表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代日本でダンジョン生活!ハズレスキルで無双生活  作者: 色蓮
第7章 罪と罰

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

268/330

呪言 アイラside

 どんなに真っ当な手段で金を稼いでいたとしても恨む人間はいる。

特にあの男のような特殊な趣味を持つ人間はどこで恨みを買っているかわかったものではなかった。

ただ、今回は幸いにも恨みを買ったのはあの男ではなく、あの男の祖父に当たる人物だった。

かなり悪どい方法で金を稼いでいたようでそのせいで全てを失った男の復讐であった。


 結果的な話をするのであればあの男を殺したのは『呪言』というスキルであった。


『呪言』

・代償と引き換えに相手に呪いをかけるスキル

・代償が大きければ大きいほど効果範囲が広がり、恨みを込めれば込めた分だけ効果が大きくなる。


探索者として覚醒してスキルの効果がわかってから3年近くの月日を恨みを溜める事に捧げ続けた結果その呪いはとんでもない効果を発揮した。


掛けられたのは祖父であったのだが、代償として自身の命を差し出したせいでその近親者まで対象が及んだ。

3代まで呪いが伝染したようで本人とその子供と孫までが呪いの犠牲になった。

魔力はあっても探索者として活動していなかった為、レベル1だった全員が衰弱しながら絶命することになった。


近親者というのは戸籍上の物ではなく子を成していた場合、その相手も近親者とみなされるようで私も含めあの男が関係を持ち子供を産んでいた女性にも呪いが降りかかることになった。

幸いだったのは呪いの効力が3代で止まったおかげでランファには影響がなかったことだった。

ただ、もし影響があったとしてもランファには効果はでなかった可能性が高かったのは後でわかった事だった。

プロスポーツをする者以外は、徴兵の関係上基本的に16歳を超えたら魔力値の検査をするのが義務となっていたのだが、この呪いは魔力を自覚した者じゃなければ効かなかったからだ。

その事が判明したのは祖父に隠し子がいたことが後でわかってからだったのでこの時点では3代に渡り絶命させるとんでもないスキルであった。


ちなみに呪言の効果自体は、犯人が持っていた遺書に書いてあった。

犯人の自宅から恐ろしい量の恨みつらみを書いた紙束が発見されて相当の恨みが込められていたようだ。

命を捧げた結果どこまで効果が出るかは本人も未知数だったようだが

結果として仇の一族をほぼ崩壊させたのだから大したものである。

ちなみに会社などは祖父の弟の一族が引き継ぐ事になった。


レベルをそこそこ上げていた私は身体の衰弱は防ぎようがないが死ぬまでの期間には猶予があった。

当初は、なぜ自分だけ死なないのか不思議であったのだが、レベルが下がっている事に気付きこの呪いの正体に気付いた。

医学系のスキルを持つ者に鑑定してもらった結果『衰弱の呪い』という状態異常に掛かっていることがわかった。

そして周囲の人間にも影響を及ぼす事がわかり国に隔離される事になってしまった。


幸いにも周囲の人間が死なない事はわかったのだが経験値を吸収するのは変わりなかったのでレベル1の人間が食事などを運んできてくれていた。

そんな状況に娘は自分のキャリアを捨てて探索者になって私に会いにきた。

呪いを解く方法はわからないが毎日経験値を運べば私が死ななくて済むと考えたのだ。

しかし、娘は問題のある固有スキルを擁していた。

『怠惰』…娘のどこが怠惰なのかと思ったがその効果は怠惰の名に相応しい効果だった。

地上ではほとんど効果は無いのだが、ダンジョン内に入ると周囲と言わずそのフロアにいる探索者の魔力を吸い上げてしまう効果を持っていた。

モンスターからも吸えるのだが、一番魔力の多い対象から吸う仕様のようで基本的には人間が犠牲になる場合がほとんどであった。


その結果、娘もダンジョンを出禁になってしまう。

しかしそんな状況でも隠れてダンジョンに潜って私に経験値を運び続けてくれる娘を不憫に思い何度も命を絶とうと考えたが、スポーツ選手としての道も絶たれあの男が亡くなった事で後ろ盾をすべて失った娘を残して死ぬ訳にはいかなかった。


そんな時に、娘にスカウトが来たのだ。

こんな厄介なスキルを持っている事を知った上でのスカウトだったので私としては素直に受けて欲しかったのだがあの子は条件をつけた。

『自分はどうなってもいいから母を助けて欲しい』

それがあの子の出した条件だった。


私の状況を説明した上で先方は、すんなりとOKを出してきた。

解決は出来ないが延命をすることなら約束するというのは心強かった。

今のペースでは恐らく1ヶ月も持たない事がわかっていたからだ。

娘は、すぐに快諾して親子共々日本へと渡った。

専用の航空機が用意された上で丁重に運んでくれたことに感謝しつつ私は、ようやくこの地を離れる事ができたと少し気が晴れた思いであった。


日本に着いてからあちらの状況と合わせてどこに向かうのかという説明を受ける。

当初は日本に来てくれという説明しか受けていなかったので驚いた。

そして彼女達が抱えている問題や事情に関しても納得出来た上で移動という事になった。

体調面を考慮して移動は慎重を期してくれていたがこちらとしてはすぐにでも娘をスカウトした本人に会いたかった。

悩む時間すら惜しいと即決した。

例え助からない命だったとしても娘のことはお願いしたかったのだ。


考えられる延命の方法としては圧倒的速度で経験値を稼ぐという手段が考えられた。

もしくは複数人の人間が私に経験値を捧げれば…私を延命することは出来る。

しかし、それはただただ足を引っ張る行為にしか過ぎず解決策がないのであれば娘を託してそのまま大人しく死ぬことを考えていた。


その為にも、ここでしっかりと彼女たちを見極めなければいけなかった。

娘を託していい人間なのかと…

そして拍子抜けだったのは、直接会った彼女は、娘と変わらない…いや身長などを考慮すると娘よりも若く見える。

 

しかしこちらの事情を見通したかのような目線を向けられた後にニッコリと微笑まれ人生経験からこの少女は只者ではないと感じていた。

全員が女性のように見えたが一人だけ男性なのだと声を聞いて気付いた。

見目美しい女性の中に男性が一人…どうしてもあの男の事がチラつき警戒心を強めた。


もしあの男と同じような性質の持ち主であれば娘を毒牙にかけさせる訳にはいかない。

しっかりと見極める必要があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ