眺めていると、突然海に人影が盛り上がった。

「きたぞ!!」

 俺達は臨戦態勢を取った。

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