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第九話…猿の里帰り。

第九話…猿の里帰り。


天が雷鳴を響かせる中…

鬼ヶ島の片方の山頂から屋敷を眺める三度笠を被り緑色の着物を羽織る茶髪の長身の男。


「久々に帰ってきたね〜、故郷。」


それを見越していたかのように現れる降魔。


降魔「この場所は貴様のような者が踏み入れて良い地ではない。立ち去れ…飛猿(ひえん)。」


明らかに嫌悪している表情を浮かべる降魔。


飛猿「これまた久しぶりの再会。良いんだぜ?思いっきり胸に飛び込んできたって。」

降魔「…ふざけるな!!」


降魔が叫ぶと降魔の背から影が飛猿の足に向かい飛び込む。それを横っ飛びで躱わす飛猿。

その飛び込んだ影の正体は肌は白く白髪で目の赤い少女であった。


「裏切り者!裏切り者!」


少女がそう呟くと飛猿は駆け寄り


飛猿「雲母(きらら)〜、そう言うなよ〜。飛猿お兄ちゃんだよ〜。」


そう言いながら雲母の頬に触れようとするが噛み付かれる。噛みつきながらも雲母は「裏切り者!」と呟いていた。


降魔「分かったか?あの時、幼かった雲母でさえ貴様を裏切り者だと理解している。つまり、ここに貴様の居場所などないのだ。」


その言葉を聞き、ゆっくりと立ち上がる飛猿。

噛み付いた雲母の鼻を摘みグッと力を入れ噛む力が弱くなった雲母を担ぎ降魔の方へと放り投げる。宙に浮いた雲母を降魔はしっかりと掴む。


降魔「大丈夫か?雲母。」

飛猿「なんか勘違いしてない?」

雲母「勘…違い?」

飛猿「そう、勘違い。女子供関係なく自分の言いなりにならなきゃ斬り捨てる。俺は勘解由小路のやり方が嫌いなわけ。」

降魔「貴様!勘解由小路様に楯突くつもりか!?」

飛猿「じゃなきゃ、命大事さに必死に逃げた人間がフラフラ戻って来たりしないよ。」

降魔「飢えに苦しんでいた私たちを拾い上げ育ててくれた勘解由小路様に恩はないと…?」

飛猿「あるさ…。だから恩返しに俺が手を下しにきた。」

降魔「…恩知らずの猿が。」


とボヤくと降魔は雲母をゆっくりと下す。

静寂の中、雨音だけが響く。そして、雷が落ちる。雷鳴と共に動き出す両者。

雲母は足を狙い飛び込むが飛猿はスッと足を上げ刀の鞘で雲母を上から押さえ込む。

そこに降魔の刃が上から襲いかかるが抜いた刀で受け止め。


飛猿「湯ゆったり浸かり過ぎたんじゃない?気がつかないうちに湯っていうのはぬるくなってるもんだ。そろそろ潮時なんじゃないの?鬼ヶ島。」


と伝えると降魔の刀を大きく弾き、雲母を蹴り飛ばし2人と距離を取り。


飛猿「ってことで、また顔出す…その時は弟のお前でも容赦はしないから。」


飛猿、崖から飛び降り岩を使い上手く降りて行く。


雲母「裏切り者ー!」


後を追おうとする雲母。

それを静止する降魔。


雲母「降魔?」

降魔「今は良い…。あいつには鬼ヶ島の恐ろしさを味合わせてやる。」


遠雷が鳴る。鬼ヶ島の鬼の頭の片方の山頂の出来事。

普段は舞台の出演・脚本・演出をやっています。

もっと多くの方に知って頂く機会と自分の可能性を少しでも追い求めて作品投稿を始めました

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