カナタ加入
そこからは4人で今後の方針を決めるべく話を進める事となった。
「さてまず、質問なんですけど1年以内に倒したドラゴンの数ってわかります?」
「うーん、1年か…そうなると倒したドラゴンは全部カウントされるか?」
「そうですね、討伐されたのはちょうど1年ほど…あと1ヶ月で丁度1年ですね」
ドラゴン討伐の事はニュースにもなっていたがそうか…もう1年なのか、歳を取ると時間の流れが早いというが…そんな事をしみじみ感じながらどうやらカウントが終わったようだ。
「数えて見ましたが16体ですね」
ミレイが探索履歴を調べてカウントしたようだ。
「16体、思ったより狩ってないような・・・?」
そう言われたミレイ達は顔を見合わせ
「ドラゴンをどう思ってるか知らないがあれを倒すのはめちゃくちゃ大変なんだよ…」
「入念な準備をしてさらに往復5日間の遠征そしてドラゴンは5人パーティでも死力を尽くさないと勝てない、そう何度も挑戦できないですよ」
「なるほど、しかしそうなると急がないといけないですね、ドラゴンのリポップってどれくらいです?」
「リポップ?」
アキラの聞いてることに理解ができず聞き返すミレイ。
「ドラゴンって一回倒してから沸くまでどれくらいかかるのかなって」
「ドラゴンはボスの間にいるので入り直せばなんどでも…えっもしかして?」
「そりゃ期間内に50体達成するなら何度も倒すしかなくないですか?」
「「はぁ!?」」
ミレイとカナタは同時に驚愕の声をあげる。
「そんなことできるわけ無いだろ!」
「なに考えてるんですか!?」
ミレイとカナタから同時に責められる。
「いやいや、そんな慌てなくても…別に何も考えて無いわけじゃないですよ?勝算があってですよ」
「そんなこと可能なのか?」
「検証してからですけどね、ある程度は、うまくいくと思ってますよ」
アキラはある程度の確信をもっていたがあくまでも検証してからだ。
その為にはミレイにあるものを使ってもらう必要がある。
「沙月、アレを出してくれるか?」
「わかりました」
そういって沙月はアイテムボックスから分身スクロールを取り出す。
「おい、いまどっから出した?」
カナタにはまだ、こちらのスキルを説明していなかった為、驚きの声があがる。
「まぁそれは後で話すのでまずはこれをミレイ、使ってくれませんか?」
ミレイにスクロールを差し出す。
「これって…スクロールだよね…」
二人はスクロールを見るのは初めてではない。しかし、使ったことはなかった。
二人はそれぞれ、ミレイは槍技スキル、カナタは剣技スキルを持っている。しかし、これはスクロールではなく、探索者として経験を積み取得した物だった。
武具系スキルは長くダンジョンに潜っていると取得できる場合がある。もちろん本人の資質や経験に左右される為、必ず取得できる訳では無い。
スクロールでも一応取得可能で割と安価で取引されている。
「これを私に?」
ここからは沙月が説明する。
「そのスクロールは分身スキルです」
「分身スキル?そんなスキル聞いたこともないけど…」
「ですね、未確認スキルなので・・・。そしてそのスキルには魔力値B以上じゃないと使用できない制限が付いてます」
「制限付きスキル!?」
その価値にミレイは驚きの声を上げる。
まだ世間的には制限付きスキルは浸透していない為、カナタは頭を傾げていた。
「ちなみに効果を聞いたらもっと驚きますよ、触れた生物の分身を作るスキルなんです!」
「なんだよ、その規格外なスキル…」
カナタも効果を聞いてその効果がヤバイものだと気付いたようだ
「これをお金に変えることはできないですからね…産出元が特殊なので、という訳で早速使ってもらえますか?」
手に持って固まっているミレイの背中を押す。
使ったことも無い、しかも恐らく高額な品に動揺を隠しきれなかった。
「このスキルを使えば、さっき言ってたことができるってことなのよね」
「ええ、そのスキルがあればきっとドラゴンを倒すことができます」
アキラはミレイの問いに応える。
「わかりました…スキル取得」
これでカナタの呪縛を解き放てると思い、ミレイはスキルを取得した。
「さて、じゃあ忙しくなりますよ!スキル検証といきましょう!」
「そうだな、これがうまくいけば狩り効率も大幅に上がる」
「まて!」
盛り上がる二人を諌めたのはカナタだった。
「その前にお前達も洗いざらい話してもらうぞ!」
凄まれるカナタに圧倒され、隠していたスキルの事を打ち明けることになった。
「お前らよくそんな重要な情報をポンポンポンポンと…もっと危機感をだなぁ…」
「カナタ、それは私も言った。まぁ信頼してる証ってことよ」
「それにしたって今日初めて会った私に対して不用意過ぎるだろ…絶対こいつらその内やらかすぞ」
「そこは私達でフォローしましょう…」
どうやら俺達は二人に迂闊者としてレッテルを貼られたようだ。
そんな気は毛頭ないのだがどうやらかなり危機感が足りてなかったようだ。
沙月と二人で今までの事を反省し気をつけようと互いに言い合った。
しかし、そんなアキラ達を諦めの表情で見つめる二人だった。
(絶対いつか何かやらかす…)
そんなミレイとカナタの予想はすぐに現実となるとはこの時の二人はまだ思ってはいなかった。




