謝罪
そこから落ち着いてからもう2回経験値を稼いでから家に戻った。
本当は10層に行きたい所だったのだが今日はパーティの為に家で色々と用意をしていたのでモバイルハウスに向かう。
ちなみに帰りはそのままアイラさんとランファをそのままソフィアとミレイがそれぞれ抱えて飛んで登った。
「そういえば周囲の経験値を吸うってどれくらいなんだ?」
「1分1ですね、まぁ周囲全員から吸ってるのでかなりの量を吸ってるといえば吸ってますけど、効果範囲も半径5メートルってとこなのでそこまで意識する必要はないと思います」
「周囲のを吸った分は減る量に還元されてるのか?」
「そうみたいですね、通常1分で60減る所が私達の人数分減ってるみたいなので」
「なるほどな…まぁ大したことないな」
「まだ解除されてないの?」
シトリーが突然声をかけてきた。
「解除ですか?まだ解除はされてないですね」
沙月は不思議そうに答えた。
「そう、やっぱり普通の衰弱の呪いとは違うのね…」
シトリーの意味深な独り言を沙月が見逃す事はなく。
「解除方法を知ってるみたいですね…詳しく聞かせてもらっても?」
沙月が少し怖い顔をしていた。
「シトリー、ちゃんと教えてやってくれ」
「りょーかい」
仕方ないといった顔をしてシトリーが口を開こうとした。
「アキラさん、シトリーを借りていってもいいですか?色々とお話したい事があるので」
どうやら尋問されるようだ。
「ご自由に…シトリー、沙月についていってくれ」
「えっちょっと!?」
俺の命令には従う必要があるので沙月に引きづられるようについていく面白い光景が見れた。
シトリーが尋問される所も見たくはあるが、俺が詰められている気分になりそうなのでやめておく。
まぁあまり俺から離れられないので少し離れた所で話をしているようだ。
いつの間にかカナタも合流していた。
しばらくして3人が戻ってきたので沙月を抱えて崖を登る。
ちなみにサキとカレンは自力で登っていった。
風魔法には、飛行魔法があるそうでそれを使い、サキとカレンは飛んでいった。
ちなみにこの魔法も雷装と同じく自己にしか使えないそうで全員を飛ばしたりは出来ないそうだ。
「沙月はそういえば飛行系のスキルないんだったな」
「そうなんですよ、まぁあんまり困っていないといえば困っていないのですが…」
まぁ7人中6人が空中移動系のスキルを持っているのだから問題はないのかもしれない。
ちなみに本当は壁走りで登るつもりだったのだが沙月のご希望で『空間機動』で登っている。
「壁走りならすぐなのによかったのか?」
「いえ、全然こっちで大丈夫です…」
お姫様抱っこをしているのだが恥ずかしかったりしないのだろうか?結構嫌がる女性は多いと聞くが。
そうこうしてる間に入口についた。
そこにはアイラさんとランファだけが待っていた。
「先に行っていてもよかったのですよ」
お姫様抱っこで上がってきた沙月だったがやはり恥ずかしかったようでそそくさと降りて二人に話しかける。
「改めてお礼と謝罪をしたくてお待ちしてました」
「謝罪?」
不思議そうな顔をしているが沙月はわかっているようだった。
「ここにきてからと言うもの失礼な態度をとってしまい大変申し訳ございませんでした…」
2人揃って俺に向かって頭を下げた。
「えっ」
どうやら俺への謝罪だったようだ。
気づかないフリをしてもよかったのかもしれないがそれはそれで2人の思いを踏みにじる事がなると思い謝罪を受け入れる事にした。
「気にしなくていいですよ。女性だらけの場所に男性がいたら警戒するのも当然です」
「いえ、どうしてもある男と重ねてしまって本当に失礼な態度を…」
「事情もあるようですしもしよかったら食後にでもお互いの事を話しませんか?俺達は互いに知らない事が多すぎる」
地雷は早めに処理をしておけるのであればその方が良い。
無理強いするつもりはなかったが向こうから歩み寄ってきてくれたのならこちらも歩み寄らなければ…。
「わかりました。お話させていただきます…しかしそれを理由としても失礼な態度をとってしまったことには変わりないので謝罪をさせてください」
「そうですか…わかりました、謝罪を受け入れます。なんでこの話はここで終わりにしましょう、これから同じパーティの仲間なんですから」
俺が受け入れた事に安心したのか2人はダンジョンを出ていった。
二人がダンジョンを出た所で…
「やっぱり、ちょっと罪悪感あるなぁ」
「下手にこじれるより良かったと思いませんか」
「実際には命を盾にしたみたいだろ」
結局俺がいないとアイラさんを助けられないと思ったからこその謝罪だろう…そう思うと受け取っていいかの葛藤があった。
「私としては早めにわだかまりは解消して置きたかったんです」
まぁこの少人数で人間関係で揉めるのも嫌なのはわかるが…
「沙月の考えもわかるが…悪い、俺の中で納得できないからちょっと言ってくる」
沙月が悲しそうな顔をしていたが、やはり納得出来なかったので2人の後を追った。
ダンジョンを出てすぐの所で2人はまだ歩いていた。
「すいません」
俺が声をかけると2人はビクッとしてこちらを向いた。
「どうしました…」
不安そうに問いかけてくるアイラ。
「アイラさんの状況を盾に無理やり謝罪させたみたいにしてしまった事を謝りたくて…」
「いえ、こちらが勝手に変な態度を取ってしまっていただけなので…謝る必要はないです」
「でも、謝罪をしなきゃと思ったのは俺のスキルがあったからですよね?」
「それは…」
「そういうので謝罪させるようにしたみたいなのが嫌なのでこれでおあいこということでなかったことしませんか?」
「いや、でも…」
「もし謝罪されてなかったとしても俺はあなたを助ける為に尽力をするつもりでしたし俺が受け入れがたいというならそれはそれで構いません…俺のことを本当に受け入れられたならその時は、握手でもしてください」
俺はそう言ってこれ以上は押し問答になるなと思い話を切って家に戻った。
これも自己満足だと言われればそれまでだが今後一緒に過ごすにあたって互いに罪悪感や悪感情を抱えたままにしておきたくないという気持ちがあった。
2人が納得した上で俺を受け入れてくれたのであれば何も言うことはないのだがあのままではわだかまりが残ると思えて仕方なかった。
そして家に戻り準備を始めていたミレイ達の手伝いをする。
後で戻ってきた沙月にも謝らないとな…せっかくのお膳立てを台無しにしてしまったしと思いながら作業を続けた。




