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13.5
眠るのが怖い。
夜が近付く程に、その想いは膨らんでいった。
私は今夜、どんな夢を見るのだろう。
そしてそれは誰が見る夢なのだろう。私自身か、それとも、違う誰かが見る夢なのか。
眠りたくない。その先に何が、誰が待っているのかわからない。不安。恐怖。でもその奥の奥の方に、仄かな期待が潜んでいることにも、私は気が付いている。その期待を打ち消す作業で、ますます疲弊していく。
眠るのをやめようか。そんなふうに考えていても、夜が更けるにつれ瞼が重くなってくる。
夢。現実でも真実でもないのに、あたかも人の本音を、本当の姿を映し出すかのように錯覚させる、奇妙な世界。
少しずつ思考が鈍く重くなり、意識が夜の中に、滲むように溶け、流れ出していく。
眠る。眠ってしまう。
落ちる。落ちて行く。
その奇妙で、歪んだ世界に──




