快気祝い
フカヒレを持ってホテルに戻りシャワーを浴びた所で丁度よい時間になった。
そろそろ準備をするかと思いキッチンに向かうと先ほどはいなかったのにカナタがなにやら作っていた。
「さっき来た時に何か仕込んであるなと思ってたけどカナタのか」
「スイーツ系は色々と仕込みがいるのよ」
「寝かせたりとかあるもんな」
そういって俺は冷蔵庫から野菜を取り出す。
「俺はとりあえずオムライスの準備するけど他に何か作るのか?」
「そうねぇとりあえず全員で摘めるもん作ろうと思うけど」
「それならこれ使ってくれ」
先に冷蔵庫に突っ込んでおいたフカヒレを差し出す。
「なにこれ」
「サメと戯れてたらドロップした」
「いつも思うけどすぐに食べれる状態でドロップするの面白いわよね」
「まぁ普通に食べようと思ったら干したりとか皮剥いだりめんどくさいから有り難いだろ」
「それはそうだけどね…」
若干納得いかないというような顔をしていたがまぁそういうものなのだから仕方ない。
ちなみにこのフカヒレめちゃくちゃデカい。
1m位はあるのである。
「とりあえずスープかなぁ…」
そういって鍋を用意するカナタだった。
残念ながら俺はフカヒレの調理方法は知らないのでカナタにおまかせである。
「めんどうな食材を…」
そう言いながらしっかり調理していくあたり凄いと思う。
「そういえばもう一人の調理担当はどうしたのよ?」
「えっ?」
「さっき一緒にいたでしょ?」
「いや俺はさっきまで海に入ってたからミレイと会ったのは昼前だぞ」
「えっ!?」
不思議そうな顔をしていたが、残念ながら俺は海の中にいたのでミレイと一緒にいるのは不可能である。
「まぁミレイの担当は和食だしもう少し後で来るだろ」
別に集合時間を決めていた訳ではないので各々自分担当の料理を作る分だけの時間で来るはずなので別に大丈夫だろうという感じである。
そんな話をしていたらサキがやってきた。
手伝いに来てくれようなのでカナタが指示を出して料理を手伝わしていた。
その後、しばらくしてからミレイがやってきて慌てて調理していた。
しっかり間に合わせていたので問題はなし。
「珍しいなミレイが遅刻するなんて」
「ちょっと色々とありまして…」
「そうか、まぁ間に合ったし結果オーライだな」
そんなこんなあったが快気祝いのスタートである。
「先日もパーティを開いてもらったっていうのに私の為にありがとうございます」
「やっと呪いから解放されたんですから祝わないと!」
沙月の一言に合わせて全員が頷く。
「ありがとうございます」
「という訳で始めましょう!」
沙月の合図でパーティを開始した訳だが、なぜかオムライスを全員分作らされる事に非常に大変だった。
他の料理の事もあるので小さめにしたのでフライパンを振る回数は減らせたのだが自分のは作るをのやめた位には大変だった。
「なにこれ美味しい…」
「こんなオムライス食べたことない」
今回は今まで食べたことなかったメンツにまでふるまってしまったので今後作れと言われないか不安である。
個人的には自分用のまかない飯という感じなのだが…まぁ好評のようでよかった。
そんな俺はフカヒレスープに舌鼓。
「うめぇ…」
自然に声が出るくらいには美味かった。
「さすがだなぁ」
とカナタに声をかけたが
「レシピ通り作っただけだからね、レシピの発案者を褒めてあげて」
「レシピ通りに作れるだけでも大したもんだと思うぞ」
先程気になってレシピを見せてもらったがめんどくさい工程が多かった上に調味料も色々入ってたので俺だったら雑に作ってしまいそうだ。
「そういえばゴーレム狩りは順調か」
「ああ、特に問題は無しだ。まぁ硬いやつはサキに頼ってるがな」
「こっちはしばらく特攻進まなさそうだからな今のうちに追いついてこいよ―」
「特典のおかげで倍で進むようになったからなそのうち追いつけるだろ」
実際あと1種討伐すれば10種になるので特攻スキルが上がる可能性がある。
達成したいのは山々だが上層で狩ろうとすると14層になってしまう。
もう少し安全マージンをとれるようにレベルが上がればそこで狩ってもいいかもしれないが節制を達成するという目的だとあそこは狩りにくい。
なんせ数は多いがまとまってない上に森林フィールドなので見通しも悪く奇襲もあったりと非常にめんどくさい。
「経験値をそれだけの速度で稼いでいる時点でいかれてると思うけどな」
「それでも俺達に追いつくにはもっと狩らなきゃダメなんだけどな」
「言っとくけど今の私達国単位で見ても恐らく上位にいるからな?」
「いうて40超えてないしまだまだだろ…」
「40超えなんてそんなにいないはずだぞ」
「このまえ50超えてた訳だしそれなりにいる可能性はあるだろ?」
経験値系の固有持ちは秘匿されているだけでいる可能性は全然ある。
「この前のは特殊事例だろ…それにしても今まではレベルだけ上げとけば勝てると思ってたんだけどな」
何やら思うところがあるらしくカナタは難しい顔をしていた。
「基本はレベルあげとけばなんとかなるだろ」
「自分より遥かにレベルが上の奴を倒しといてよく言うな」
レベルだけ高くても人間は弱点が多すぎるからな。
「前提としてレベルは必要で、もっと言えばそれに伴ってしっかり技術というかスキルを持ってる事が大事ってことだ」
あいつも状態異常無効のスキルを持っていたら倒すことはできなかった。
「私たち結構ポンポン使ってるけどあれ末端価格10億近いからな」
「それは聞きたくない」
実体としてほとんど役に立っていないスキルに10億とかヤバイとは思うのだがダンジョン側としてもしっかり対策しろという事で20階層~30階層でドロップするようになっているらしい。
まぁ残念ながらそこをメインで狩りをしている人には不要な産物なのでよく売りに出されている訳だが。
「状態異常使ってくる敵はほとんどでてこないからな」
30~40層でも使ってくる敵はほとんどおらず恐らく40階層以降ではでてくるのではと言われているが現状、そこに到達してる国はおらず未確認だ。
「ミレイのスキルがある以上はそういう敵もいると想定した方がいいだろ?」
「確かにそうだけどな」
40層以上ででてくると言われるのは理由があり、40階層のフェンリルが状態異常スキルを使用してくるからだ。
「とりあえず今の特攻先の状態でフェンリルは一度挑んでおきたいな」
「マジ?」
「マジもマジ…スキル気になるしな」
「ほんとにバトルジャンキーだな…」
「強くなっとくのに越したことはないからな…」
そんな会話をカナタとしていたのだが他のメンバーがこっちにも混ざれと言わんばかりに引っ張っていかれる。
それなりに全員と絡んだつもりではあったのだが終わった後に会場を出て歩いていると沙月から声をかけられて呼び出しをされた。
話したいことがあるそうだ。
部屋でというわけにはいかないのでラウンジで待ち合わせをした。




