震・ヤンでれ…発見…
時は流れて放課後、今頃教室では帰りのホームルームをやってるんだろうなぁとか思いながら、白い天井をじっと見つめる。
現在将がいるところは、保健室。
別に病気になったわけでも、ましてや怪我をしたわけでもない。ただそう、少し食べ過ぎただけだ。
昼休み、将は自らのパンツを守るため、爆走し、逃げ込んだのは音楽準備室。だが、そこにはすでに二人がレジャーシートを用意しており、弁当も展開済み。
もちろんその場から離脱を試みたが、CGも顔負けの速さで座らされてしまった。抵抗しようとしたが、静香から、さっきのは冗談だからたくさん食べてください、と言われた
疑いながらも、走りまわって強烈になっていた空腹には叶わず、大量にあった弁当の中身を一人で完食。
ここまではよかったんだが……
お腹もいっぱいになり、珍しく二人の争いも……少しありながらも、昼飯は終了。仲良く3人で教室に戻ろう! そんな感じで廊下を歩いていると、食い過ぎで少し、少しだけ腹が痛くなり、擦っていると、それに気付いた静香が声をかけてきた。
「お兄様? どうかしました? まだ足りませんでしたか?」
「さすがにそれはない……いや、少しお腹が痛いだけだから――」
がばっ!
「は?」
一瞬のうちに視界が90度回転したと思ったら、静香と凛が協力して将を横に抱え、丸太を運ぶように、保健室へ連行。
保健室の先生はどこかに行っているのか、無人の状態だ。
「おい、本当にちょっとお腹が痛いだけだから、わざわざ保健室に来なくても……」
「何言ってるんですか! お兄様!」
「そうだよ将君! おとなしく寝ていて!」
そう言ってベッドに無理やり寝させられました。
「だから大袈裟だって、別にベッドを使う必要は――ってお前ら! なんだこのベルトは!」
いつべルトで縛りつけられていた!?
手も足も巻かれているため、首しかまとも動かすことができない将は、なんとか脱出しようともがく。
というか本当に人間技じゃない。
「だってお兄様、こうでもしないと無理やり授業に出ようとするだろし」
静香の言葉に凛もしきりに頷いて、同意の意思を示す。
「当たり前だ! というかこんなことでいちいち保健室で縛りあげられてたまるか!」
「G、ここは一時休戦にして、お兄様の薬を買いに行きましょう」
「スルー!?」
「仕方ないけど、それが今私たちのできる唯一の手ね」
「いや、そんなことよりもこのベルト外す方が先だよ!?」
「じゃあ早く行きましょう」
「そうね」
最優先目標の一致を確認するように、静香と凛は顔を見合わせ、うん、と一回だけ頷く。
「え? ちょっと待って、このままで置いていくのか? そうなのか!?」
二人は将の言葉が聞こえていないのか、あっという間に扉の向こうへと消えてしまったのだった。
「……まじかよ……」
とまぁこんな感じで今は保健室に監禁中なわけだ。静香達ならきっと早く戻ってきてくれるだろう。
うん、きっとそうだ
「ほんと、早く帰ってきてくれることを願うよ」
だってあいつら、カーテン閉めて行かなかったし……
つまり今、この瞬間、誰かが入ってきたら、間違いなく将の人生は終わりを告げることになるだろう。
それだけはなんとしても阻止したい。動けないけど……
だが、この時すでに、将の人生は終わりの時を迎えていた。
ガシャンッ!
突然の音にびくりと反応し、まさかと思いつつも、嫌な予感120%の力で重い頭を持ち上げてみる。
そこには、大きなウサギのぬいぐるみを持った、小さな女の子が、机に寄りかかるように立っていた。
もちろんこちらを見て、
すると女の子は、体を小刻みに震わせ、大きな瞳を潤ませ、口を金魚のようにパクパクと開け閉めを繰り返しながら、片手でこちらを指さした。
「へ、変態さんがいますぅ!」
将の人生が終わりを迎えた瞬間でした。