マシーンキマイラ
先ほど、モンスターを倒した時に討伐特典が出現した。
そのことを沙月達に伝えた。
「ドロップはなかったから油断してたんだが討伐数はパーティ上限とか超えてて問題無いみたいだ」
「へぇ、それは良い仕様だな、ちなみ特典内容はどうだったんだ?」
『討伐特典』
【1】特攻モンスターの変更
【2】特攻モンスターのドロップ品開放
【3】特攻モンスターの攻撃値アップ
討伐特典内容は3つだけだった。
その事を皆に伝える。
「とりあえず押す前に確認と思ってな、下手したらいきなりボーナスモンスターが出るかもしれん」
「それは賢明でしたね、あの状況だとごまかせなかったかもしれません」
「でも特典内容的にはスライムが優秀だよなぁ」
特典内容だけ考えればスライムの特攻モンスター以外への攻撃値アップを上げておきたい気持ちはわかる。
「ドロップ率も経験値アップもありますからねぇ入門的な感じなのかもしれません」
「マシーンが終わったら私もスライムをやるか…」
「ありかもな。とりあえず押すので警戒を、ドロップ品開放でいく」
「「「了解」」」
ドロップ品開放を押す。
『ドロップ品ランク1→2MAX』
「やばい!MAXになった」
『ボーナスモンスターが出現します』
俺の言葉に全員警戒し一気に戦闘体制に入る。
スライムとは違いマシーン系のボーナスモンスターは迫力が違った。
ドラゴンよりは小さいが大型トラック並の大きさでライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つキマイラ型のマシーンモンスターだった。
機械のせいでパッと見ライオンに見えたが後ろにヘビのような尻尾が見えたのでキマイラだと認識した。
それに加えてあれってもしかしてミサイルですかね…?
胴体の上にはミサイルを発射しそうな装備を備えていた。
そう思っているとやはりそこからミサイルが発射された。
「沙月!障壁!」
間に合うか?間に合わなければ弾き飛ばすしかないが…
沙月はすでに準備していたようですぐに障壁を張られる。
「ナイス!沙月!」
「大丈夫ですけど初手ミサイルぶっぱとはわかってますね。アイツ」
「とりあえずミレイは俺とカナタの分身を」
「わかりました。先行させますか?」
「いや、とりあえず俺とカナタで空中から攻めるから側面から攻めてくれ」
「了解」
カナタはすぐに竜化して空に飛ぶ。
俺も続くように空間機動を使い空中に移動する。
敵はミサイルを打って様子を見ているのか固まっていた。
俺とカナタは目配せを行い空中からキマイラに向かい頭と胴体に一撃を叩き込んだ。
しかしやはりマシーン系は硬いのか地面に伏しているがまだ消滅する気配はない。
頭の俺にはミサイルが、胴体にいたカナタには尻尾のヘビが襲いかかる。
咄嗟に回避するがミサイルで噴煙があがり姿が見えなくなる。
そこにミレイの分身が突っ込む。
基本的にうちのパーティは攻撃特化型といっていい。
防御するのは沙月にまかせて残りは攻撃に回ったほうが強い。
特に未知のモンスターに対してはさっさと倒した方が安全。
見えないのならば攻撃を食らっても問題のない分身で突っ込ませる。
「噴煙が晴れたら追撃いくぞ!カナタ!」
「任せとけ」
空間機動よりも自由に飛び回れる竜化は便利そうだ。
だが、こっちも新スキルがある。
「こっちも新スキルをお見舞いしてやる!」
磁界操作のスキルは磁界を自由に操ることができる。
金属製の敵という事は…噴煙の中に磁界を作る。
するとガシャンという音と共に噴煙が晴れる。
そこには身体が丸くなり磁界により拘束されたキマイラの姿があった。
「金属製の敵には効果バツグンだな!」
動けなくなっているキマイラに分身の攻撃が直撃した。
しかし、まだ消滅しない。しかし身体の至る所がダメージでボロボロになっていた。
「カナタ!トドメだ!」
空中高くに上がったカナタはそのまま急降下してくる。
その勢いをそのまま攻撃に乗せキマイラに叩き込んだ。
その一撃を受けたキマイラは消滅した。
「タフだったなぁ」
「ほんとだな、かなり強めに叩き込んだのに」
「特攻スキルが無かったらかなり時間がかかったかもしれませんね」
「普通のパーティだったらこうはいきませんからね」
まぁ普通のパーティがあんなのに遭遇したら死ぬのではないかというのは置いておく。
「そういえばあれはなんてモンスターだったんだ?」
「メタルキマイラですね、スキルは持ってましたけど特に目立ったスキルは持ってなかったのでモンスターとしてのスペックで戦う感じだったんじゃないかと」
「まぁスキル無くてもミサイルとか撃ってきたしな、で落としたスクロールはっと」
ボーナスモンスターはスクロールを落とすのは確定のようだ。
スクロールを調べると
『超回復』
「「「えっ」」」
3人が声をあげ驚く。
魔力値制限がかかっている超レアスキルだ。
「どうする?」
まぁ聞いたところで使えるのは沙月とミレイの二人だけだ。
「そのスクロールなんですけど、私がもらってもいいですか?ほんとはミレイさんに使ってもらった方がいいんですけど…」
「私は構いませんよ」
「申し訳ないです、でも絶対に悪いようにはしませんから」
そう言って沙月はスクロールをアイテムボックスにしまった。
自分では使わないようで俺達は疑問に感じていたが悪いようにしないということであれば沙月に任せることにした。
19階層に戻るには時間がかかる為、安全な場所を探しコンテナハウスを設置した。
19階層とは違い安全の確認が出来ない為、見張りを立てようとしたが。
「こんな事もあろうかとコンテナハウスに警報装置を付けてあるから大丈夫だぞ」
「なにそれ」
「一定の範囲内に何かが侵入したら警報が鳴る。じゃなきゃ安心して寝れないだろ」
言われてみれば19階層だって誰かが近付いてくる可能性は充分にあった。
それなのに見張りも立てずに寝ていたのだから察するべきだったのかもしれない。
「明日はどうするんだ?」
「明日帰ると鉢合わせしそうだからな、とりあえずカナタの討伐特典を取得してから19階層で一泊してから帰るとしよう」
「それが良さそうですね」
「それなんですけど帰りは、これを試しませんか?」
そういって沙月が取り出したのは、例の石だった。
知らなかった二人に説明を行い、明日試すことにして今日は就寝することにした。




