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ヤンでれ…  作者: XXXX
24/32

震・ヤンでれ…土曜の朝…

 ピピピッピピピッ!


 んっ……


 昨日散々説教を食らった将は、飯を食べてからすぐに布団へと潜り込んで眠りについていた。


 ピピピピピピピピ!!


 あれ? もう朝か?


 昨日色々と動き回ったせいか、体が中々布団から出ようとしない。


 今日は確か土曜日だったはず、となれば二度寝してもなんの問題もない、眠い頭でそう考えた将は、もう一度闇の中へと意識を飛ばそうとして――


「………」じーーー


「………」じーーー


 飛ばそうとして――


「………………」ジーーー


「………………」ジーーー


 変な視線を感じた。


 パチッ


「……何してるんだ? 二人共……」


 目を開けると、自分と同じ高さにしゃがんでる顔が二つ並んでいた。もちろんその二つは、


「お兄様の寝顔鑑賞」


「珍しく右と同意」


 この妙な所だけシンクロする静香と凛だ。本当は仲がいいんじゃないか? と思う程のシンクロ率をほこる二人だが、当人達に言ったら確実に面倒くさい事件が起きそうなので黙っておこう。


 それによく見ると、二人は普段過ごす服装ではなく、外出用の服、お出かけ用の服を身に包んでいた。しかも目ざましが鳴ったということは現在朝7時、学校もないのに二人で外出だろうか? 本当に

珍しい。


 普通の男子ならこの二人のおしゃれを前にして平静でいられるわけはないだろうが、いつも一緒にいる上に、まだ少し眠気が残っている今の将には、効果は薄かったみたいだ。


「どこか二人で出掛けるのか?」


「何をいってるんですかお兄様、3人で、ですよ」


「3人?」


 ほぉ、それはまた珍しい、俺の知るなかでも、静香が自分以外と出かけるなんて数えるほどだ。しかもそのほとんどが千鶴さんと、


 学校の友達か何かか?


「まぁいいや、なら気をつけて行ってこいよ。俺はまだ眠いから今日は寝てるわ」


 それだけ言って、将はおやすみと寝返りをうつ。


 すると今度は凛がくすくすと笑いながら言った。


「もう、まだ寝ぼけてるの将君、三人目は将君だよ?」


「あ?」


 何を言ってるのかねこの子は? 今日は一日中寝るという推考な計画があるのだ、そんなものに付き合うほど暇ではない。


「まさかとは思いますけど、お兄様、約束を忘れていますか?」


「約束?」


 そんなのあったか……?


「ほら、将君。 この前のレッドファイトの時だよ」


 ……思考中


「あ――……」


 凛に言われて、ようやく思い出す事ができた。


 そういえばそんなこともあったな。最近色々なことに巻き込まれてゴタゴタしてたから、忘れていても無理はない。


「思い出しましたか?」


「ああ、確かデート……だったよな?」


「「はい!」」


 将の言葉に、二人が満面の笑みを作って返事をする。


 が、さっきも言ったが、最近ずっとゴタゴタして忙しかったため、体が疲れている。そんな体でこの二人と出かける……考えただけでも疲れてきた。


「なぁ、悪いんだけど今日は――」


「却下」


「拒否」


「疲れてるから、って否定すんのはええよ……」


 将の案は提示される前に否定されてしまった。


 せめて全部言わせてくれよ。


「今日はずっとベッドの中にいたかったんだけど」


 はぁ、と溜息をつきながらぼやくと、それを聞いた二人が予想外なことを口にする。


「私はお兄様がそう望むならそれで構いません」


「私も、将君がそうしたなら今日は我慢するよ」


 それを聞いた将は、


「え? マジで?」と素で驚いた表情を作る。


 どういうことだ? さっきはあれだけ最速に断っておいて、今度はOKとは……まぁいいか、とりあえず今日はずっと寝れることになったんだ、素直に喜ぼう。


 将は細かいことを考えるのをやめた。


「悪いな、二人共」


 二人に感謝を述べながら、ふかふかの掛け布団を被り、


「いいですよ、ただ――」


「初めてが3Pなんて」


「さ! どこ行くか~」


 すぐに払いのけた。


 危ない危ない、こいつらに掛かれば俺の貞操なんてあっという間にもっていかれてしまう。


 気を引き締めるため、将は顔を両手で叩いて目を覚まさせる。


「んで、今日はどっか行きたいところとかあるのか?」


 本当は一日寝ていたかったけど、自分で撒いた種だ、今回は仕方ないので付き合ってやるとしよう。まだ貞操は失いたくないし。


「私はお兄様とならどこでもいいんですか……」


「私も特には……」

「ふ~ん、まぁいいや、俺着替えるから、その間に下で二人でどこ行くか決めといてくれ」


 二人は互いの顔を睨むと、「わかりました」といって一緒に部屋を後にする。


 あの調子なら行き先が決まるのに1時間くらい掛かりそうだな、まぁでも一応服は着替えておくか。


 将はもう一度大きな欠伸をすると布団から出た。すると机の上に服が一式綺麗に置かれていた。間違いなくあの二人の仕業だろうが、自分で服を選ぶ手間が省けたので、大人しくそれに着替えておくことにしよう。


 持っていくものは、ハンカチ、ティッシュ、携帯に財布、これくらいか。そういえば財布の中身、今やばいんだっけか?


 思い出した将は、ポケットにしまった長財布を開けて中を確認してみると、諭吉が一枚と、小銭が少量。


 これじゃあ心もとないな。あとで諭吉さんを増幅させておこう。


 普通に遊びにいくならこのままでも十分だが、相手はなにせあの二人だ。どうなるかわかったものではない。


 そうなるととりあえず銀行かコンビニだな、と考えた将は部屋を出た。


 瞬間――


 ガシッ


「さぁ、行きましょうお兄様」


「え?」


 ガシッ


「行こう、将君」


「え?」


 なぜか待ち伏せていた二人につかまり、そのままずるずると玄関まで引っ張られる。


「ま、待て待て! どこいくのか決まったのか?」


「はい」「うん」


 返事をしながらも二人は引っ張るのをやめない。


 将の予想ではもっと時間がかかる予定だったんだが、どうやら違ったようだ。


「わかったから! せめてどこに行くのか教えてくれ!」


 二人に引っ張られ、転ばないよう注意しながら将が説明を求めると、二人は尚も将の腕を引っ張りながら、綺麗に声をはもらせ、言った。


「「デパート!」」

 


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