黒騎士VS具現化された最強
今回は戦闘文が多いです
色々な依頼書が貼られている
(竜の巣の探索、結果次第で報酬を増やします★★★★★★★ 報酬金額・5千万ドル)
(即殺獣・バロウの討伐、できれば討伐の一部を見せてくれると安心★★★★★★ 報酬金額・2千万ドル)
(雪神・ビーセブンの生態観察、これを達成できれば人類の進歩に繋がります★★★★★★★★★ 報酬金額・12億ドル)
………どれもこれもなんだか…やばい気が…
[この★は何の印なの?] 隣にいる輪道にそう伝えてみる、見た感じ…危険度かな?
[この★はその依頼の死亡確率を示してるんだよ、例えば…★が5個の場合は50%で死ぬぞってこと…] 優しく微笑みながらそう俺に説明してくる輪道、死亡確率ってことは…この雪神の死亡確率は90%ってこと?…この依頼やる人いるのかな?
[ここら辺のは大抵…白コインの奴らがやるな。まぁ…中には自殺目的でやる奴もいるけど…] 輪道は貼ってある俺達に合った依頼書を探し見ながら言ってくる、自殺って…誰も止めないのかな?
[まぁ…生きるのが嫌になった時の最後の手段だけどな。お!…これとか今の俺達に良いんじゃないか?]
そう言い。ある依頼書を嬉しそうに歩きながら俺に見せてくる
(大蛙の討伐、討伐数が多ければ報酬を増やします★★ 報酬金額・20万ドル)
大蛙?…死亡確率20%か…ちょっと高い気がするけど…まぁ…いいかも
[いいね…よし…それにしようか。] 俺はその依頼書を承諾した。そして受付嬢の人の所に歩きながらこの依頼を受けることを伝える
[大蛙ですね…わかりました…お気おつけて] 受付嬢は依頼書にハンコを付けながらそう言う。なんだか…随分と軽いな
そのまま俺達は…ギルドを後にして、大蛙が生息しているウブの草原に来た
[…………] その時の俺は…気づかなかったが、どうやら黒い鎧を着た男性も俺達と同タイミングでギルドを後にしたようだ。そして後から知る…この人物が俺の運命を変えることになることを
[なんともまぁ…カエルが住むには最高の場所だな…ここは] 輪道が皮肉気味にそう言う。確かにジメジメとしてて水位の低い濁った水が全体に張っている。おそらく奥に見える水しぶきが凄い流れる川のせいだろう。そんな潔癖症の人が来たら発狂しそうなほどに湿っている草原だった
そしてそんなジメジメした草原の道を歩いていると、依頼の対象である大蛙が出てきたのだ
その大蛙という魔物は…緑色のカエルに似た、見た目だが大きさは似ても似つかない数倍のデカさをもっている
依頼書にはそう書かれていたが。まさにそのとおりだ
[ここは俺が倒す、雷光切!] そう言い…手に電気を纏わせて大蛙に向かう輪道
大蛙は舌を出し…輪道を捕食しようとするが華麗に避けて。大蛙の背中に雷光切を喰らわした
大蛙は雷光切の衝撃で顔が吹き飛び。力なく倒れた
[ふぅ…大丈夫か?…黒崎。…怪我してないか?] そう言いながら近寄ってくる輪道。…相変わらず過保護だな…
そんな事を言っている内にもう一匹大蛙が土の中からでてきた
[もう一匹か…黒崎、俺の後ろで待機してろよ。] そう言い。俺の前に立ち再び手に電気を纏わせる輪道。…だから君が全部やっちゃったら、刀を使う絶好のチャンスが…
その瞬間。…でてきた大蛙が目の前で縦に真っ二つになった。血を噴き出しながら重力に従い倒れる大蛙
[え?…] そう腑抜けた声がでてしまう。突然のことで理解が追いつかない
そして真っ二つなった大蛙の血液を浴びながらある人物がこちらに来た
その男性は。…冒険者ギルドで俺を見ていた黒い鎧を着た男性だった
[あんたは?。…なんで獲物を横取りした?…] 輪道は戸惑いながら警戒してそう言う。理解できない状況に焦っているのがわかる
[俺のことが知りたいか?。…まぁ…どうせ死ぬんだ教えてやる。…俺は…ディア…黒コインの冒険者だ!]…そう言ってくる黒い鎧を着た男性。…黒コインって…確か…冒険者の中の最高位!?…なんでそんな奴が?
[さっきどうせ死ぬとか言っていたが…なにする気だ?。…それと本当に黒コインの冒険者ならなんでこんな所にいる?] 輪道はディアと名乗っている男性に威圧を立てながら質問気味に言う、情報を引き出したいんだな…
[ふっ…俺は強力な能力を持つ転生者を殺し世界の近郊を守る者。黒髪のお前…強力な能力を持ってるだろ?。俺の感がそう言ってしょうがない…あの人の為にも死んでくれ。] 少し笑いながら、そう自分の感を信じている声で言ってくる。…能力…こいつ転生者の事を知ってるのか?
[ふざけんな…俺のチームメイトを殺す気なら、まずお前から死んでみろよ!] そう言い電気を手に纏わせて始める輪道。だが…これは今までの比じゃない
[雷光切・最大出力!!] 手に纏わせてた電気がまるで稲妻の様に輝き始める。…最大出力?…今までのは全力じゃなかったんだ!?
[うら〜!!!] そう雄叫びをあげながら、ディアと名乗った男性に向かう輪道。…そのまま…まるで稲妻の様に輝いている電気をディアの心臓部に喰らわした
ドゴーーン!!! とんでもない爆発音が、俺の鼓膜を襲い、巻き込まれた水がまるでシャワーの様に降り注ぐ、やったか!?
ピリ!ピリ!。…そんな音が聞こえるなか…俺は…信じられない光景を見る
なんと先程の輪道の雷光切を、ディアは無傷でとめていたのだ!
[な!?] 輪道がそう驚いた。おそらくこの技を受けて無傷だった者はいなかったのだろう…そうわかるほど驚いた反応だった。次の瞬間…ディアは輪道の顔面に複数の打撃を与える。
[ぐは!ぼ!ぎゃあ!ぼぁ!] ディアの打撃を食らい。どんどん打撲の跡や顔の腫れが増えていく輪道。…最後に腹パンをされ、輪道は苦しそうに吐きながら岩の壁にドゴン!と吹き飛んでいった
[はぁ…武器を使うまでも無いな…あの人と同じ、転生者なのにここまで差があるか…この弱者が!] ディアがまるで面倒ごとに巻き込まれたような声で強く言う
え?…輪道が呆気なく倒されてしまった…、あんなに強かった輪道が?。…そんな!!!
そう驚いている内にディアは黒い鎧が動く音を立てながら近寄ってくる
[くるな!] 刀を持っていることを忘れて、俺はそう叫んでしまう。…どうしよう!…どうすれば!
そうしている内に俺はディアに首を掴まれてしまう、掴まれた瞬間にくる息ができない息苦しさがまるで縄を巻かれたかのように襲ってきた
[くば!…はぁ……あ] 俺は…か細い声をだして。必死に逃げようとするがディアがそうしてくれるわけがなく、…どんどん力を強められてしまう
[バイバイ…黒髪の転生者!] そうディアは嬉しそうに言い。更に力を強める…そのせいで持っていた刀を落としてしまった。苦しい!苦しい!苦しい!、誰が!…誰か…助けて!
[ミナト…] そんな出したかもわからない声が小さく出る。刹那…服の中に閉まっていたスマホが向いていた先から魔法陣が展開される!
[なんだ?…] ディアが困惑気味に俺の首を絞めながらそう言う。数秒後…神風ミナトがまたこの世に具現化された
ガジ!…シュ!。そんな音と共に具現化したミナトは俺の首を絞めているディアの手を握り、そのまま背負投げの様に投げ飛ばしてしまった
[うわ!] ディアは投げ飛ばされたことに驚きながら、空中で体制を立て直し、そのまま無事着陸する
[ミ…ナ…ト…] 俺は喉を集中的に絞められた為…そんな声しか出せなかった
[ごめん…すぐに守れなくて…安心して、俺が来たから!] そう俺を心配してミナトは安全な場所まで移動させようとしたが、ディアがそれを許してくれるはずがなく。ミナトの事を無視して俺を襲う
[誰だ!。お前は!…とりあえず黒髪の転生者は…死ね!] そう言い俺にトドメを刺そうと近寄ってくる。ミナトは俺の事を守ろうとしたが、守りきれず…俺は草原の水に繋がっていた流れる川に蹴り飛ばされてしまった
[鈴!] 川に蹴り飛ばされた俺にミナトはそう言う。…ああ…俺のことなんて無視して…そいつを…やっつけてくれ…
俺は川に流されながらそう思うしか無かった
《ミナト》
[くそ…鈴を川に蹴り飛ばされてしまった] 俺は焦っていた…鈴が、首を絞められた状態で川に流されてしまったのだから
[お前は…あの黒髪の転生者の能力で出てきたのか?] ディアが俺にそう言ってくる、探っているな…。くっ…何か武器はないか?
[そうだけど?。…それがなに?] 俺はディアの質問に答える形でそう言いながら辺りを見渡す。…あれは鈴の刀!…よし…
[やっぱりな!…急に出てきたから一瞬わかんなかったけど…考えてみればそうだと思ったよ] 笑いながらそう言ってくる。…小バカにするのが好きなのかな?
[まぁいいや…ならお前を殺せば万が一奴が生きてたとしても。…なんもできなくなるな!] そう言い腰に付けていた柄から、漆黒の剣を抜く。剣?…輪道くんには使わなかったものかな?
[お前となら、本気でやりあえそうだ!] 漆黒の剣を構えて、ディアが楽しそうに言ってくる。本気…か…
俺も落ちていた鈴の刀を拾い、鞘から刀身を抜き、片手で突き出すように構える。鈴…ごめんちょっと使わせてもらうよ
[武器?黒髪の転生者が持っていた物か…随分と細いが…何かカラクリがあるのか?] ディアは刀特有の細さに少し疑問を浮かぶ。当然だろう…刀身が薄い武器など…彼は見たことも無かったのだから
[まぁいい…どうせすぐに殺せるさ!] ディアは心の中でそう叫び、ミナトの背後に急速に接近し…縦切りを放つ。だが…ミナトは…その縦切りを刀で見事に弾き…その勢いを利用して腕を掴みディアを接近させ、背後から顔面に肘打ちを喰らわせた
[ぐは!?] ディアは縦切りを放った途端に殴られたことに理解できなかった。続けてミナトはディアの頭を掴み膝蹴りを腹部に喰らわせた
ドゴ!。…そんな音が響きディアは疼く《うずく》。[うぉえぇぇ] そう苦しそうに蹲り《うずくまり》吐きそうになる、[おのれ!] ディアは悔しそうにミナトを見て、また漆黒の剣で斬撃を放つが、ミナトに華麗に避けられ…羽織が蝶の様に美しく動きなから距離を取られる
[確か…輪道くんを殴った場所はそこだったね?…ディアくん?] ミナトは微笑みながらディアに向かってそう言う。まさに弁慶の攻撃を避けて利用する牛若丸の様に
[舐めやがって!。…今に後悔させてやる!]ディアは守りを捨てて漆黒の剣に横に行くよう力を込める。そうすると剣の中心部が割れ、剣は双剣へと変わった
だが…守りを捨ててるのが悪かった、ディアが剣を双剣に変化させた瞬間に、ミナトは既にディアの目の前まで接近していた
そしてミナトが鈴の刀でシュイン!。…という風を切る音と共に横切りを放ち…ディアは横に真っ二つになった
[なぁ!…バカな!…。] そんな明らかに動揺した声を出しながら横に胴体が切れていき落ちてしまう。そのままミナトが近寄る
[ひぃ。…ちょっと…まって!] 怯えて命乞いをして滑稽に生き延びようとするディア
[駄目だね…君はやり方的にこれまで数多くの転生者を殺したんだろう?。死ぬ覚悟はできてるよね?] そう言いミナトは…命乞いをするディアを無視して頭に刀を、ドス!。と突き刺す、こうして黒騎士と最強の戦いはわずか30秒という短い時間で終わった
ミナトは刀身を鞘に戻して…ディアの死体を草むらの中に隠して…鈴が流されていった川を見る。[く。…どこに流されていったんだ。くそ…まずは目視が可能な輪道くんから助けるしかないか…] 鈴を心配しながら岩に吹き飛んでめり込んでいる輪道の側に行く
ミナトは…岩にめり込んでいる輪道を抜いて、脈を測る、[……よかった、死んでるわけじゃない…助かるぞ] 生きている事を確認することができた為…俺は安心した
[輪道くんは大丈夫だ…問題は鈴だな…] 首を絞められて川に流されていったんだ、探さなくては。そう俺は思い輪道くんをギルドの近くの場所に避難させ、鈴を探すため行動することにした
ちなみにディアの言っている、転生者を殺して世界を近郊を守る。というのは独断の言葉です
ディアは輪道が転生者であることは知ってましたが、弱くてすぐ殺せるので今まで手を付けませんでした
ミナトがなんですぐに対応していたかと言うとスマホの中で状況を見てたからです