アカネside
私の人生はいつも上手くいかなかった。
小さい時から病気がちでイベントごとはすべて欠席。
高校受験も病気で試験が受けられず定時制の高校に進学した。
体調が悪く留年もしたせいで結局卒業まで5年かかり大学に合格したのだが…。
その大学はダンジョン災害の被害を諸に受けて全壊して閉校した。
結局体調の問題もあり定職にも付けずバイトで食いつなぐ日々を送っていた。
残念ながら両親は小さい頃から苦労をかけていたことがたたったのか高校在学中に母が亡くなり後を追うように1年後に父も亡くなってしまった。
2人の遺産を食いつぶし続ける訳にもいかず働きだしたのは良いが体力もなく学歴もない私がまともに働く事も出来るわけもなくコンビニでバイトをしている。
ここの店長はずっと通っていた事もあり私の体調も考慮してくれていて非常に助かっていた。
しかし、日々減っていく両親の残してくれた遺産…そして未来の見えない日々に生きているのもやっという状況であった。
何度このまま死んでもと思っても両親の想いを考えればそんな事は出来なかった。
体調が悪く寝込んでいるといつもそんな考えをしてしまう…だからこそそんな時はいつも本の世界に逃げ込んでいた。
入院生活中も、病床にふせっている時はいつも本を読んでいた。
残念ながら文学少女だったか?と言えばそうではない。
私が読んでいたのはずっと漫画やラノベである。
お硬い小説も両親が買ってきてくれた事もあったが体調が悪い時にこんなものを読んでいたら余計体調が悪くなると言った所、その後は買ってくる事はなかった。
小さかったとは言え酷い事をいったな…私は…と思い返すと気まずくなるが私はずっと本と一緒に過ごしていた。
もちろんアニメも大好きで本を読めない時はずっとアニメを眺めている日もあった。
特にハマっていたのは暁先生の作品にドハマリしていた。
両親に頼んでグッズを買ってもらったりアニメが放送されていた時はテレビにかじりついて繰り返し視聴もしていた。
それほどまでに好きな作品だった。
しかし、残念な事に私が高校生だった時に作者の暁京香先生は亡くなってしまった。
心不全という発表だったが、作家の不摂生とはよくいったものだがその時の私は悲しみに暮れていた。
なんせ母も入院中で余命幾ばくもないという状況だったのだ…本当にショックだった。
日々コンビニのバイトでその日暮らしをしていた私に転機が訪れたのは長年放置していた魔力値の検査を受けた事だった。
基本的には魔力値の検査は適正年齢になったら受ける必要があったのだが私の住んでいた地域には残念ながら測定が出来る施設が無く測定するには4時間以上もかけて移動する必要があった。
残念ながら身体の弱い私にはそのような移動をするのは耐えられず長年放置していた。
そんな折、そういった事情を鑑みてか近くの公民館に出張所という事で測定装置が期間限定ではあるが設置された。
この機会を逃すと一生検査を受けない事になりそうなのでそこで検査を受けた。
検査は受けたがスキル鑑定まではなかったので魔力値がCという事がわかりそれなりに優秀な魔力値だったが移動距離がネックになりスキルの判定を受けるまではいかなかった。
そんなこんなで魔力を認識をすることは出来たが結局は利用方法はわからなかった。
残念ながらこんな僻地では魔力を活用するような場所はスマホの充電位にしか使用用途はなくほとんど使う機会はなかった。
そもそも私は体調の問題もあり普通の仕事は難しかった。
しかし、スマホを使っている時にある現象が起きた。
スマホの中から何かがこちらに喋りかけてきたのだ。
その存在は私の固有スキル【電子精霊】というスキルが産んだ存在であり固有スキルと合わせて教えてくれた。
光の粒子のような存在で電子機械の中でのみ生きていける存在でありレベル1の状態では1匹でだけでありちょっと便利な検索エンジン程度の力しか持ち合わせていなかった。
それでも孤独だった私には良い話し相手でもあり共に過ごす内に名前を付けた。
残念ながら私にはセンスはないので好きな漫画の登場人物の名前をつけさせてもらった。
アラン…私の好きな漫画の主人公の名前。
その名を授けた私の精霊はずっと成長を続けていた。
ネットの海を駆け情報を取り込み成長を続けた。
存外にも私の豊富な魔力も役に立ったようで2年で固有スキルのレベルが上がった。
その瞬間から固有スキル【電子精霊】は破格の性能を得た。
アランから勧められて始めたVチューバーとしての活動は水を得た魚のように爆発的な人気を得た。
あらゆるサイトに勝手に広告をうち露出が増えそしてコンテンツの編集作業などもプロの技術を吸収したアランによってクオリティが跳ね上がる。
知らぬ間に投資までして多額の資産を得ていたのも驚きである。
アランはいつの間にか複数に分裂しており複数の精霊となっていた。
そして私の求めている情報の添削が可能となった。
もちろんアランと同様の存在、もしくは似たような力によって守られているものには手は出せない。
しかしそんな力に守られている情報は少ない。
特に日本に至ってはほぼ無防備といっても良い。
だからこそ私はその情報に触れてしまった。
アランは自身の由来となる存在としてそして私は幼少より支えてくれた存在として気になってしまった。
作者の情報を…。
その結果…発表された情報が嘘だった事を知ってしまった。
どんなに情報を隠蔽しても今の私にわからないことは何もない。
彼女にこんな酷い仕打ちをした奴らに報いを受けさせる為に私は発信力のあるコンテンツを作る為にVチューバーとして有名になることを決めた。
日本の裏に潜む巨悪の息の根を完全に止めるには今の私は脆弱過ぎた。
だからこそ力を蓄え備えた。
そしてある出来事をきっかけに決行に移すことに決めた。




