第一話…爺さん婆さん絡まれる!?
昔…昔…そのまた昔…。
一軒の納屋に爺さんと婆さんが暮らしていた。
婆さんは川で洗濯をし、爺さんは山に狩りに行こうがもう歳なので兎の一匹も捕まえられず…そんな生活を繰り返すこと数十年。若い時はそれで良かった。兎を追う筋力も木に登る体力もあった。そんな生活を繰り返してきたからか町に降りても肉を買おうにも金はない。今では兎には遊び相手にされ木に登っても降りられない有様。
そんな2人は日々思う…子が欲しかった。
と、そんなある日…爺さんが狩りの最中に雨がポツポツ降ってきて慌てて帰ろうとする。このまま雨足が強くなり足でも滑らせたら人生終わってしまうかもしれない。
命の危機に兎よりも早く走る爺さん。兎は思う…こいつで遊ぶのはやめようと。
しかし、ふと立ち止まる。
収穫もないまま…帰るわけにはいかない!
そんな爺さんの前に桃が一つ落ちていた。
爺さんは「婆さんの飢えだけでも…」そんな思いで桃を一つだけ持ち帰ることにした。
「お帰りなさい。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも私?」
「飯にしよう!」
婆さんの手厚い出迎えを振り払うかのように即答し爺さんは桃を渡す。
「これだけかい?」
「これだけだ。」
思わずため息を溢してしまう。
それを見て爺さんは少し悲しそうな表情を浮かべ桃を奪い。
「食べんのなら、ワシが食べる!」
勢いよく爺さんが桃を口に運ぼうとした。
その時、納屋の戸が大きな物音をたて外れる。
2人は思わず「ぎゃーーー!」と大きな声を出し互いの後ろへ隠れようとするがだんだんと前に前に互いを差し出す構図になっていく。そして、互いに思った。この人と2人で生きてく意味は?と。そう思いつつ目を合わせ手を繋ぎ恐る恐る外を覗く2人。
そこには刀を持った赤髪の大きな男・青き目を持つ忍者のような男。それとボロボロの布を羽織った少年。
息の上がった刀を持つ2人に対し少年は少し微笑んで…
「来いよ。」
襲いかかる刃に向かっていく少年はその刃を身を翻しヒラリと躱し相手の懐へ入り込み拳を打ち込み男は跪く。
「青鬼!」
「赤鬼…こいつはやべぇ。ひとまず引くぞ」
ゆっくりと近づく少年に対して赤鬼は警戒の一手で刀を振い少年を遠ざけた。
「てめぇの顔…忘れねぇからな。」
と赤鬼は言い放ち、青鬼を担ぎ上げその場を後にする。
その2人が去るのを確認し少年は膝をつく。
その姿を見た爺さんは思わず「あぁ…」と声をあげてしまい目が合う。
少年は2人を見つめ、ゆっくりと近づき。
「その桃…くれよ。」
雷鳴が鳴り響く夜の出来事。
普段は舞台の出演・脚本・演出をやっています。
もっと多くの方に知って頂く機会と自分の可能性を少しでも追い求めて作品投稿を始めました。




