私情の依頼
なんか…つまんない感じです
受付の女性が口を開け、等級について説明しようとする最中に
突然男性の声が聞こえ、
黒崎達はその声の主に視点を合わせる
彼らの隣に居たその男性は白髪の黒メッシュの髪色で、
白い烏羽のマントを纏った服装をして
おり。
中性的な美しい顔と、青いサファイアの様な瞳が、
服装以上に目立ってしまっている。
その容姿は、まるで女性かと間違えてしまいそうな見た目をしているものの
髪型はロングショートの為。
髪型と喋り方で男性だと判断はできる様になっている。
[特級とか一級っていうのは、その者の実力を表した数字のこと。ギルドで言う所のコインみたいなものだよ] その男性は得意げに等級の事を話し始める。
黒崎達は突然、自分達が聞いた質問に入ってきたその男性に驚くもののその説明を聞い
[なるほどね、わざわざ説明してくれてありがとう。……で、あんたは?]
輪道がその男性の説明を聞き終わったあと、
警戒した表情をして名前を聞く。
突然話しかけてきた為に怪しんでおり、
その男性とは初めて会った事もあって信用できない様子である
[輪道様。この方は貴方の仲間である黒崎様と同じ。
白コインを持つ21人の一人。
白羽のハルベルト様です。] 受付の女性がその男性の情報を輪道に伝える。
どうやら黒崎と同じ白コインを持つ冒険者の一人らしく
ギルドでもかなり認知されているのが
受付の女性の口ぶりでわかる
冒険者達も受付の女性の説明を聞き、
ハルベルトがだと分かった途端。彼の名を呼んで、驚きの表情を浮かべる。
彼らにとっては憧れの白コインを持つ人物の一人である為、皆のその驚きは計り知れないものだった
黒崎達も冒険者達の反応を見て、白コインを持つ者の凄さをその驚愕する表情で実感する。
そんな人物と同等のコインを貰ったことに、黒崎は再び緊張をしだすものの、何とか冷静になり始める。
[じゃあ…なんでギルドはコインなの?。その等級で決めれば良いのに] ハルベルトの説明を聞いて出た疑問を伝える
ギルドでは何故実力を数字ではなく、コインで表すのかが気になり疑問へとなったのだ
ハルベルトはそれを聞いた後。
顔に手を置き
[それは職業としてのランクを分かりやすくする為さ。職業でのランクは等級じゃなくて、物なんかで表してるんだよ] 彼は親切な声で質問に答える。
その顔は微笑んでいて、いい質問をするね。 と心の中で思われているのが、態度と表情から感じられる
[なるほど色々と教えてくれてありが─]。[ありがとうな…。でもなんで急に話しかけてきたんだ?、あんたには関係ない事だろ] 黒崎が微笑んで感謝を伝えようとすると、
輪道が声を被せて彼に対し、警戒した顔と態度を見せる。
怪我をしていた事とディアの件があり、彼は警戒を怠らず、常に目線を飛ばす。
ハルベルトは輪道の警戒した顔を見ると、何故か微笑み。一瞬で輪道の目の前に移動する
その速度は目に追いつけないほどであり、
その速度にこの場にいる全員が驚愕する。
そして目の前に立った後に、
彼は輪道の両手を強く握る
[君達の話に割り込んだ理由はね。君達の義理堅さに感激して話したくなったからさ!。] 彼は嬉しそうな声で2人にそう伝える。
二人は困惑した表情を浮かべ、戸惑いだす。
そんな黒崎達の顔を見ながら彼は続けて
[君達の言動は聞かせてもらったよ!。
受け取れる物を自身の実力を認めずに拒否する白髪の君。
その気持ちを理解して何も言わずに自分のみ受け取る黒髪の君。
どちらも人として出来ていて素晴らしいよ!]
ハルベルトは興奮した声で二人をベタ褒めする。
彼は2人の人間性に感激して、白コインを受け取らぬ輪道の気持ちを
黒崎と同じ様に理化し、共感していたのだ。
輪道は彼に自分の気持ちをベタ褒めされた事に一瞬照れるものの、
握られた手を振りほどき警戒の視線を辞めない
[君達なら、俺の私情の依頼を手伝ってくれるかも…] 二人を見ながら聞こえない程の声で呟く。
そんな彼の表情は少し嬉しそうな
微笑みを浮かべており、その表情を見た受付の女性は少し頬を染める。
[あのさ二人とも。その怪我が治った後、ぜひ受けて欲しい依頼があるんだけど] 微笑みの表情を辞め、上目遣いをしながら提案をする。
黒崎は[依頼?] と突然提案されたそれを
困惑した声で聞き返して。
輪道は[また依頼かよ…] と面倒くさそうに言う
大変な目に遭い続け、ようやくギルドに帰ってこれたと言うのに
また依頼を受けて欲しいと言われたのだから仕方がない所もある。
[でも、ここで話すには人が多すぎる。外に出よう。]
ハルベルトは神妙な顔でギルドを出るように提案する。
それを聞き、輪道は警戒した表情を浮かべるが、黒崎の方はその提案を受け入れ、そのまま案内さながら、一緒にギルドを抜けるのを見て。
輪道も付いていく
途中。他の冒険者達や受付の女性の視線をもろに食らうことになり、噂が経つように色々とヒソヒソ話をされてしまうが。
輪道以外はそんな事気にせず扉を開けて外に出た。
そのまま人気のないボロい裏路地に着くと、彼は2人の顔を見ながら、その依頼について説明する為…声を出す
[それじゃあ…話すね。その依頼はね、ある人物…っていうか、俺の私情関連のものでさ…] 人差し指でこめかみを掻きながら、少し困った態度を見せる。
どうやら面倒事の様なのが、彼の態度と言動で何となくわかる。
[私情関連?。なんかの揉め事か?] 彼のその言葉に困惑した声で輪道は考察をする。
仲間や他人との問題は自分の所でもあった為に、色々と要因を考えることが一様はできる
ハルベルトは輪道の言葉を聞き、少し微笑みながら、首と手を横に振りそれを否定する
[違うよ。揉め事というか…何と言うか。仲間がある所に所属しちゃって、だから辞めさせたいのさ] ハルベルトは顔を下に向け、困った声を出しながら説明する。とても困っていることが態度と声のトーンで理解できる。
[所属?。どこに] 彼の顔を見ながら、黒崎は首を少し傾げる。その仲間が一体どこに所属したのかが疑問になったのだ。
[ヴェスパー。リベアと対立関係を持つ、ラ・エスエメタ国の部隊。そこの7番に所属してしまったんだ…。] ハルベルトは暗い表情を浮かべ、過去を悔いる様な声で説明する。
黒崎達はそんなハルベルトを見て、その国と何故所属することになったのかを追求することにした。




