索敵
新宿から輸送機で1時間ほどで北海道に到着した。
移動速度の向上に驚愕しつつもそのまま上空を進んでロシア方面に向かってもらう。
輸送機の操縦は自衛隊の方が担当しており特に問題もなく到着した。
「とりあえずこのへんで使いますか」
北海道の最北端である宗谷岬で沙月が『索敵』を使用した。
そしてすぐに索敵は終了したようだ。
「数人入り込んでますね」
どうやって判別したのか不明だが沙月が言うのなら間違いないだろう。
「このまま降りて処理しちゃいましょう。あけてください」
実は飛行機は降りるのが時間がかかったりするのでそのまま降りるのが一番速い。
宗谷岬から市街地方面に移動する。
「ダンジョン外だけどいけるか?」
ミレイとカレンに尋ねる。
「着地する位なら問題なく」
「こっちも大丈夫」
俺と沙月は実は飛行手段は持っていない。
俺は『空間機動』があるがダンジョン外で足場を維持出来るほどの魔力は持ち合わせていないので無理だ。
まぁ正直な話をすればこの高さから落ちても無事で済みそうな気もしてるので完全に人外じみてきているのは感じているが…
そんな事をいいながら普通に飛び降りる。
音が聞こえないのでここからはテレパシーで会話だ。
(目標地点誘導するのでこちらに)
スカイダイビング経験はないのだが割となんとかなるもんだな。
沙月の誘導に従いスムーズに着地をすることに成功した。
ちなみに後で聞いたら3人共スカイダイビングの経験ありと聞いて驚愕だった。
さすが上流階級…。
「このまま接触するのか?」
「ダンジョン外であまり無茶はしたくないのでここは、穏便にいこうかと思います」
ダンジョン外ということを考えるとスキルの使用が出来ないので出来る限り危険を冒したくないというのが本音である。
そういって沙月が取り出してきたのはディスプレイを搭載した宣伝カーであった。
「何か受け取ってるなと思ったらそんなものを…」
「まぁこれで撤退してくれればヨシとしましょう…後は現れたらそれはそれで狩ります」
そういって道路に宣伝カーを設置してロシアの状況を伝えるニュースを流す。
かなりの大音量の為、この地域に住んでる人にも伝わるかもしれないが…それも狙いの一つである。
潜伏している人間がノコノコとでてくる訳がないが他にも人が入れば出てきてくれる可能性がある。
狙い通り一般市民が集まってきた。
俺達は少し離れた場所から観察する。
「臨時ニュースをお知らせします」
と大音量で流しニュース映像が放送される。
工作員は恐らく自国と連絡を絶っている可能性が非常に高く自国の状況を知らない可能性が高い。
そして自国の状況がわかれば引き返すのではないかというのがこちらの予想である。
(さすがに優秀みたいででてきませんね…まぁそれならそれで)
沙月から伝えられた工作員は5人という事とそれぞれのレベル30~35。
場所についてもテレバシーで伝えられた。
(2人はここから確認できるのでここから狙います)
そう言った沙月の側に丸い球体が出現した。
(それなんだ?)
(私特製の麻痺球です)
そういってその球を沙月が工作員目掛けて飛ばす。
『念動操作』を使用している上に完全迷彩処理をしてるようで側を離れた瞬間に見えなくなった。
そして突然工作員の近くの窓ガラスが割れて工作員が苦しみだした。
(なにあれ…)
(うわぁ…)
(状態異常無効持ってたら効かないんですけどね…あの2人は持ってなかったので)
涼しい顔で説明する沙月だった。
そしてそのまま先程出した球は沙月の側に現れた。
(残りの3人をここから狙うのは難しいので1人をアキラさんとミレイさんに任せてもいいですか)
((了解))
そして沙月の誘導に従い商業施設の地下に潜る。
確かに地下では狙うのは難しい。
地上では残りの2人を制圧する作戦をしてるらしいがまぁ先程の様子からして大丈夫だろう。
(そこで止まってください)
沙月に言われて止まる。
(それ以上は感知スキルに引っかかります)
マジでどこまで把握しているのだろうか…。
(距離は?)
(600mです)
(レベルは?)
(32ですね…地下なので他に誰もいなければさっきのでやれるんですけど商業施設ですからね)
ここは商業施設の地下駐車場で人が多い訳では無いがそれなり人がいる。
先程の工作員のように廃工場などの人気がない場所いる時とは状況が違う。
(恐らくそこから移動してくると思うので地上への出口で待ち伏せしてください)
(近くに人はいるか?)
(いえ、今はいません。先程の放送で結構な人が集まってるので)
(なら待ち伏せの必要はない…仕留めてくる)
(一体…)
俺は本気で足を踏み込み加速する。
距離は600m、実際の距離にすればもっとあるだろうが…問題はない。
目標目掛けて移動する…そして目標を確認した。
加速からここまで約3秒。
そしてそのまま驚く相手の頭を掴む。
「雷天」
相手は有無を言う時間もなく麻痺状態になった。
以前とは違い焼き殺すつもりではなく麻痺させるつもりで威力を抑えたのでどうやらまだ意識はあるようだ。
(制圧した、悪いがミレイ来てくれるか?)
(すぐいきます)
(無茶しましたね…)
(悪いんだが、踏み込んだ時と方向転換した時に地面抉ったから修理代を請求してもらってくれ…)
軽やかにいければ一番だったのだが最初の踏み込みとその勢いのまま方向転換した時の踏み込みで足跡が付いてしまっていた。
(わかりました…こっちも2人制圧完了したので合流します)
なんやかんや言いながらしっかり制圧してるあたりさすがである。
◯あとがき
この5人は北海道の内閣府のある庁舎を目指していた所を沙月に捕まりました。
それぞれ『隠形』などの潜伏系スキルを所持している。
沙月の地上での『索敵』スキルは最大半径100km。
隠形系のスキルは貫通するので意味は無し。
さらに範囲を縮小して姿を確認出来るので『叡智』によってステータスも丸裸に出来る(魔力消費量B並)
さらにカテゴリーで検索することも可能で国籍などによるソートも可能となっている
ダンジョン内だと色々と制約があるのでここまで出来ないが地上は阻害がないのでほぼ魔力消費をすれば無制限。




