レベリング週間
アイラさん達が来てから5日が過ぎたが、ひたすらレベリングしつつ早朝にトレーニングを行い技術を高めていった。
ちなみにランは、すぐにスキルを使いこなして俺が狩る前にゴブリンから魔力吸収したりと順調だった。
スライム状態の腕で何匹もゴブリンを締め上げて魔力吸収していたのでえぐい…。
アイラさんも普通に振り回す位であれば問題なく出来るようになっていたが、まだ攻撃時に重くしたり軽くしたりの切り替えが上手くやれていなかった。
早朝は付きっきりで訓練しているのだが『飛刃』スキルによる攻撃はまだ活かす機会がないがなんとか使えるレベルまでは仕上がっていた。
衰弱の呪いに関しては『絶倫』によって衰弱状態は改善、経験値の減少に関してはレベルが上がる位には稼いでいるので問題なし。
だが、呪い自体は解消の手段は見つからずにいた。
普通の衰弱の呪いであればレベルを上げれば解除されるそうなのだがその気配もなかった。
何かあった時の為に『超回復』のスキルはとってあるのでそれを使えればいいのだが残念ながら魔力値Cなので使用することは出来ない。
『節制』で魔力値を倍にしてBに届くかもしれないとの事だったのでそれを待つことが現状の解決策の一つでもある。
ずっとレベリングをしていたので本日は、お休みだったが日課のトレーニングの為に早朝に起きて身体を動かしていたのだがアイラさんとランが起きてきた。
「おはようございます」
「おはよう」
「今日はお休みなのでゆっくりしててもよかったんですよ」
「いえ、私はまだまだなので1日でも休むと不安で…」
充分大剣自体は振り回せるようにはなってきているがまだまだ下層階のモンスターと戦うには不安がある状態だった。
少し遅れてソフィアもやってきた。
「やってると思いました」
最近はアイラとの戦闘訓練が楽しくなってきているそうで2人でバチバチにやりあっている。
ちなみに、2人のレベルは20まで上がっているのでかなり強くはなっている。
「元々のレベルに戻る日も近そうですね」
「元々は2年以上かけて上げたからあっという間という表現の方が近いわよ」
そう言われてみればそうかもしれないがこれもすべて沙月のおかげだ。
「まぁ、あとは呪いがなんとかなればいいんですけどね」
「そうね…最近気にならなくはなってきたけどやっぱり周りから吸っているのも悪い気がするもの…」
常時経験値を吸っている状態なのはやはり気になるようで少し暗い顔をしていた。
「まぁそこは賄えてますしとりあえず今日も特訓しますか」
「ええ、今日もよろしくお願いするわ」
そういって訓練を始める。
『飛刃』
・斬撃を飛ばす事が出来る
威力はそのまま切った場合の半分程度の威力。
・飛距離によって減退する。
本人の意思によって調整可能。
というスキルだったのだが『軽量化』状態で切って作った斬撃は、威力が弱く『重量化』状態で切った斬撃は威力が強い。
軽量化状態での斬撃は牽制位には使えそうだが大したダメージにならないのでやはり重量化状態での斬撃がメイン火力になる。
「軽量化して振り上げて重量化して振り下ろす動きをもっと最適化してみましょう」
これが非常に難しいらしい。
スキルについては感覚的なものがあるのでなかなか教えられないのだがこちらがタイミングをとりながら一定のリズムで振り上げ一定のリズムで切り替えて振り下ろすという動作を繰り返し行っていた。
「1・2・3、1・2・3」
実践ではこのリズムで出来るとは限らないが反復練習をした事は咄嗟の時に必ず役に立つのでこの反復練習を繰り返している。
ちなみに俺はというと前に立って振り下ろした斬撃を硬化で受け止める練習をしている。
斬撃が飛んでくる速度は拳銃より遅いので避けるのは容易い。
片手で振り上げて両手で振り下ろしが出来るようになればもっと攻撃パターンが増えるのでそこまで仕上げたかった。
「そういえば横一閃はしなくても良いのでしょうか?」
大剣で横一閃による斬撃は強そうに思えるのは当然だが…
「味方に誤爆しそうなので横一閃はもっと使いこなせるようになってからですね…」
複数出現するモンスター相手には非常に有効な攻撃手段なのだが横一閃は、軽量化と重量化の切り替えがシビアな上に味方への誤爆が怖いのでまだ使っていなかった。
「『飛刃』無しなら使ってもらってもいいですよ」
「わかりました、気をつけます」
とりあえず振り上げと振り下ろしの反復練習を繰り返して身体に覚えこませる。
ちなみに終わりがけにソフィアとランの訓練に少し混ぜてもらい2人がかりで攻撃してもらい硬化で捌く練習を少しだけさせてもらった。
『鬼化』と『液化』の攻撃を両方捌くのはさすがに10分位が限界だった。
「捌いても絡みついてくるのはなかなか厄介だなぁ」
と言葉にしながら朝食の為にホテルに戻った。
―――――ソフィア達視点―――――
「全力でやって10分以上持たされた…」
「『硬化』+『電気操作』で弾かれるから拘束が出来ない」
足や手に絡みつかせようとしても電気操作で弾かれるというより水分状態のせいか電気操作により全身に麻痺が入るので容易に触れられないのがほんとに厄介だった。
最終的には麻痺覚悟でランが接近した上で胴体を拘束してワタシが一撃を加えて終了だった。
「いつも思ってるんですけどおかしくないですか?」
「彼は戦闘IQがとんでもなく高いのよ…」
基本的に戦闘においては彼より強い人はいないと思っている。
遥か高みだと思っていたモーガンさんにレベルが追いついて来たことでモーガンさんの強さが理解出来るようになってきたがアキラに関しては全く底が見えない状態だった。
こっちがどんな奇策を擁しても涼しい顔をして捌いてくるのだから手に負えない。
「こっちの攻撃を捌きながら片手間でスキルの訓練してる位だからほんとに余裕があるのよね…」
アイラさんも気付いてきたようで彼の背中を遠い目をしながら追っていた。
アイラさんとの訓練中もアイラさんに指導しながら硬化や電気操作のスキル練習をしている上にタイミングをミスって放った斬撃も軽くいなしてしまうらしく凄さを日々実感しているそうだ。
あそこまで仕上げた彼の母親達に畏敬の念を抱きながらワタシ達もホテルに戻った。




