検証結果
その後、いつも通りにスライムを狩りまくり、攻撃値が19までアップした。
予想ではMAXになったとしても、ならなかったとしてもこれでボーナスモンスターが出現する。
「次に100体討伐を達成した場合、ボーナスモンスターが出るので気をつけててください」
「そのボーナスモンスターってあのスクロールを落とす特殊個体のことだよな?」
「そうですね、まぁだから気をつけましょう、討伐特典を押した瞬間に現れるので…」
「わかりました、また押す際には教えてください」
「そうしますね、念の為魔力消費などには気をつけておいてください」
先ほどから分身体での訓練をしてるので魔力消費について注意を促しておいた。
それから100体を討伐し特典が表示される。
「出ました。これで押すと出現するので周囲の警戒を、あと俺が1撃は加えるので倒してはしまわないように!」
俺が倒さなくても良い場合もあるがドロップ品のスキルがある為、念の為周知しておく。
そして攻撃値アップを押す。
『特攻モンスターの攻撃値19→20MAX』
やはりここがMAX値だった。
『ボーナスモンスターが出現します』
どんなモンスターか周囲を警戒していると後ろから声がした。
「いました!バリアースライムです」
沙月が生命感知で発見したようで岩陰に黄色のスライムがいた。
なにかをする前にと攻撃を加えると、スライムに当たる直前に文字通りのバリアーを張られてしまった。
「っ痛、かったい」
まるで鉄の塊を殴ったような衝撃が拳に走り思わず手を引く。
「大丈夫か?」
カナタが前に立ち、こちらを心配する。
「大丈夫だ、だけどめちゃくちゃ硬いぞなんだあれ」
「バリアースライムってことは、その名の通りバリアなんでしょうけど」
ミレイも槍を構え前に立つ。
そしてスライムの前に張られたバリアが発光し始めた。
身体にゾワッとした悪寒が走った。
「左右に退避!急げ!」
アキラの言葉に二人は即座に反応し左右に散開する。
沙月はそもそもスライムの後ろにいたので、心配はなさそうだったが岩陰に隠れたようだ。
そして散開した瞬間、俺達がいた場所に衝撃波が放たれた。
「うっそだろ?」
それは、今までみたスライムの攻撃とは比べられない程に強力な一撃だった。
その一撃は地面を抉り、壁に大穴を開けていた。
「何、今の?」
「おいおいおい」
ミレイとカナタも動揺を隠しきれずにいた。
警戒の為に距離を取る。
「ミレイ!カナタ!距離をとって様子を見る、目は離さないようにしてくれ」
「「了解」」
二手にわかれ距離を取り警戒する。
「沙月、ステータスってどうなってる?」
「持ってるスキルは障壁スキルだけです!攻撃スキルは持ってません!」
「嘘だろ!?じゃあさっきのは一体なんだ?」
とんでもない威力の攻撃に何か攻撃スキルを持っているのかと思っていたのだが違ったようだ。
そうなるとあの攻撃は一体?
警戒をしていたが、一向に攻撃してくる気配がなかった。
「わかりました!」
沙月から声がかかる。
「恐らく障壁スキルのカウンター攻撃です!」
「そんなのあるのか!?」
「スキルの詳細に攻撃をそのまま相手に返す技があると記載がありました、恐らく先程の攻撃はそれです!」
「そのままって俺はあんな攻撃をした覚えはないぞ」
地面はえぐれてるし壁にも大穴、あんな攻撃をしたつもりはなかった。
「多分、攻撃値20倍なのでスライムにとってはあれくらいの攻撃扱いだったんだと思います」
「えっ」
その答えに思わず壁を見る。
自身の攻撃がアレほどの威力となってスライムに当たっているとは思ってもみなかった。
「ってことはこっちが何もしなければこいつは何もできないってことか?」
「普通のスライムのように溶かしてくるくらいだと思います」
「そうと決まれば!ミレイ!分身で一度攻撃して障壁を展開させてくれ」
「了解!」
ミレイは分身を作りスライムを攻撃する。
槍は障壁に当たり弾かれる。
そしてその隙をついて障壁の背後からアキラが近づく。分身体の攻撃から少し遅れて攻撃を加える。
アキラの攻撃は弾かれることはなくそのままバリアースライムに直撃した。
「おっと、全面展開だった時の為に軽くいったんだがなんだ前面だけか」
どちらが前面かわからなかったが障壁を展開した方を前面と捉えれば後方には障壁はなかった。
スライムは一撃を受けて消滅した。
「さっきの攻撃は死ぬかと思ったけどこんなもんか」
近くにいた沙月が近付いてきた。
「二人だけだったらやばかったですね」
「その為の分身スキルだったのかもな…」
「そう考えると辻褄が合いますね」
今まで拾ったスキルは少なからずシナジーが存在していた為、ドロップするスクロールにも規則性があるように感じていた。
だが、俺の使えそうもないスキルばかり落ちるのでその法則があるかどうかは怪しんでいる。
そしてスクロールを拾うと予想通りのスキルだった。
「障壁スキルか」
「また未確認スキルですね」
そしてミレイとカナタも近付いてくる。
「ほんとにスクロールを落とすんですね…」
「さっきは引きつけてくれてありがとな」
ミレイにお礼を言う。
「いえ、せっかくの分身スキルの使い道でしたしね」
何かあっても分身なら問題ないという判断だった。
「引きつけならほんとは私が担当したかったんだがなぁ」
カナタがぼやく。
「悪いな、またあの攻撃が飛んでくる可能性を考慮すると危なくてな」
「まぁいいさ、私を気遣っての結果だろ」
とそんなやりとりをしつつこのスクロールをどうするかということに繋がる。
沙月がスキルを確認すると
「これも魔力値制限かかってますね」
「ぐへぇ…」
「魔力値制限A…」
その言葉に全員沈黙する。
そして俺は口を開く。
「まぁ丁度よかったじゃないか、これで沙月はかなり安全になるだろ!」
「また私ですか!?」
「といっても沙月しか使えないんだから仕方ないだろ、遠慮なく使ってくれ」
まぁうだうだしてても俺達の中で使えるのは沙月しかいない以上使ってもらうしかなかった。
「カナタに使ってもらえればよかったんですけど…」
「私はCしかないからな、無理ってもんよ。それにそのスキル多分タンクには向かないぞ」
「そうなんですか?」
「さっきのスライムを見てって感じだけどな、取得すればわかると思うぜ」
「わかりました…スキル取得」
諦めたようにそういってスキルを取得した沙月だった。




