ロシアダンジョン
ダンジョン内に避難した結果、当初はモンスター達に攻撃を受けたが全員がダンジョンの入口を目指すので少し外れた所までいけばモンスターと接触することはなかった。
その後、1階層のセーブポイントに向かう。
「こちらです」
アリーナさんの案内でセーブポイントはすぐに見つかった。
「しかしロシアは1階層が森林地帯なんですね」
日本はほぼというかすべてのダンジョンが洞窟タイプでハワイも洞窟だったのでここも洞窟だと思っていた。
「ロシアは比較的色々なタイプのダンジョンがありますね…ここ以外でも雪原フィールドとかがあります」
平和に歩いているが入口周りにはかなりの数のモンスターがいる上に入口からドンドン溢れてきていたので一般人は恐らく入ることは難しそうである。
そしてセーブポイントを確認した上でトリガーを起動する為にモンスターを討伐する必要があるかと思ったのだがすでに破壊された後だったのでどうやらまだ破壊されてから24時間経っていなかったようだ。
手間が省けたのでそのまま登録してから少し離れた所でキャンプをすることに。
「どうぞこちらへ」
沙月がアイテムボックスからキャンピングカーを出した辺りでアリーナさんは口をポカンと開けていたが中に案内されてからは目も見開き完全に停止していた。
「食料等は充分にあるので跳躍のクールタイム開けまでゆっくり待ちましょう」
沙月のアイテムボックスは今やどれくらいの物がどれくらい入っているのかまったくわからない。
沙月曰く、把握は出来てますけど管理は出来てません!と言い張っていたので本人も最近は気軽にポンポン入れているようで本人も中身がどれくらいの量が入っているのか管理出来ていないそうだ。
という訳でしばらくキャンプをする事になったのだが…。
ミレイとカレンがアリーナに色々設備の説明をしている間に決めなければいけない事があった。
「こいつはどうするんだ?」
「恐らくロシアに潜入してたDDDの工作員か諜報員だと思うんですけど…」
「姿を見られた以上放逐は出来ないし困ったなぁ、しかしどうやって連絡したんだ?」
「スキルじゃなくてこれです」
そういって取り出したのは通信機みたいなものを沙月が取り出した。
「ああ、機械でってことか」
「ええ、そのせいで気付けませんでした」
スキルによる連絡だったら気付けると思ったのだが機械であれば仕方ない。
「ダンジョン内では使えないので良いんですけど…」
「このまま外に放逐してもいいんじゃないか?」
「えっ!?」
ロシアに潜入してたならそのまま放逐しても問題ないだろうしそれに一緒に連れ回した方が危険そうだろ?
「確かに…」
現状知られた情報は沙月の魔力値位なもんで装備等をすべて取り上げてダンジョンの外に放置するのが一番安全な気がしていた。
「そうしますか…他にも利用できそうなことはあったんですけど確かにリスクが高そうです…」
沙月も色々と考えていたようだがこのまま日本につれて帰ってもその後の処理に困りそうなので俺の案に賛同してくれた。
ミレイの魅了を使いダンジョンの外まで移動させてそのまま放置することになった。
モンスターが跋扈してるなか色々な装備は取り上げておいたので無事に母国に帰れるかは不明だが、ここから先は俺達が関知する義務はなかった。
その際に日本に連絡を取り無事なことと帰国が3日後になることを伝えてキャンピングカーへと戻った。
「しかし日本でのんびりする予定が大変な事になっちゃいましたね…」
「まぁ仕方ないだろ…こんな状況になるのは予定外だったしな」
俺とカレンはそれなりにショッピングを楽しんだが沙月とミレイは仕事をしていたので日本では実質何もしていなかった。
「帰ったら買い物とか付き合ってくださいよ!」
沙月が念押ししてきた。
「俺で良ければいくらでも付き合うよ…」
アリーナさんは静かに食事を取っていたがダンジョン食材を使った料理の美味しさに目を見開いて静かに味わっていた。
「アリーナさん、少し質問してもいいですか?」
「は、はい!なんでしょうか!?」
沙月の言葉に不意を食らったようでかなり慌てて返事を返させてしまったようだ。
「このままロシアを離れる事になるんですけど問題はないですか?」
「全然問題はないです」
3年近く過ごした場所だと思うのだが思っていたよりもあっさりであった。
「大事な物とかそういうのはないですか?離れる前であれば取ってくる事も可能だと思いますが…」
「いえ…特には…」
少し暗い顔を浮かべていた。
それからしばらくロシアで過ごした間のことを聞いたのだが、政府的にはかなり煙たがられており最低限の干渉だけでほとんど軟禁状態だったそうだ。
彼女としては探索が進んでいれば問題ないとして不満はなかったそうだが…。
「リサは逆に最前線で頑張ってるみたいですね…」
そういって笑っていた。
「ハハハ…そうみたいですよ」
沙月とミレイが乾いた笑いを浮かべていた。
「まぁそれはそれで羨ましくはあるわね…日本に着いたら希望してみようかしら…」
「喜ばれると思いますよ…」
何故か目を逸らす沙月。
ほんとに日本に避難させて大丈夫だろうか…後で恨まれない事を願う。
そんなこんなでロシアのダンジョンで3日間を過ごした。




