疑念
その話を聞いた後に彼女は、慰めはいらないとばかりに
「さぁこの話はここで終わりにして狩りを再開しましょう」
無理やりに休憩を終わらせ、その後はこちらを少し離れて観察するだけであった。
「居たたまれないですね」
「まぁそうだな、状況が違えば同じ状況になってたかもしれないだけにな・・・」
「アキラさんは一人でもケロッとずっと一人でやってそうですけどね」
「どういう意味かな?」
「はは、なんでもないです」
そんな話をしながらも狩りを続けるがやはり効率は落ちていてまた3時間ほどかかってしまった。
「とりあえずまた攻撃倍率にしとく」
「了解です」
「特攻モンスターへの攻撃倍率11→12」
「やっぱり1ずつだな」
「まぁそれでも破格だと思いますけど10倍が12倍にあがったって結構差があるんですよ」
「しかし、数値的な話だとしょぼく見える」
「これから100匹は狩れないので戻りましょうか?」
「そうだな」
「霧崎さん!今日は引き上げます」
そういうと霧崎さんは寄ってくる。
「もういいのですか?」
「そうですね、今日はこの辺で引き揚げます、ちょっと見られてて緊張しました」
「それは申し訳ないことをしました、いつもはもっと狩ってると聞いていたので私は余計なことをしてしまいましたかね」
「そんなことはないですよ、これくらいで動揺せずに狩れるようにならないといけませんからね、深部を目指すなら」
1階層とは違い深部にいけばほかのパーティと一緒になることもあるだろう、その時に見られていて実力が発揮できず死んだら元も子もない。
その前向きな姿勢に思うところがあったのか優しく微笑み
「そうですね、いい心がけだと思います」
それから、いつもなら検査室にいくところだが今日は日和が不在の為、検査はなしで解散となった。
「じゃあこれで解散ですね」
そう言って霧崎さんは行ってしまった。
それから沙月に誘われモールの中に買い物にいくことになった。
「ちょっと欲しいものがあるので」
というので最初はじゃあ後で合流しようというと問答無用に付き合わされ日用品の買い出しに30分ほど付き合い食堂に移動した。
「ちょっと伝えておきたいことと今後のことで相談しようと思うんですけど伺ってもいいですか?」
「わかった、じゃあトレーニング後に」
まぁもう部屋に招くのも慣れたもので了承する。
それから二人で体術訓練を行い、別れた後、しばらくしてからチャイムが鳴った。
沙月を招きいれいつも通り打ち合わせをする。
「今日、生命感知とアイテムボックスのスキルが上がりました。何回も使ったおかげですかね、生命感知は範囲が拡大しました。アイテムボックスは容量が増えたそうですが実感があんまりないですね」
「生命感知は、あれだけ使っててやっと上がったのか・・・アイテムボックスは思ったより早かったが」
「そうですね、スキルレベルは上がりにくいみたいです。叡智も使ってますけど全然あがりません」
「固有スキルは特に上がりにくいのかもしれないな」
「ちなみに暁さんの経験値増加のスキルのレベルも上がって取得が+2になってました」
「焼け石に水だな・・・」
「まぁこれはたいした事ではないので置いておきましょう。重要なのは、生命感知のレベルが上がった時に気づいたのですがゲートを通ってから宿泊施設までの間にずっと付いてきてる人がいました」
「は?偶然じゃないのか?」
嫌な想像が頭をよぎる。
「そうかなと思ったんですけど明らかに私たちの後を付けてきてたので、モールにも付いてきてましたし」
「もしかしてそれで俺についてきてほしいっていったのか?」
「そうです、ストーカーとかなら男性と一緒なら諦めてくれるかなと思ったんですけど全く効果なかったですね」
「それはまずいんじゃないか?」
「そうですね、最悪の事態に備えておかないといけないかもしれません」
高魔力持ちは狙われるという話があった。小国などでは他国から高魔力持ちを誘拐する場合があると氷川からも聞かされていた、国力になるからだと。
「多分ですけど相手も生命感知持ちですね、生命感知レベル2のギリギリの範囲で付かず離れずでついてきたので・・・」
「それは氷川部長たちに報告するべきでは?」
「うーん、でもこの情報が漏れたのもそこからかもしれないんですよ」
「そうか・・・。でもほかにも知ってる人間はいるだろ?市の職員とか」
最初に検査を受けた職員には箝口令が敷かれてるそうだがそこから漏れた可能性も否定できない。
「それでも、彼らの身内から漏れたのは間違い無いわけですから警戒するにこしたことはないかと思います」
「確かに・・・」
「まだ仕掛けてこないと思いますけどとりあえず警戒しときましょう」
「わかった、じゃあこれを渡しとくよ、何かあったら使ってくれ今なら隠せるだろ?」
「これは・・・」
「初探索のお金で買ったものだけど充電式の一回だけだけどモンスターにも効く優れものだそうだ」
あの時かったもののレベルがあがっていって不要かと思いずっと渡せずにもっていたものだった。
「いつの間にこんなものを、でもありがたく受け取っておきます」
俺の胸中を察してくれたのか素直に受け取ってくれた。
それからしばらく談笑したあと、解散となった。




