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転生してもホラーにビビりまくるとは!?  作者: 半田捨句
第一章 落星盆地の安寧
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1.散策

 眷属を集めるという目的がはっきりしたが、どうすればいいかは誰にもわからず、まずは見識を広めるところからだということになった。つまりはこの付近の散策である。

「この周囲の人間に言葉は通じるんだよな?」

 これまで2回の遭遇では言葉の壁のため意思疎通ができなかったが、暴走したコトシロのせいであれば解消しているはずである。

「問題ないはずだ。少なくとも目が届く限りの領域は私の力が行き届き、言葉の不自由はないだろう。」

 コトシロは力強く頷いた。

 コトシロと言えば、異空間収納はやはり便利だった。俺の【仮】でもなんとなくの仕分けができ、塩草、肉、武器、水筒などを入れておいた。コトシロ自身はそんなものではなく、空間そのものをボックスのように隔離でき、大量の水や薪なども保存することができた。難点としては瞬時に目当てのものには辿り着かないことらしい。空の空間であれば瞬時に開くことができるため、レオの阿砲(あほう)を消した時のような使い方や、異空間の中に一時退避することは瞬時に可能らしい。ただし、長時間留まることは精神への影響を含めなにが起こるかわからないため、コトシロ自身以外はやめておいた方がいいとのことだ。

 食糧の心配がいらないというのは大きく、俺達は意気揚々と散策へ向かった。まずは地形把握からだ。改めて確認すると、荒野を中心に概ね円形に山々が取り囲んだ地形で、最初にいた洞窟を12時とすればコトシロと相対した草原は6時にある。基本的には連峰だが、12時と3、6時方向の山はやや独立しており、8-11時の山並みは特に険しそうだ。便宜上洞窟のある山を洞窟山、草原のある山を草山、あとは三時山、十時連峰と呼ぶようにしよう。

 ひとまず洞窟山には生物が居ないということだったから、目立つ草山を探索することにした。

 草原に着いた頃にコマが反応した。

「近くに多数の人の気配がある。近寄る様子はない。」

 そう聞いて見渡すと山の反対側から煙が上がっているのが見えた。煙が上がるということは火があり、生活がある可能性が高い。そう考え煙を目指して歩いているとやはり人の気配が濃くなってきたため、コマとレオには人型になってもらった。もとの姿は目撃されているかもしれないし、狩りの対象になるかもという危惧からだ。

 コトシロと対峙した草原は山を囲むようにかなりの範囲に広がっており、山の裏手にまで及んでいた。晴天に煙は高く上り、徐々に数を増やすその根元に近づくにつれ潮の匂いが強くなり、水平線が見えた。なんと草山の向こうは海だったのだ。だからコトシロはこの山にいたのかと腑に落ちたが、当の本人は海を見て目を輝かせている。呪いの影響でどうもそのあたりの記憶は抜け落ちていたらしい。

 潮と煙の匂いが混ざり濃くなってきたとき、海側の草原に面してかなり大きな集落が見えた。木で作られた頑強な柵に囲まれ、山頂側に門が構えてあり、(やぐら)も5か所見える。一番近い櫓に人が立っているように見えたが、あたりを見渡しているといつの間にか見えなくなっていた。

「物見役が我らに気づいたようだ。数人がこっちに向かってくる。」

 まだ何も見えていないが、人型となったコマが教えてくれた。その直後門が開き、5人がこちらへ向かってきた。

「お前たちは何だ。何を言っているかわかるか。手を上げないようなら殺す。」

 4人が我々一人一人の首元に槍を突きつけ、その後ろに立つ女性が冷たく声を張った。

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