パーティマネジメント
その後、時間も時間だったのでコンテナハウスに退避した後、各々洗濯やお風呂に入るなどした後、夕食時にスキルについて話すことになった。
「まずこのスキルはパーティ全員に対して効果のあるスキルです」
「そういうスキルは今まであるのか?」
知識の少ないアキラが質問する。
「パーティ向けのスキルは少ないですけどあるにはありますよ」
「かなりのレアスキルだったよな、確か『疲労緩和』だったか?」
「そうです、全員の疲労が緩和されるスキルですね、まだ1つしか確認されてないはずですけど」
「ちなみにアキラさんの持ってる『経験値増加』もパーティスキルです」
「そういえばとんでもないスキル持ってたな」
「まだスライム数匹分だけどな…」
「パーティマネジメントも同じってこと?」
「これはさらにヤバイです」
沙月の説明で判明した効果は以下の通りだった。
『パーティマネジメント』
・パーティ内の経験値配分の変更
・パーティメンバーの場所の表示(範囲不明)
・パーティメンバー間での念話(範囲不明)
・レベルリンク(一番レベルの低い人にレベル統一)
という効果がある。
「すごいな、ほんとに革新的過ぎる」
「これがあればレベル差を気にせずにパーティが組めますしパーティとしての連携も高まりますね」
「後は取得する人物だが…」
「まぁこれは1択ですね、パーティに必ず必要なスキル持ちってなると…」
全員で沙月の顔を見る。
「えっ!?別に私の必要はないんですよ!他の誰でも効果は変わりませんし!」
「パーティを組む上で沙月を外して組むことはありえないだろ?」
沙月の持ってるスキルを考えるとパーティから外すことはまずなかった。
感知スキル、アイテムボックス、魔法、障壁どれもパーティで今後の活動をする場合は、沙月を中心に考えることになるのが目に見えていた。
「これに関しては沙月で決定、異議のある人!」
沙月以外は誰も手を挙げることはなく、沙月が使うことに決定した。
「くぅ、身体がレアスキルに侵されてく…スキル取得」
沙月がスキルを取得後、念話を使ってみた。
(これで伝わるのか?)
(おお!すごいな)
(後は効果範囲ですね)
(これ考えてることがそのまま伝わるんですか?)
(そんなことはないみたいですね、自分で伝えたいと思ったことだけみたいです)
心の声垂れ流しにはならないようだ。
そんなことになったら困る二人が胸をなでおろしていた。
(カナタ聞こえるか?)
「聞こえるぞ」
「声に出したら意味ないだろ」
「ああ、そうか。結構難しいな」
念話は全体チャットのようなもので、単一には話しかけれないようで話は全員に届いてしまう。
会話と念話の意識も難しく眼の前にいる場合、俺とカナタは口の方が先に出てしまうこともあり要練習だった。
後は効果範囲等の確認をしたかったが、今日は就寝し明日の朝にやることになった。
次の日の朝、ダンジョン内で色々調べてみたが同じ階層であれば念話が届いたが階層をまたぐと届かなくなった。
「地上は効果が薄くなるのでどうなるかわかりませんね」
「まぁ地上でこれ使えるのは結構やばそうだけどな、カンニングし放題だ」
「そんなことしませんよ!」
唯一の学生である沙月が否定する。
「そうなったら私は役に立ちますよ。医学部出てますから」
「しませんよ!」
そんなやり取りの後に地上に帰還することになった。
「さて取り出したるはこの帰還石」
沙月が取り出したアイテムは帰還石だった。
中魔石を1つ犠牲にすることで生み出されたのはダンジョン入口に帰還できる石だった。
「ヤバイ代物とはわかるけどそれ1個50万なんだよなぁ…」
「そう考えると自分の足で帰りたくなるな…」
「そうですね…」
説明を受けていたにも関わらず、3人は難色を示す。
「事前に説明したのに…ちなみにこれはパーティメンバー全員に効果があるので1つで済みます」
「だけど50万だぜ…」
歩いて帰れば恐らく1日半ほど、移動費と考えてもかなり高額だった。
「もう!それは言いっこなしですよ!どうせこれはもう魔石には戻せないんですから。しかもこれはモンスターに絡まれてても使える優れものです」
「なんで1回しか使えないんだ…」
そう、この帰還石が使えるの1度きり。何度も使えるのであればよかったのに…
「まぁその話は置いといて、これを使うと入口に戻る訳なんですけど鉢合わせを避ける為にこんな早朝に使う訳ですが、もしいた場合はスキルの効果ということにするので忘れずに!」
もし見つかった場合は、隠密スキルを使ってたことにする手はずになっていた。
「了解~」
「ではいきますよ!帰還」
沙月が帰還石を握り帰還と唱えた瞬間石は砕け一瞬で周りの風景が変わった。
そこはまさしくダンジョンの入口前であり、早朝ということもあり誰もいなかった。
「おお!成功です!」
「さすが50万の効果だな」
そんなことを呟きながらダンジョンの入口を出てロッカーに向かい武器等を預け買取所に向かう。
今回かなりの額を稼いできたが国に実力を知られるのも面倒な為、一部のみ買取に出して残りは沙月預かりとなった。
ゲートを出て少し離れた後に
「早く、この窮屈な状況は解決したいですね…」
「間違いないな」
「すいません、私は病院にいきます!」
「そうですね!じゃあ一緒に私もいきますね!」
「了解、後は手はず通りに頼む」
帰って早々、二人は病院に向かっていった。
「さてカナタ、俺達も準備して向かうぞ」
「ここからはスピード勝負だしな」
その後、準備を行った後、氷川さんに先日の件の回答をしたいと連絡を入れた。
ここからはモンスターではなく国を相手取った戦いの始まりだった。




