恐喝
そして先程アッパーで眠らせた男を『電磁操作』による電気で起こす。
「よう、起きたか?」
「貴様!!!!仲間はどうした!?」
「は?知るかよ。お前のせいだろ今頃仲良く穴の中でアンデッドにでもなってるんじゃないか?」
「ふざけるな!!!くそ離せ!!」
暴れようとする男の鳩尾に拳を放つ。
「おい、調子に乗るなよ。お前の態度次第ではまた何人か投げ込むぞ」
男は辺りを見回し他の5人がいることを確認してこちらを睨みつける。
「どうしろというのだ」
「悪いけど俺としては全員アンデッド化してもらってモンスターとして処分したいんだが…あの穴の中にいるのを助けたい人がいてな」
俺はそういって目配せをした事で後ろに控えていたサキが男の前に立つ。
「サキと申します、光の姉です…」
「あっ…」
どうやらサキの事は知っていたようで顔を見て動揺していた。
「弟はもう助からないのでしょうか…?」
「…」
先程自身が口走っていた記憶が飛んでいるのか話す事が出来ないのか…。
まぁここはつつくか。
「さっきは国に帰ればなんとか出来るとか口走ってたよな?それがなければ全員処分してた所だ」
俺が脅すように詰め寄る。
「…くっ」
どうやら若干記憶が飛んでいるのか驚きの表情をした後に苦悶の表情を浮かべていた。
「弟を助ける手段はあるのですか!」
「それは…」
どうやらまだ言う気にはならないようだ。
「治せるなら何人アンデッドにしても問題ないだろ?」
俺の言葉に男は身体を強張らせる。
俺が他のメンバーに合図をするとまた放り投げられると感じたのか…
「待ってくれ」
「ああん?待てば解決するのか?どうせ2人3人も変わらんだろ」
カナタが盾に手をかけた所で…。
「ああ、国王様なら治せる!だからこれ以上は…」
これで言質はとった。
「じゃあ国王にここにくるように連絡を入れろ」
「それは無理だ!」
「ふーん…」
俺が手をあげて合図を送ると男は焦ったように俺に縋る。
「違うんだ、王は国から出る事が出来ないんだ!もし俺達がどうなったとしても出ることが出来ないから来ることは出来ない!」
どうやら本気のようだ。
「じゃあ弟を返せば治してもらえるということですか?」
「はい!国に戻れば必ず」
「それを信じるに足る材料はあるか?俺達には帰られたら判別する方法がない」
「それは…」
「じゅあ一人、いや5人は置いていってもらうか。それならいいぞ」
「そんな!?」
6人で返せば最悪の場合一人を切り捨ててそのまま戻ってこない事も考えられる。
それならこちらで何人か預かる必要がある。
「なぁに2人は返すから心配するな」
彼の連れであった2人に関しては正直重用されてるようには思えなかったので帰してしまっても問題ないと考えていた。
「しかし…」
「いっとくけど交渉の余地なんかあると思うなよ、連れ帰ってもらって弟の無事が確認出来たら帰してやるさ」
「しかし、3人だけであの状態の者を連れ帰るのは…」
「何一人だけなら問題ないだろ」
「一人?」
「弟だけ連れ帰ってもらえれば良い無事が確認できたら残りの一人を5人で連れ帰る簡単だろ?」
「それでは時間が間に合わなくなる!」
先程言っていた治すのに時間制限があるのもこれで確定。
「なら急げばいいだろ」
そういって帰れ帰れというジェスチャーをする。
「待ってくれ!ここに来るまでには数日を要する間違いなく間に合わない」
「勝手にきて勝手をしてからそんなこと言われても知るかよ」
「わかった2人とも連れ帰る、だから2人…いや1人だけ同行させてくれ頼む」
「ふーん…こっちの指定した人物でいいなら許してやる」
「うーん。わかった…」
さてここまで誘導できれば完全に成功だ。
まぁここからは色々と問題はあるが…。
「俺とミレイとカレンの3人を同行者として連れて行け。それでいいだろ?」
さてここからは完全に俺の独断だ。
まぁミレイとカレンには伝えてあった訳だが。
頭の中で抗議の念話が飛びっぱなしである。
「それは…」
「なんだ何か問題があるのか?人手がいるんだろ?」
「えっ!?あっはい!わかった3人の同行を許す。時間もないすぐに帰国する」
今の会話に何か違和感があったがなんだろうか?
まぁこれでDDDに入国出来る。
「待ってください!私も同行します!」
サキが声をあげた。
念話内では静かだったのだがここで声を上げるタイミングを見計らったいたようだ。
「弟のことなんです!私が行かない訳にはいきません!それに」
サキが地面に手を起き少ししてから穴を取り込むように地割れが発生して地面から繰出されたような格好となった。
「これで運ぶのも問題ありません」
どうやら土魔法を使ったようだ。
今は、『魔空間』のスキルを使用していないので魔法を行使するのは大変なのだがさすがサキである。
「構わない人手が増える分にはこちらも助かる」
正直な話しあまり人数が増えると何かあった場合に困るのだが…まぁサキが居れば助かるのは事実だ。
俺達の3人は近中距離戦がメインで遠距離戦には向いていない上に何かあった場合に回復魔法もある。
「こればかり絶対に譲りません必ず行きます」
どんなに助かっても何かに盲目な人間は足元を掬われやすく危うい面がある。
同行させたくはなかったのだが彼女の目には絶対に譲らないという強い覚悟が宿っていた。
「仕方ない…」
結局行くメンバーは俺とミレイとカレンそしてサキに決まった。
すぐに出発することになり向かう。
ミレイには旅の支度をアイテムボックスに入れるように頼んであったのでこちらの支度は特に必要はない。
色々と念話内で揉め事はあったのだがサキの一言で誰も反論できない空気となって俺達4人とゾンビ化した彼に残り3人の8人でDDDへと向かった。




