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現代日本でダンジョン生活!ハズレスキルで無双生活  作者: 色蓮
第7章 罪と罰

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宣戦布告

 タワーに戻ると疲れた顔をした沙月とミレイに迎えられた。

「お疲れ。どうだった?」

「めちゃくちゃ疲れたので頭撫でてください…」

いつもは言わないような事を言ってくる。

どうやら相当参っているようだ。


沙月のお願いに答えて頭を撫でていると…。

「私もお願いします!」

と言ってミレイも頭を突き出してきた。

背が高いので若干しにくいのだが…まぁ2人とも大変だったみたいなのでこれで労りになるのであればとお願いを聞くことに。


「仲が良いわね」

さらに疲れた顔で西園寺さんと氷川さんが出てきた。

「お二人はさらにお疲れですね」

「おかげさまでね…大繁盛よ」

人材不足はかなり深刻らしく2人を駆り出して色々処理をさせていたそうだ。

まぁ原因の8割位はこっちの案件らしいので仕方ないのかもしれないが…。


「ああ、待ってください!!!」

大きな声をあげてある女性が走ってきた。

どこかで見たことがあるが誰だっただろうか?

「アリス!?」

ミレイが名前を呼んだ。

「ミレイ!?」

お互いに驚いていた。

このやりとりで彼女の事を思い出した。

閃光パーティにいた女性の一人だった。


「久しぶり~って言ってる場合じゃなくて…西園寺所長、国際連盟を通してロシアが日本に宣戦布告してきました」

「は!?どういうこと!?まさか戦争を吹っかけてきたってこと!?」

慌てた様子で西園寺さんが聞き返す。

「その通りです、恐らくすぐに中継などもあるみたいですけど…すでに進行も始まってます、総理と連絡が繋がってますのですぐにこちらに」

「わかったわ」

そういって西園寺さんは走っていってしまった。


突然の凶報に残された俺達は困惑するしかなかった

「氷川さん俺達はどうした方が良いです?」

「とりあえずは今日は宿舎を用意しましたのでそちらでお休みください…」

そう言い残して頭を下げ氷川さんも急いで行ってしまった。



残された4人で顔を見合わせいつもの食堂へと向かった。

「どうする?」

席についた状態で俺が第一声を上げた。

「どうするも何も…恐らく何もできませんよ」

「原因はアレだよな?」

「ええ、恐らくそうですが…思考が短絡的過ぎます」

恐らく日本への報復行為という訳ではなくアメリカよりも攻めやすく御しやすいと思われた結果だとは思われるが…。

「見てください!」

そうこうしてる間にどうやらロシアの会見が始まったようだ。

カレンの持ってるスマホに中継の様子が映しだされた。



ロシアの大統領が何かを言っている。

「愚かね…」

ぼそっと背後からシトリーの呟きが漏れた。

そして次の瞬間、中継映像にドラゴンが映り込んだ。

大統領から映像が外れて空を飛ぶドラゴンへとカメラが集中する。

民衆の前で中継を行っていたようだが上空に現れたドラゴンに皆がパニックだ。

周囲の叫び声や何かが壊れ爆発する音が漏れてくる。

そしてドラゴンが大きく息を吸いそして口から放たれたブレスによって大統領を含め民衆を焼き払われた所で中継が中断した。


「もうロシアは終わりよ…蹂躙される」

シトリーが補足のように呟きその場が静寂に支配された。

硬直している俺達に氷川さんが走ってやってきた。

「すみません…一緒に来て頂けますか!?」

先程別れたばかりだというのに本当に慌ただしい。


執務室に呼び出され非常に焦っている西園寺さんがそこにはいた。

「状況は理解している?」

「ロシアでモンスターが現れて暴れているということですか?」

「ええ、どうやらロシア国内のダンジョンからモンスターが溢れてロシアで暴れている状況らしいわ」


「ロシアにはあの事を伝えていたのですよね?」

沙月が質問を投げかけた。

「当然だ、かなり法外な要求をしたが賠償が終わればミスリルの取引は行うと伝えてあった」

沙月としては二度と取引しないという事も考えたそうだがそれでは戦争に発展しかねないと思い賠償金で済ませるように伝えていたようだ。

「それでなんで戦争なんていうコスパの悪い行為に…」

沙月もこの自体は予想していなかったようだ。

「各国でもこの対応は予想外だった…それに加えてダンジョンからモンスターが溢れ出ているこの状況を非常に苦慮している…」

当然である。

もし各国のダンジョンが同じようにモンスターが溢れる自体になれば人間社会は崩壊しかねないからだ。



「それについては…各国まで被害が及ぶ心配はありません」

シトリーから聞いていた俺が言い切るしかなかった。

「それはどういうことです?」

氷川さんが尋ねる。

「ダンジョンの目的は人類…知的生命体からのエネルギーを得ることです。人類を滅ぼしてしまっては意味がないからです」

「つまり、これはロシア内だけで収まるということかしら?」

「恐らくそうなると思います」

西園寺さんが念押しするように聞いてくるが恐らくこの情報は西園寺さん達エルフも知っている情報のはず…。


「しかし、それを証明する事は出来ないのよね…」

ぼそりと西園寺さんが呟く。

そうこの問題の根幹はこの情報の信憑性である。

いくら真実味のある情報を並べても確信がなければそういった対応は出来ない。


「それで俺達を招集した目的はなんです?」

「実はこんな状況になってしまったせいで国内のダンジョンにも警備を割くことなってしまったので北海道への対応をお願いできないかと思ってね」

「北海道の?」

「ええ、宣戦布告と同時に北海道へ乗り込んでいた人員が恐らくいると思うのだけどその捜索に割く人員が確保出来なかったの…」

「なるほど…」

恐らく沙月の『索敵』スキルを使用して欲しいのだろう。

ロシアがあんな状態なので撤退してる可能性もあるが破壊工作などで日本に被害が及ぶ可能性も0ではない。


「もちろん強制ではないわ…あくまでも協力要請だと思って」

高レベルの探索者に協力要請をするのは普通の事で日本にはそれを強制するような法律はない。

自衛隊などの所属でもないので俺達に協力を強制することはできない。

わざわざ危険に飛び込む必要はないのだが…。

「アキラさん…いってもいいですか?」

「マジか…」

「北海道には知り合いも多くいますしそれにいま国の中枢に何かあるのは非常にめんどうなので」

沙月の言う事も尤もで今の政府とは適切な距離感を保っているがこれがもし政府の中枢の人員が入れ替った場合にどっちに転ぶかわからないというのは一番の懸念点でもあった。

「まぁ沙月が行くって言うなら俺は付き合うぞ」

「ありがとうございます」

「私もいきます!」

「もちろん私も!」

ミレイとカレンも了承してくれた。


「ありがとう…すぐに手配するわ」

ここから北海道までの移動はどうするのかと思ったのだがすぐに自衛隊基地に戦闘機が手配されてそれで移動することになった。

基地までは車で移動するよりも走った方が速いのだがそれはそれで目立ってしまうので大人しく車で移動することになった。


「まさかこんな事になるとは思いませんでした…」

沙月がぼやく。

「沙月のせいじゃないから気にする事はないぞ」

実際馬鹿な事をしたのはロシアだ。

今この瞬間も危険に晒されているのはロシア国民でありそれ以外は特に問題は起きてはいない。

「スタンピード自体は数日で収まるわ…まぁ基本的には人ではなくて施設を優先的に破壊するはずだけどまぁ仕方ないわね」

シトリーがそんな事を補足してきた。

「つまり人は避難させればまだ助けられるってこと?」

沙月が問いかける。

「そうね、あくまでも人を殺すのが目的はなく戦争を起こそうとした制裁だもの」

それもそうで戦争を起こそうとした国の人を皆殺しにしてしまったら戦争を止めた意味が無くなってしまう。

「まぁ残念ながら主導した人間は優先で狙うようになってるけどね」

あの放送を見るに大統領は生きてはいないだろう…色々とルールが決まっているようだ。


何やら考え込んでいる沙月だったが、俺は沙月に危険が及ばないように立ち回らなければと思い覚悟を決めていた。



◯あとがき

本来であれば要請を断る事もできたのですが、沙月はこの状況を招いてしまった事に罪悪感を覚えているので参加しています。

本当は、こんな事がなければアカネとの顔合わせ予定だったのですが互いに違う場所で協力する必要があった為、会えずじまいです。


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