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転生してもホラーにビビりまくるとは!?  作者: 半田捨句
第一章 落星盆地の安寧
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3.山の民②

 「すまない…会ったばかりの人間に取り乱してしまった。色々なことがありすぎて少し余裕がないのだ…このしばらくに起こったことを話そう。もともと我等はこの付近の山々を拠点としている。数は500人程度で、ここが本拠地だ。ただ、ここだけでは賄えないものも多く、他の山にも拠点をつくり50人ほどの隊で持ち回りしばらく滞在して狩猟採集、農業を行って保存食をつくり、ここに持ち帰るという生活を続けていた。例えば、平地を挟み対側の山は清流が流れており大きな魚がたくさん取れた。我等の言葉で「清き流れの山」と呼んでいて、そこにも我等の拠点を作っていた。ほかにはその間にある山は土が良く大きな畑を作り、「豊穣の山」と呼んでいた。ちなみにここは「草地広がる山」で、家畜が食べる草が豊富だ。」

 なるほど、洞窟山は「清き流れの山」で、三時山は「豊穣の山」、草山は「草地広がる山」ということか。…ん?

「話を(さえぎ)って申し訳ない。俺は「清き流れの山」から来たが、魚の一匹もいなかったぞ。」

「そうか…。もしかしたらそれも異変の一つかもしれない。それがわからないほどの事態となっていたのだ。季節が一回りする半分ほど前に、「豊穣の山」に滞在していた者達が帰ってきたのだが…中身が入れ変わっていたのだ。わけのわからない言葉を話し、狂気が宿っているようだった。もちろん見た目が同胞だからといって村には入れられず、しばらくの後村長が追い返した。身内からは反対の声も上がったが、現実に対面してもらうと皆諦めたようだった。…さすがに討伐するところまではできなかったが。」

 聞きながら冷や汗が出てきた。多分…原因はコトシロだよなぁ…てことは彼らの宿敵と言えるのではなかろうか。ばれたら殺されてしまうだろうか。

 ラトゥは話し続ける。

「もう一つの隊もしばらくして帰ってきたが、やはり言葉が通じず同じように追い返した。異常事態が起きているとわかり、他の山に行くことを厳しく禁止し、この辺りの実りだけで生活をしていた。そしてしばらく前だろうか、この山で狩りに出て倒れるものが出てきた。狩りは男どもに任せていたが、一人また一人と倒れて運ばれてきた。男が少なくなり女も混ざって出るようになったが、男女関係なく倒れていき、徐々に動ける民が減っていった。そして最後、村の近くで倒れたものがいたと聞き門番として残っていた男たちが駆け付けたのだが、ついに彼らも帰ってこなかった。我等で確認しに行くと泡を吹いて座し、天を仰いで動けなくなっている者たちを見つけた。それがここに横たわる7人だ。一人は私の兄で、村長だ。ここにいる者たちの家族もいる。」

 ……………冷や汗が止まらない。これは非常にまずい。ラトゥとその傍にいる2人はもう我慢できず泣いてしまっている。村が分断され身内を倒されているのだ、どれだけ心細く不安だったかは想像に難くない。そしてこの村を破壊してしまったのは狂化していたとはいえコトシロなのだ。焦った俺は念話を飛ばした。

(コトシロ、お前の影響だよな。もとに戻すことはできるのか?)

(もちろんできるだろう。過ちは自ら償わなければならない。)

 腹をくくった顔をしている。何をするつもりだ…まさか…

(ちょっと待っ)

「その者たちが倒れたのは私のせいだ。申し訳ない。」

 ラトゥ達はコトシロの言葉に反応し、部屋の中の空気が変わった。

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