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この世界で生きるため

[クソ!クソ!…クソ!…]


俺はまだ怒鳴っている


ベッドの上で…体育座りをしながら…ずっとブツブツと怒鳴っている…


朝日が自分の泊まってくる木製の部屋を少しずつ照らしていく


[どうして…言ってくれなかったんだ!]


…八つ当たりだ…ただの…言われなかっただけ…それだけなのに…まるで天使達が全て悪いように言っている


いや…あいつらが悪いんだ…全て話してくれてもいいのに…話せてない制限があるなんて…聞いてないもの!


そうだ!…そうだそうだ…全部あいつらが!


《君だからこそ選ばれた!》


《さぁいってらっしゃい…今度こそ君の人生が幸せになりますように》


天使達が言っていた言葉……


《初めての人と関わって友情を深める…これ以上に素晴らしいことは…あまりないんじゃないかな?…》


……ミナトが言っていた言葉……


今までミナトに言われた言葉、天使達に言われた言葉。その全てを頭の中で思い出していく


………自分で受け止めて……前に進まなきゃ駄目なのかな?…


そうだ…いつまでもウジウジしてられないんだ、そんな事をずっとしていたら…ミナトに嫌われる


[……頑張ってみるか!そうするしか今は無いし…]


自分を無理に鼓舞するようにそう言い、泊まっていた部屋から出ようとしたが…


[あ!…お金…どうしよう…]


そういえば考えてなかった、悩んでも埒が明かないし、店主に言ってみよ


[あの…すいません…泊まったんですけど…その…お金無くて]


店主にそう言い訳のように言う…そうすると店主は[いいよ……1日だけなら]…と許してくれた


どうやらこの宿屋は1日泊まるだけなら無料らしい、案外良心的だった


そうして宿屋を後にした俺に、宿屋の真ん前である人物が待っているようにいた


その人物は…白髪を一本結びにして…巫女服のような服を着ている…中性的な容姿の男性だった


その見た目は結構…俺好みだ。年は…俺と同年代くらいかな…


その男性が俺の前に来ると[あんた…旅の者だろ?]…と挨拶も無しに…傲慢な態度を取りながら顔を近づけ、少し疑問風に言ってきた


[え?…まぁ…そうだけど…]…俺はその質問のような言葉を答える


[やっぱりな…さっき金がないとか言ってたけど]…と宿屋に人差し指を向けながら、人が通っているのに平然とそう言ってくる


どうやら俺の会話を聞いていたようだ…そういえば、少しその時に視線を感じていたけど…悪趣味な奴だ


[あの…それより、君…誰?] 挨拶も無しに言ってきた輩に俺はそう言う


[俺か?…俺の名前は…影月輪道(かげつき りんどう)だ…まぁ…よろしく]


そう言い、一様一礼してきた、今更遅い気が…


というか輪道?…変な名前だな


[さっき…お金がないって聞いてたようだけど…怪しいことならお断りだから…]


俺はそう冷徹に言い…去ろうとする。当たり前だ金がないって聞いてきて…そう考えるのは


[は?…いや…俺は怪しい者じゃないから…ただ金がないなら話聞いてやろうかって…言いたかっただけだ]


少し戸惑いながら俺の手を握り、輪道はそう言ってきた。なるほどただ…心配してくれただけか…


優しそうだし…こいつからこの世界の常識を色々と聞いてみるのも良いかもな…まずは


[…ここってなんて名前の都市なの?]


めちゃくちゃ今更である


[え?…お前…知らないの?]…困惑した顔でそう言ってくる輪道、名前も知らず入るとか…普通じゃ、あり得ないもんな


その後…輪道は説明気味に


[ここは…ミリセの都市、中級者がよく来る場所だぞ…]


そう呆れ気味に言ってきた、え?…ここ…中級者が来る場所なの?…俺…転生直後のルーキーなんだけど?


[マジで?…俺…まだルーキーなんだけど…] そう疑問の声で言う俺


[え?…そうなの?…おまえ…どんな感じで来たんだよ]


[え?…草原からきたけど?]


少し驚いて言ってきた輪道に対して…俺はそう答える、そうすると輪道は更に驚きながら


[はぁ!草原って…ここから近い草原ったら、マデゥーラの草原しかないぞ!…]


[おまえ…そこからきたのか!?]


え…なんでそんな驚くの?…そんな危険な場所だったの?、困惑した顔をしているの俺に、輪道は更に


[あそこの草原は、タイパンっていう蛇の怪物が大量にいるから危険なんだそ!…]


宿屋の前だということなどお構いなしに大声で言ってくる


え…俺…そんなやばい場所に最初に転生したの?、あの天使共!、やっぱりクソじゃないか!


[…お前…どうやってここまで来たんだよ?]


呆れた顔でそう言ってきた…確かに疑問だと思うよな


[いや〜…その…能力で]

そう言うしかなかった…


だか能力と言ったらなぜか[あ〜なるほど…]納得してくれた


[だから…中級者のここも行けたのか]…小声でそう言っているように聞こえた


どうやらここでの能力とは、ルーキーでも中級者の所にいけるレベルらしい


[…お前…ルーキーなんだろ?…これからどうするんだ?…行く当てがあんのか?] そう言ってくる


[いや…無い] …行く当てなんて俺には…無い…だかそう言うと輪道は嬉しそうに


[じゃあ…俺のチームに入ってくれよ、前は居たんだけど皆…辞めちゃって…]


輪道は何故か、必死そうな態度でそう提案してきた


チーム…か…キャラの具現化にはまだ時間かかるし…やってみるか…


[いいよ…貴方のチームに入るの…]


[マジで!…嬉しい…これからよろしくな…えーと]


[黒崎だよ…よろしく…]


[おう!…これからよろしく…黒崎!]


そう言い…手を握ってくる輪道、まぁ…優しそうなこいつとなら…なんとかなるかな…

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