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チームのトラウマ

ちょっと慣れてきた気がします

輪道と言う男性とチームを組んだ俺は…まず、単独でも戦えるために武器を買うことから初めた


輪道に案内され…たどり着いたのが、ホーム武器店と書いてある看板がデカデカと貼ってある武器屋だった…


輪道に引っ張られ…その店に入る、扉を開けると様々な武器が飾ってあってその店内は俺にとってかなりの圧巻だった


[よぉ…親父久しぶり…こいつに合った武器とかないか?] かなりフレンドリーに微笑みながら武器屋の鍛冶師と思われる鉢巻を巻いた男性に輪道が言う


[うん?…な〜んだ輪?、また仲間を入れることにしたのか?] 鍛冶師の男性が輪道と同様にフレンドリーに…だが…困惑気味にそう言う、また?…あ〜辞めたって言った前の仲間のことか?


[うん…こいつが新しいチーム仲間の黒崎だよ、こいつの為になんか良い武器を一つ欲しいんだか。ないか?] 鍛冶師の男性に相談する形で輪道が言う。俺に合った武器か…そんなのあるかな?…


[武器かその黒崎?のあんちゃんはどんな武器をご所望なんだ?] 俺をみながらそう言ってくる鍛冶師の男性は色々と武器を見せてきたが…今1決め手に欠ける、ていうか途中で見せた水鉄砲とか果物の皮はどう戦えと?


どんな武器が欲しいのかと…困惑している二人を尻目に、俺は複数の武器が入っている樽の中にある一本の武器に目が行っていた


あの鍔と形まさか!。そう思い俺は樽に近づきその武器をガシュ!と抜いた、やっぱり刀だ…形状は打刀…鍔は花型で…黒い鞘から刀身を抜くと…乱れの一種の刃紋が見えた


[なんだ?…その武器に興味があんのか…あんちゃん?] 鍛冶師の男性が興味を示した声でそう言ってくる。…刀…なんでこんな武器がここに?…


[…!?…あれは…] そう輪道が驚いた顔で言うと、鍛冶師の男性が説明するように[あれはな…霜月て言うこの都市によく来る常連に教えてもらって作った武器さ…確か…刀…だったかな]


そう答えてくれた…二人の反応を見ると…どうやらこの武器の詳細は知らないようだ、…霜月?…名前的に鍛冶師か…剣士だろう…


[これに…します] 俺は…この武器を買うことにした、刀なんて滅多に使えないから…この武器を見て…使ってみたいという気持ちが強くなった


[毎度あり…13万ドルね…] そう言って手を出してきた…刀一本13万って高いのか安いのかわかんないな…てか…お金!…どうしよう…


[ほら] 輪道が武器屋の店主に丁度の額を渡す。、え?。…払ってくれるの?…困惑気味な顔をしながら輪道を見てしまう


[大丈夫だよ…俺…ギルドのお陰で、結構…金持ってるから…] 困惑している俺の顔を見て、小声でそう言ってくる輪道。ギルドか…なるほどな。


買ってもらった後から聞いてみたら、輪道は前の仲間達と色々なクエストをこなしていって…その影響でお金がいっぱいあるとのこと。…羨ましいな…強くて



そう思いながら…そのまま俺達は武器屋を後にした、気になったんだけど…武器屋が水鉄砲とか果物の皮を飾って意味あるのかな?…


[武器も買ったし…これからどうする?]


買ってくれた刀を持っている俺に…そう輪道が隣に歩きながら言ってくる…


[そうだねぇ……いい加減にこの都市から抜けて別の場所に行くことにするよ]


この都市の宿屋で休んだし…武器も買ったから、特にもうやること無いと思うし…


[君から聞いたその…ギルドとか…ある街知らない?…あそこ武器屋はあるのにそれが無いから…]


[興味あるのか…ギルドに…?]


そう輪道が聞いてくる。話を聞いて…ちょっと…ね


[なら…本格的な冒険者ギルドがある、ライヤの街にいくのはどうだ?…あそこなら冒険者達も多いしな]


なるほど…都市より街の方にギルドがあるの驚きだけど、良いかも


[よし…じゃあ…そこに行くよ] そのまま俺は都市から抜けてその街に行こうとするが、[なら当然俺も付いて行くぞ…あそこにはもう用ないし、道を知っている奴に案内された方がいいしな]…と輪道が言ってきた…用?…あそこでなんか用事があったんだ?…


[用って?] つい気になって質問してしまう、[うん…宿屋探しで…あと…できればチーム仲間の勧誘がしたかったくて]…輪道はなんだか儚げに質問に答えた


なんだ…都市に入った理由は…俺と一緒だったのか…だから…かな。なんだかミナトと一緒にいる感覚と近いのは、優しくて…さっきだって俺の為に武器を買ってくれて…こうやって俺の隣にいてくれて…嬉しい


……自分が具現化したキャラ以外どうでもいいと思っていたのに…この人にはなぜか同じ感情が働いてしまう…


[ねぇ…君にとってのチームの心得ってなに?]…つい気になってそう質問してしまう俺に、微笑みながら輪道は[一緒に居て冒険することさ]と返してくれた


一緒…か…。ミナト…俺…変われるかな?…だといいんだけどな…。微笑みながらそう心の中で俺は思うのだった


そうしている内に一緒に都市の入口を抜け、入るときと同様に一本の道に着いた


[この一本道を進んだ後に別れ道があって…そこを行くとライヤの街に着くんだよ] そう輪道は俺に説明してくれ、俺は先頭にいる輪道の後ろをついていく


しばらく歩いていくと、一本道がどんどん森の道へと変わっていく…どうやらこの森に別れ道があるらしい


途中赤と黄色の果物が木に実っていて…異世界に来てから何も食べてない俺は、その果物をとって食べてみた、拾い食いは良くないけど今は別だ


味は少し苦味があるけど甘みもあって普通に美味しい


[拾い食いなんて…意外とワイルドだな] 俺の方をみながら輪道が近寄ってくる


[お腹空いてたからいいでしょ?]…拾い食いが常識のように言う俺に、[そうだな…でも駄目だぜ危ないからやめような]…果物を持っていた手首を優しく…だが強く握ぎってきた…痛い…


[な?] グギグギグ!。…と手首が悲鳴が強くなる


痛い痛い痛い!…[わかった…ごめん…もう二度としないよ!]…痛みで少し涙を流しながら懇願する様に手を乗せた


[うん、わかってくれて嬉しいよ…まったく…もうしちゃだめだぞ黒崎?…]…そう微笑みながら、力を緩め…手を離してくれた、この人…もしかして相当やばいのかな?


そんな事をしていると草村から…ゴゾゴゾ!。と物音がする


[うん?]…輪道が草むらの方を警戒しながら見る、そこから一本角の生えた小さい鬼のような魔物が2体出てきた


[小鬼か…黒崎…俺の後ろに付いてて…]


[え?…でもせっかく買ってもらった刀を使えるチャン]。[いいから付いてて…] 半ば強引にそうされてしまった…さっきからこの輪道っていう男性…過保護すぎじゃないかな?…


[こい…小鬼共…] 輪道が構えてると同時に小鬼達が一斉に飛び掛かる


[雷光切らいこうせつ!] 輪道の手に電気が放電し、纏ったと思った刹那…一瞬で小鬼達の背後に移動し。キィシュイン!。…という表現が難しい音と共に、手に纏とわせた電気で小鬼達を両断してしまった


小鬼達は驚愕した表現を浮かべながら、血液を噴出して死んでいった


[ふっ…どうだ?…凄いだろ…俺の技] と勝ったことが当たり前、そんな表情をうかべながら自慢げに手を見せてきた


……せっかく刀を使える絶好のチャンスだったのに…


[!?…痛て…!] 痛みを感じ…自分の左手をみたら輪道が移動した衝撃でできた地面の破片が俺の手に刺さっていた


[え?……もしかして…どこか怪我したか?] 呆気に取られた顔でそう言ってくる輪道に、[ちょっとな…ほら] と怪我した左手を見せた


その途端…輪道の息が荒くなっているのがわかった…そしてすぐに俺の真ん前まで移動して


[ごめん!…ごめん!怪我させて…ほんとごめん!…すぐ怪我治すよ!…大丈夫だからな…な!…] 見たことがないほどに焦っている輪道…


[お願い!…怪我治すから!…だから!…だから…見捨てないでくれ!] そう…俺に言ってきた…まさか…辞めたって言った前のチームって…この人を見捨てたから辞めたってことなのか…


俺は必死に怪我を治そうとする輪道に対してそう思うしかなかった。

輪道のセリフの一部を変えました。

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