バスタイム
久々に家の風呂に入る…。
「いやぁホテルの風呂もいいけどやっぱりここの風呂が最高だな」
「確かにホテルの風呂より広いものねぇ…」
ホテルの風呂も広いがここの風呂のほうが広い。
シトリーが乱入してきて2人で入っても充分な広さがある。
「そう思うならせめて対面で離れて入ってくれないか…」
俺に持たれるように入ってくるシトリー。
最近は耐性はついてきてしまったせいかあまり動揺しなくなってきた。
「完全に反応しなくなってくるのは普通にムカつくわね…」
最初のうちは俺をからかっていたシトリーだったが、最近は反応しないのでつまらなさそうにしている。
まぁそのせいで完全に家族と風呂に入っている感覚に落ち着いている。
「そういえば50層には向かわないのね」
「まあ色々あるんだろうさ」
40層のフェンリルを倒した事で50層つまりは日和の所まで行くことは可能だ。
もちろん道中の敵は強いだろうし恐らく踏破事態も困難な事は予想できる。
それでも踏破だけなら行けるのではと思っている。
それでも沙月は、進むと言わなかった。
つまり何かあるのだろうと思っている。
「正直色々スキルは取得したが未だに悪魔に勝てる気がしないんだ」
日和がどれほどの力を持っているのかはわからないが以前見たシトリーとストラスの戦いを見るに下手すれば手も足も出ない可能性がある。
「なるほどね…まあ慎重に行ったほうがいいわよ…悪魔の強さは能力にも依存するから」
「厄介よな」
シトリーの能力だけでも厄介だ。
強制発情能力…状態異常無効で防げるのでは思っていたのだが今のレベルじゃ防げないわよとシトリーに言われてしまっている。
「何の為のレベルだと思ってるのよ…悪魔の使う状態異常は基本的に普通のモンスターが使うよりも強力なのだから当然でしょ」
言われてしまえばその通りで完全に無効にするのであればレベルの必要はない。
そうなると状態異常無効のスキルのレベルも上げなければいけない。
「恐らくあの娘の魔眼のレベルが上がったらそれも効くようになるわよ」
「ミレイの魔眼か…」
ミレイの魔眼のレベルは現在9らしくもうすぐランクアップするレベルである。
「そうなるとやはり状態異常無効のレベルアップは必須か…」
「それよりも問題はあなた達のスキルでしょう」
シトリーの言う通りであり、一番の問題は恐らく特攻スキルである。
悪魔を特攻に指定したいがその場合特典を達成出来なければ永久に悪魔特攻になってしまう危険性がある。
対象として悪魔の選択は可能なのだが討伐数まではわからないのだ…。
不用意に選択をする訳にもいかずこれが50層に向かわない一番の理由だと思っている。
「だからこそ動くとしたら複数の悪魔を倒せる状況になったらじゃないかと思ってる」
「複数の悪魔を…ね。ほんとに考えることがとんでもないわね」
「まあ今のままじゃ無理だな…」
レベルも上げなければいけないし対抗策を用意をしなければいけないやる事はたくさんある。
「まあ急ぐ必要はないし気長にやるだろうさ」
「ほんと信頼してるわね、まあ無茶をしないのは賛成よ」
そんな話をしていたせいか長風呂をしてしまったので身体の温度を調整する為に上がってから少しクールダウンする為に裸のまま髪などをドライヤーで乾かす。
その横でシトリーも同じことをしている。
「なあ明らかに実体化してる時間延びてないか?」
「気の所為よ」
「うーん…」
間違いなく実体化時間は延びている。
しかし実質その影響は、風呂が長くはいれる以外には何もない。
俺の魔力が減っている感覚はあるのだが本当に微々たる量で初期の頃と比べれば雲泥の差である。
初期を100とすれば今は5程度しか消費してないレベルである。
シトリーに関してはレベルなどもないので何が影響してこうなったのかわからないのだが…まあこちらに危害を加えることは出来ない以上、心配はないか…と無理やり納得する事にした。
考えてもどうにもならないからである。
それ以上にシトリーには心を許している自分がいた。
一部被害があるとしたらシトリーの為に美容用品を買う必要が出たくらいだろう。
当初は何も言わなかったのが、明らかに実体化の時間が延びた頃から欲しいと言い出したのだ。
霊体だから意味ないだろと伝えたのだが気分の問題よと言い切られてしまった。
まあ大した金額ではないから良いのだが…。
それにシトリーの選んだ商品は本当に質がよく俺も使わせてもらっている。
「何を基準にしてるかわからんがこれ使いだしてから髪が昔の質に戻ったな」
「当然でしょ、さあ私の髪も乾かしなさい」
「へいへい」
俺の髪と比べてればかなり長い髪を持つシトリーの髪を乾かすのも日課のようになっている。
乾かしていると昔、母達の髪を乾かしていたのを思い出していた。
そんなことをしていると部屋のチャイムが鳴った。
さすがに裸で出るわけにはいかないのでバスローブを羽織ってから部屋のドアをあけた。




