第八話…白き雉が舞う森。
町を後にした桃太郎たちは鬼ヶ島に続く森へと向かう。
そこで、再び"ぐぅー"という音が鳴り響く。
桃太郎「てめぇの腹の虫…どうにかしろ。」
小犬丸「仕方ないだろ!?腹減ってんだから!」
桃太郎「さっき人の飯食ったばっかだろ?」
小犬丸「あれで余計に火がついたんだよ!」
桃太郎「背丈は半人前でも食欲は一人前って燃費悪い体だな。」
小犬丸「うるせぇよ!小さくても強けりゃ関係ないだろうが!!」
桃太郎「俺の次に強い…な!」
とてつもなく悪い顔をし振り返る桃太郎。
"ぐぬぬぬぬ"と歯を食い縛る小犬丸。
とその会話の最中、カサッという草が揺れる音がし桃太郎は立ち止まる。
小犬丸「いて!急に立ち止まるなよ!」
桃太郎「…警戒しろ。」
桃太郎、刀を抜く。
小犬丸「は?」
草木が揺れる音が増えてボロボロの着物を纏った野盗たちが四方から湧いてくる。
小犬丸「なんだこいつら?鬼ヶ島の連中か?」
野盗「お前ら町から来たんだろ?食料と金目の物を置いて行けば…通してやるぜ?」
桃太郎「断る。それより…てめぇらが金目の物出せよ?」
先手必勝…桃太郎はいきなり野盗を仕切るであろう男に飛び掛かり、鍔迫り合いとなる。
野盗は桃太郎の力に押され後退りするが、鍔で刀を上にかち上げる。体勢を崩す桃太郎。
一方、その頃…残る3人を相手する小犬丸。
飛び込んできた1人の刀を鞘で受け、背後を狙う1人に長刀を突きつけ牽制。
その隙を狙って1人が突っ込んでくるが…
受け止めていた鞘で刀を柳、するりと刀を滑らせるとそのまま鞘を突っ込んで来た野盗に打ち込む。
そのまま反転し長刀を突き付けた男の顎を目掛け鞘を打ち込む。
そして、先ほどの柳で体勢を崩していた野盗の頭に鞘を真っ直ぐに振り落とす。
3人をあっという間に片付けてしまう小犬丸。
一方、桃太郎は体勢を崩し、そこに野盗頭目の刃が打ち込まれる。万事休すかと思われた。
がかち上げられた勢いを活かし宙を舞う。
頭目の刀を空を切り、体勢を崩した頭目に刀を突きつける。
「そこまで!!!」
どこからか聞こえてくる高い声。
「それくらいにしてくんない?」
木の上から聞こえたその声に反応し見上げると…木から飛び降りてくる。
顔は少しすす汚れ白き着物をたくしあげ股引きを履いた女だった。
「あたいは白雉!あんたら、鬼ヶ島に行くんだろ?」
桃太郎「邪魔すんな。女。」
白雉「は・く・ち!」
桃太郎「なんでもいいわ。」
白雉「そのくらいにしてよ?こいつらはあたいが動かしたんだ。」
桃太郎「じゃあ、てめぇを斬れば終わるんだな?」
刀を天に振り上げる桃太郎。
白雉「届かないよ?その距離じゃ届かない。」
桃太郎「試してみるか?」
勢いよく振り下ろされた刀は白雉の鼻先に空気が当たるほど近くを通る。
白雉「ね?言ったでしょ?届かないって!」
小犬丸「いやいやいや、届くとか届かないとかじゃねぇだろ!?どんな肝試しだよ!!」
桃太郎「んで、お前は何がしたかったんだよ?」
白雉「こいつらを使って、あんたたちの腕を試した。」
頭目「てめぇ、話がちげぇじゃねぇか!?こいつらは…」
白雉、頭目を蹴り飛ばし気絶させる。
小犬丸「おぉー。」
桃太郎「なんのために?」
白雉「鬼ヶ島に一緒に行ける器かどうかを見極めるため。」
桃太郎「何しに行く?」
白雉「…復讐。」
桃太郎「誰に?」
白雉「勘解由小路。」
桃太郎「お前に何が出来る?」
白雉「道案内。」
桃太郎「いらん。」
白雉「私がいれば一気に館まで行けるよ?」
桃太郎「全員薙ぎ倒せば一気に行ける。」
白雉「目!あんたたちの目になれる。」
小犬丸「さっきの距離を見切る能力は確かに異能だ。」
桃太郎「目は俺にもある!」
白雉「じゃあ、こいつよりは役に立つ!」
桃太郎、小犬丸をじーっと見つめ。
桃太郎「白雉、道案内しろ。」
白雉「やった!」
小犬丸「おかしいだろ!?俺、結構活躍してたよね?ね?」
桃太郎「置いてくぞー?子犬ー。」
小犬丸「小犬丸だ!」
白雉「ねぇ?名前は?」
小犬丸「小犬…」
白雉「あ、君じゃなくて…君!」
小犬丸「なんなんだよ!お前!!」
謎の女…白雉も旅の仲間となり賑やかになる道中。
向かうは鬼ヶ島。
白雉の復讐・過去とは…?
その頃、鬼ヶ島では…。
「久々に帰ってきたね〜故郷。」
普段は舞台の出演・脚本・演出をやっています。
もっと多くの方に知って頂く機会と自分の可能性を少しでも追い求めて作品投稿を始めました




