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転生してもホラーにビビりまくるとは!?  作者: 半田捨句
第一章 落星盆地の安寧
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2.山の民①

 よく見ると5人とも女性だ。声を上げた女性も、槍を向けている女性たちも小刻みに震えている。何かにおびえているのだろうか。言葉がわかるか問いかけていることや、わからなければ強く拒絶していることからは彼女たちも言葉の壁に苦しんだと想像される。念話で三人に従うよう促し、俺達は全員両手を挙げた。

 5人の女性達全員が目を(みは)り、安堵したように見えた。声を上げたリーダーらしき女性は4人に槍を下ろすように命令し、俺達の前に出てきた。

「…手を下げてくれ。不躾な対応を謝罪する。我等に無用な敵対の意思はない。その気になれば貴殿らは武器などなくても我々を制圧できただろうことはわかっている。」

 ちらっとレオの巨躯へ視線をやり、リーダーは続けた。

「見ての通り我等は戦闘要員ではない。…というよりこの辺りに戦闘要員というものはいない。皆が狩人、皆が採集民で、助け合って生きる必要があったため調和を重んじてきた。そのため民同士の戦闘など知る限りは起こったことがなかったのだ。…これ以上は村に入って話そう。まとめ役はあなたか?」

 レオの正面に立ち声をかけたが、レオは予想外の出来事に固まってしまった。違うのか…ではあなたか、と次はコトシロに問いかけた。

「一応我々の代表は彼ということになっている。」

 コトシロは俺へ視線をやった。リーダーは予想外という表情で俺を見ていた。

「…頼りないが方針決定などは俺がとりまとめている。タケルだ。よろしく頼む。この辺りに迷い込んできてわからないことが多いから、君たちとは協力関係でありたいと願っている。」

「ラトゥだ。臨時で村長代理をしている。今は背に腹を変えられない状況で、誰かわからない者の手でも借りたい。ついてきてくれ。」

 ラトゥをは俺達に背を向けて歩き始めた。俺たちは彼女に従って歩いていき、村の門へ入っていった。ついてきた2人が門に残ったため、彼女たちが門番だったのだろう。中はかなり広く、木製のしっかりした家が大小さまざま100軒ほどは立っており煙が上る家も多い。家畜とみられる獣も多数放たれており、草を食んでいる。ただ、規模の割に外に出ている人の数はかなり少ないのが気にかかった。この辺りが悩み事だろう。ということはその事情の解決を手助けできれば協力関係を築けるかもしれない。

 20人は入れるだろう立派な建物の前に案内された。壁は木組みの外から、屋根は板組みの上の隙間に土が塗りこめられている。入り口も開き戸を藁で覆っており、全体的に気密性の高い構造となっている。ラトゥは開き戸を開けると俺達を招き入れた。

 中には7人の大きな男たちが藁で編まれた簡易ベッドに寝かされていた。悪夢を見ているのか、うなされている。

「これが今の我等の村の現状であり、大いなる悩み事だ。彼らを助けてくれないか。何とかしてくれ!」

 ラトゥの声は徐々に震え、最後には悲痛な叫びとなった。

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