謝罪
そして、カナタのスキルについての話を始める。
「まず、私の固有スキルの話からします。私の固有スキルである『叡智』は人の情報を見ることができるんです。あっこれは内緒でお願いしますね。バレると大変なので」
あったばかりなのに気軽に秘密を話す沙月にミレイは頭を抱えている。
そんなミレイの様子から感じ取ったのかカナタは一呼吸置いてから話を切り出した。
「わかった。秘密を漏らすことはしないと約束する。でもそのスキルで私のスキルを見ても鑑定石と一緒じゃないのか?」
カナタの疑問も尤もで話を聞いただけでは、普通の鑑定石と同じように感じる。
「いえ、さらに詳細に確認することが出来ます。カナタさ・・・の持ってるスキルは、
『特攻モンスターへのダメージ20倍、特攻モンスター以外へのダメージ10分の1、特攻モンスターを1年以内に50体討伐で討伐特典』です」
「は?どういうことだ?討伐特典ってなんだ!」
自身のスキルの詳細に驚くカナタだった、かなり慌てているようで沙月に詰め寄る。
「落ち着いてください、まず討伐特典ですがその名の通り1年以内に50体倒せば色々な特典がもらえます、基本的には特攻モンスターに対するドロップ率アップや経験値アップの特典が得られます。ただ、恐らくにはなりますが特典がもらえるのは1度きりです」
「1度きりなのか?」
自身のスキルとの違いに沙月に問いかけた。
「アキラさんのスキルには100体毎にと書いてありましたがカナタさ…のにはその表記がありませんでした。恐らく達成した場合に変化するのではないかと思います」
「お前も特攻スキル持ちなのか!?」
そういえば伝えていなかったことに気付いた。
「そうです、俺の特攻はスライムでしたけどね」
「スライム特攻…」
恐らく噂で聞いていたのだろうスライム特攻と聞いて明らかに気まずそうな顔をする。
「まあ、俺はこのスライム特攻スキルのおかげで助かってますけどね」
「なんで!?スライム特攻なんて世間でハズレスキルのなかのハズレスキルって言われてるのに」
おっとそこまで辛辣なその呼び名は初耳だ、まぁそう言われる気持ちは分かるが…
「話をもとに戻しましょう、基本的に得られる特典はアキラさんのパターンから推測するに討伐モンスターの変更じゃないかと思います」
「あーなるほど、一回しか特典が無いならそうなるか」
俺の場合は100体毎にだった為、たくさんの選択肢が出たが1回きりということは変更以外は考えにくかった。
「つまり?」
ミレイにはスキルの詳細を話していた為、今まで大人しく聞いていたが結論が近くなったことで結論を早く聞きたくなったようだ。
「あと何体ドラゴンを倒せばいいか不明ですがドラゴンを必要数倒せば特攻モンスターの変更ができます」
その言葉はカナタには信じられない言葉だったようで固まっていた。
「つまり…私は…」
その事実にカナタの目からは涙が溢れ出していた。
「よかったね…カナタ」
ミレイが喜びからか涙を流し横から抱きつく。
「あぁ、ああ」
それにカナタも答える。
それからしばらくは二人にしておこうと思い、自分の部屋ではあるが沙月と共に部屋を後にした。
「よかったですね」
「あんなに喜ぶとは思わなかったけどな」
「まぁ私達にはわからない位、色んなことがあったんですよ」
「そう考えると最初に沙月と会えたことは幸運だったな…いなかったら諦めていたかもしれん」
沙月のおかげで討伐特典を達成することができた。いなかったら1日100体を狩るには10時間以上走り回っても難しかっただろう。
「私がいなくてもアキラさんは探索者は、続けてたと思いますよ。なんとなくですけど」
「それは諦めが悪いって言いたいのか?」
「そう聞こえたのならそういう意味かもしれませんね」
「こいつぅー」
頭を軽くぐりぐりしつつ、食堂に向かい少しお茶をすることにした。
二人がイチャイチャしてた頃、ミレイとカナタは…
「あの二人は本当に信用できるんだよな?」
先ほど言われたことは、本当のことなのかミレイに確認する。
「ええ、間違いありませんよ。そもそもカナタを騙して得られるメリットなんてありませんしね」
「情報の引き換えに身体を求められても応じちまおうかと思う位には感謝してるぞ」
「…それは絶対に駄目です…」
「お、おう冗談だよ…」
いきなりミレイの雰囲気が変わり怯えるカナタ。
そしてカナタは押し黙る。
そんな様子にミレイは慌てて
「そんなに落ち込まなくても!いいんですよ!そんなに怒ってませんから!あっでも彼に…」
「ごめん」
ミレイの言葉を遮るようにカナタは謝罪を口にする。
「えっ!?」
カナタはその場で土下座した。
「ちょっと、頭をあげてカナタ」
「いや、ちゃんと謝罪しなきゃいけない、じゃないと私はまた逃げてしまう…だから言い訳に聞こえるかもしれないけど、私の話を聞いてほしい」
頭を下げながらカナタはミレイに懇願した。
そんなカナタの様子にその思いを汲み話を聞くことにした。
「わかったわ、だけど土下座はやめて、隣にきて話してくれない?落ち着かなくて」
「わかった」
カナタはミレイの隣に座り、今まで自分に起きた事を話し始めた。




